TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025150803
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-09
出願番号
2024051902
出願日
2024-03-27
発明の名称
粉末ポリアミドの製造方法
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08J
3/14 20060101AFI20251002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】析出する粉末ポリアミドの含液量を低減し、洗浄溶媒量および乾燥のエネルギーを低減した粉末ポリアミドの製造方法を提供する。
【解決手段】工程1:ポリアミド6組成物を金属塩化物およびアルコールを含む金属塩化物アルコール溶液で加熱溶解してポリアミド加熱溶解液を得る工程、工程2:前記ポリアミド加熱溶解液をアルコールで希釈してアルコール希釈液を得る工程、並びに工程3:前記アルコール希釈液を冷却して粉末ポリアミドを析出させる工程を含み、前記工程1で金属塩化物アルコール溶液100質量%に対する金属塩化物の質量割合が10質量%以上22質量%以下であり、前記工程1でポリアミド加熱溶解液が金属塩化物1モルに対して0.2モル以上2.5モル以下の水を含み、前記工程2でポリアミド加熱溶解液の温度を50℃未満にせずに希釈することを特徴とする粉末ポリアミドの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
工程1:ポリアミド6組成物を金属塩化物およびアルコールを含む金属塩化物アルコール溶液で加熱溶解してポリアミド加熱溶解液を得る工程、
工程2:前記ポリアミド加熱溶解液をアルコールで希釈してアルコール希釈液を得る工程、並びに
工程3:前記アルコール希釈液を冷却して粉末ポリアミドを析出させる工程
を含み、
前記工程1で金属塩化物アルコール溶液100質量%に対する金属塩化物の質量割合が10質量%以上22質量%以下であり、
前記工程1でポリアミド加熱溶解液が金属塩化物1モルに対して0.2モル以上2.5モル以下の水を含み、
前記工程2でポリアミド加熱溶解液の温度を50℃未満にせずに希釈する
ことを特徴とする粉末ポリアミドの製造方法。
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
工程1:ポリアミド6組成物を金属塩化物およびアルコールを含む金属塩化物アルコール溶液で加熱溶解してポリアミド加熱溶解液を得る工程、
工程2:前記ポリアミド加熱溶解液をアルコールで希釈してアルコール希釈液を得る工程、並びに
工程3:前記アルコール希釈液を冷却して粉末ポリアミドを析出させる工程
を含み、
前記工程1で金属塩化物アルコール溶液100質量%に対する金属塩化物の質量割合が10質量%以上22質量%以下であり、
前記工程1でポリアミド加熱溶解液が金属塩化物1モルに対して0.2モル以上2.5モル以下の水を含み、
前記工程2で析出するポリアミドの質量が前記ポリアミド加熱溶解液中に含まれるポリアミドの全質量に対して1質量%以下である
ことを特徴とする粉末ポリアミドの製造方法。
【請求項3】
さらに、工程4:溶媒を用いて工程3で得られた粉末ポリアミドを1回以上洗浄する工程を含む、請求項1又は2に記載の粉末ポリアミドの製造方法。
【請求項4】
前記工程4で最初の洗浄に用いる溶媒が、前記工程1で用いるアルコールと同じアルコールである、請求項3に記載の粉末ポリアミドの製造方法。
【請求項5】
前記工程1の前記加熱溶解する温度が、60℃以上80℃以下である、請求項1又は2に記載の粉末ポリアミドの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末ポリアミドの製造方法に関する。特に、本発明は、粉末ポリアミドの製造方法に関する。好ましくは、廃液量および使用するエネルギー量を低減した粉末ポリアミドの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
本発明に関し、代表的なエンジニアリングプラスチックである、ナイロン6、ナイロン66をはじめとしたポリアミドは、耐熱性や良好な力学的特性を持ち、繊維や自動車部品、電気製品部品などに幅広く用いられており、現代社会において代替の効かない材料の一つである。
【0003】
近年では、省資源、カーボンニュートラルを目的としてプラスチックのリサイクルに関する技術開発がなされているが、ポリアミドも例外ではない。
【0004】
リサイクルとしては、マテリアルリサイクルと呼ばれる、一度成形したものを再度ペレット化するものと、ケミカルリサイクルと呼ばれる解重合によりモノマーを再利用するものに大別される。マテリアルリサイクルは成形品に含まれるポリマーの劣化や添加成分がそのままリサイクルポリマーに残るため、品質が安定化しないことが懸念されるものの、化学反応を伴わず、また必要とする副原料も少ないため、投入する資源、エネルギーは少なくて済むことから、用途を固定して循環する場合などはマテリアルリサイクルが選択される。また、ケミカルリサイクルを実施する前にも、工場や市場から回収した加工済み、使用済みポリアミドから添加物、コーティングなどを取り除く場合には、マテリアルリサイクルと同様に清浄なポリアミドを回収する工程を経るため、マテリアルリサイクル技術は、ケミカルリサイクルを行うためにも有用な技術である。
【0005】
