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公開番号2025127362
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-01
出願番号2024024064
出願日2024-02-20
発明の名称樹脂製偏光ビームスプリッタ
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250825BHJP(光学)
要約【課題】本発明は、高温加湿環境下における光学性能の劣化が抑制され、鮮明な映像が得られる樹脂製偏光ビームスプリッタを提供することを目的とする。
【解決手段】第1樹脂基材と、第1樹脂基材に対向する第2樹脂基材と、第1樹脂基材と第2樹脂基材との間に配される反射型偏光素子と、第1樹脂基材と反射型偏光素子との間に配される第1接着層と、第2樹脂基材と反射型偏光素子との間に配される第2接着層と、第1樹脂基材と第1接着層との間、第1接着層と反射型偏光素子との間、反射型偏光素子と第2接着層との間、及び第2接着層と第2樹脂基材との間の少なくとも1つの間に配されるシランカップリング剤層とを備えることを特徴とする、樹脂製偏光ビームスプリッタ。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
第1樹脂基材と、
前記第1樹脂基材に対向する第2樹脂基材と、
前記第1樹脂基材と前記第2樹脂基材との間に配される反射型偏光素子と、
前記第1樹脂基材と前記反射型偏光素子との間に配される第1接着層と、
前記第2樹脂基材と前記反射型偏光素子との間に配される第2接着層と、
前記第1樹脂基材と前記第1接着層との間、前記第1接着層と前記反射型偏光素子との間、前記反射型偏光素子と前記第2接着層との間、及び前記第2接着層と前記第2樹脂基材との間の少なくとも1つの間に配されるシランカップリング剤層とを備えることを特徴とする、樹脂製偏光ビームスプリッタ。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
ガラス転移温度(Tg)が115℃~160℃である、請求項1に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
【請求項3】
光弾性係数の絶対値が10×10
-12
Pa
-1
以下である、請求項1又は2に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
【請求項4】
前記第1樹脂基材及び前記第2樹脂基材がメタクリル系樹脂を含む、請求項1又は2に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
【請求項5】
前記メタクリル系樹脂が、環構造を有する構造単位を有するメタクリル系樹脂を含む、請求項4に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
【請求項6】
前記構造単位が、N-置換マレイミド単量体由来の構造単位、グルタルイミド系構造単位、芳香族ビニル構造単位、脂環式ビニル構造単位及びラクトン環構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含む、請求項5に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
【請求項7】
前記構造単位が、N-置換マレイミド単量体由来の構造単位を含む、請求項5に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
【請求項8】
前記反射型偏光素子が環状オレフィン樹脂を含む、請求項1又は2に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
【請求項9】
前記第1接着層及び/又は前記第2接着層が光硬化型アクリル系接着剤を含む、請求項1又は2に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタを含むことを特徴とする、偏光変換素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製偏光ビームスプリッタに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、VR(Virtual Reality;仮想現実感)、AR(Augmented Reality;拡張現実感)と呼ばれる各種電子技術が急速に発展し、その画像表示装置としてヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)製品が普及しはじめており、その画像投影部又は画像表示部に偏光ビームスプリッタ(PBS:Polarizing Beam Splitter)を配置する光学系が提案されている(特許文献1)。
ヘッドマウントディスプレイは頭部に装着して使用する画像表示装置であるため、小型・軽量で装着時の不快感が少ないことが求められており、軽量化のために樹脂製のプリズムを使用して偏光ビームスプリッタを作製する試みがなされている。一般的に樹脂は成形加工時に複屈折が生じやすいため、複屈折が発生しづらい低複屈折樹脂を使用して複屈折を低減した樹脂製プリズムが提案されている(特許文献2、3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-101424号公報
特開2021-157158号公報