使用済みポリアミドを、その夾雑物を取り除いて清浄な状態にする物理的な方法としては、回収物を破砕後に比重分離する方法などが挙げられる(特許文献1)。この方法は少ないエネルギーで分離はできるものの、ポリアミドと夾雑物が混合、接合、接着などにより、強く結びついている場合には分離することは難しい。また、不要な夾雑物を溶媒により一部、またはすべてを溶解し、除去する方法も存在する。しかし、一般的に夾雑物はポリアミドに添加または塗布されている場合が多く、それらの一部または全部はポリアミドの構造体の内部に存在しており、夾雑物をすべて溶解することは難しく、得られるポリアミドは破砕されたままの状態で、形状、サイズなどを十分に制御することが難しい。
【0006】
別の方法としては、ポリアミドを溶媒で一度溶解し、夾雑物を不溶物として除去したのちに何らかの方法でポリアミドを析出させ、回収するという方法も考えられる。しかし、ポリアミドを溶解する溶媒は、ギ酸、硫酸などの強酸やHFIPのような高価な溶媒など、工業的に用いる溶媒としては適していないものが多い。工業的に使用しやすい溶媒の使用例としては、エチレングリコールによる溶解回収方法がある(特許文献2)。しかし、この方法では、非常に高温の反応が必要であるため、ポリアミドのグリコリシスの懸念があるとともに、使用した溶媒をシャーベット状の固体からすべて留去・乾燥する必要があるため、反応時の加熱と合わせて多くのエネルギーを必要とすると考えられる。
そこで、低温かつ汎用的な原料を用いた方法としてアルコールの塩化カルシウム溶液による溶解方法も存在する。例えば、シリコーンが塗布されたポリアミドの布を塩化カルシウムのメタノール溶液を用いて処理し、ポリアミドを溶解し、大量の水またはメタノールで希釈して目的のポリアミドを粉末として得る方法が特許文献3に記載されている。
【0007】
このような金属塩化物アルコール溶液を用いた溶解析出を用いたポリアミド粉末の製造方法について、工業的な製造を想定して検証を行ったところ、確かにシリコーンなどの不純物が取り除かれたポリアミド粉末が得られるものの、工業的に実施するにあたって大きな問題点があることが判明した。溶媒から析出させたポリアミド粉末は、析出時に多量の溶媒を含んでしまい、ろ過や遠心分離をしても固体の内部に入り込んだ溶媒が容易には除去できなかった。その結果、固体中の金属塩化物などの不純物を除去するために何度も大量の洗浄溶媒で洗浄する必要がある。また、洗浄後の粉末から溶媒を除去するために乾燥を行う際にも多量の溶媒を除去するために多くのエネルギーを必要とすることも問題点としてあげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第5841598号公報
特開2018-172618号公報
特許第5110704号公報
特開昭60-233129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、効率よく粉末ポリアミドを製造することを目的とする。
【0010】
上記問題点となる現象について鋭意検討した結果、ポリアミド粉末が多量の溶媒を含有する原因は、粉末粒子の多孔質化であることをつきとめた。ポリアミドの多孔質性を制御する方法としては、特許文献4に記載されている。特許文献4には、金属塩化物メタノール溶液でポリアミドを溶解し、水分の範囲が限定されたメタノール水溶液を加熱されたポリアミド溶液に添加してから冷却析出させる方法をとると多孔質粒子が得られることが発明として記載されており、多孔質性を抑制する例としてメタノールで希釈する方法が挙げられており、析出させる溶媒条件が重要であるという発明である。この発明を参考に、多孔質性を抑制するための検討を行ったところ、若干の抑制効果はあるものの、依然として多孔質の固体が得られ、著しい効果は認められなかった。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
旭化成株式会社
成形体
12日前
旭化成株式会社
成形体
12日前
旭化成株式会社
検査装置
13日前
旭化成株式会社
顆粒及び錠剤
8日前
旭化成株式会社
紫外線照射装置
20日前
旭化成株式会社
表面保護フィルム
1日前
旭化成株式会社
燃料電池用成形品
5日前
旭化成株式会社
積層体及び光学部材
16日前
旭化成株式会社
分析方法及び分析装置
1日前
旭化成株式会社
分析方法及び分析装置
1日前
旭化成株式会社
酸性植物ミルク含有飲料
6日前
旭化成株式会社
水添共役ジエン系重合体
6日前
旭化成株式会社
組成物及びカプセル製剤
5日前
旭化成株式会社
光照射成形体の製造方法
12日前
旭化成株式会社
粉末ポリアミドの製造方法
6日前
旭化成株式会社
検査装置および検査システム
26日前
旭化成株式会社
ポリエチレン樹脂及びフィルム
12日前
旭化成株式会社
生体電極用導電布及びその用途
6日前
旭化成株式会社
プラスチックレンズの製造方法
今日
旭化成株式会社
プラスチックレンズの製造方法
今日
旭化成株式会社
ポリオレフィン系多層フィルム
8日前
旭化成株式会社
イソシアネート化合物の製造方法
13日前
旭化成株式会社
イソシアネート化合物の製造方法
13日前
旭化成株式会社
水素製造システム及び水素製造方法
16日前
旭化成株式会社
ポリカーボネートポリオール組成物
1日前
旭化成株式会社
セルロース複合体及びその製造方法
8日前
旭化成株式会社
感光性樹脂積層体、及びその製造方法
1日前
旭化成株式会社
生体電極体及び生体情報計測デバイス
12日前
旭化成株式会社
感光性樹脂積層体、及びその製造方法
1日前
旭化成株式会社
偽造防止ラベル及び管理状態判定方法
8日前
旭化成株式会社
解析装置、システムおよびプログラム
19日前
旭化成株式会社
ポリアセタール樹脂組成物及びその成形品
16日前
旭化成株式会社
電解システムの制御方法及び電解システム
1日前
旭化成株式会社
マルチカメラシステム用カメラモジュール
8日前
旭化成株式会社
樹脂、マルチマテリアル部品および複合材料
6日前
旭化成株式会社
ポリアセタール樹脂組成物及び医療器具部品
16日前
続きを見る
他の特許を見る