特許7312546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂を用いて偏光ビームスプリッタを作製する際には、樹脂基材と偏光分離膜とを接着剤を使用して貼り合せ、作製する場合が多い。樹脂製偏光ビームスプリッタは、画像表示装置の軽量化の点でガラス製より優れているが、吸水性が高いことが課題であり、高温加湿環境下において樹脂基材と偏光分離膜とが吸湿により変形し、吸湿の際の寸法変化の違いにより接着層界面で剥離が発生する場合がある。この剥離が生じた偏光ビームスプリッタは、光学性能(偏光分離能や透過率)が著しく低下してしまうという問題があった。
特に、樹脂製直角プリズムのような端部と中心部とで厚さが異なる(厚さが均一でない)成形体を用いて偏光ビームスプリッタを作製する場合には、吸湿した際の形状変化が不均一になるため、高温加湿環境下において樹脂製直角プリズムと偏光分離膜との間に剥離が生じやすいことが本発明者らの検討で明らかになっている。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高温加湿環境下における光学性能の劣化が抑制され、鮮明な映像が得られる樹脂製偏光ビームスプリッタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
第1樹脂基材と、
前記第1樹脂基材に対向する第2樹脂基材と、
前記第1樹脂基材と前記第2樹脂基材との間に配される反射型偏光素子と、
前記第1樹脂基材と前記反射型偏光素子との間に配される第1接着層と、
前記第2樹脂基材と前記反射型偏光素子との間に配される第2接着層と、
前記第1樹脂基材と前記第1接着層との間、前記第1接着層と前記反射型偏光素子との間、前記反射型偏光素子と前記第2接着層との間、及び前記第2接着層と前記第2樹脂基材との間の少なくとも1つの間に配されるシランカップリング剤層と
を備えることを特徴とする、樹脂製偏光ビームスプリッタ。
[2]
ガラス転移温度(Tg)が115℃~160℃である、[1]に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
[3]
光弾性係数の絶対値が10×10
-12
Pa
-1
以下である、[1]又は[2]に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
[4]
前記第1樹脂基材及び前記第2樹脂基材がメタクリル系樹脂を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
[5]
前記メタクリル系樹脂が、環構造を有する構造単位を有するメタクリル系樹脂を含む、[4]に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
[6]
前記構造単位が、N-置換マレイミド単量体由来の構造単位、グルタルイミド系構造単位、芳香族ビニル構造単位、脂環式ビニル構造単位及びラクトン環構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含む、[5]に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
[7]
前記構造単位が、N-置換マレイミド単量体由来の構造単位を含む、[5]又は[6]に記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
[8]
前記反射型偏光素子が環状オレフィン樹脂を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
[9]
前記第1接着層及び/又は前記第2接着層が光硬化型アクリル系接着剤を含む、[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂製偏光ビームスプリッタ。
[10]
[1]~[9]のいずれかに記載の樹脂製偏光ビームスプリッタを含むことを特徴とする、偏光変換素子。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高温加湿環境下における光学性能の劣化が抑制され、鮮明な映像が得られる樹脂製偏光ビームスプリッタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実施例において、本発明の樹脂製偏光ビームスプリッタの特性を評価するために作製した実験系の概略図である。
図2は、ワイヤグリッド反射型偏光素子の概略断面図である。
図3は、偏光保持度を測定するために作製した実験系の概略図である。(a)は、光源41からS偏光が出射するようにし、偏光ビームスプリッタ40で反射したのちに第2直線偏光板43を透過する光量をパワーメーター44により測定する実験系である。(b)は、光源41からP偏光が出射するようにし、偏光ビームスプリッタ40を透過したのちに第2直線偏光板43を透過する光量をパワーメーター44により測定する実験系である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その用紙の範囲内で種々変形して実施できる。
【0010】
<樹脂製偏光ビームスプリッタ>
本実施形態の樹脂製偏光ビームスプリッタ(以下、単に「偏光ビームスプリッタ」ともいう。)は、第1樹脂基材と、第1樹脂基材に対向する第2樹脂基材と、第1樹脂基材と第2樹脂基材との間に配される反射型偏光素子と、第1樹脂基材と反射型偏光素子との間に配される第1接着層と、第2樹脂基材と反射型偏光素子との間に配される第2接着層と、第1樹脂基材と第1接着層との間、第1接着層と反射型偏光素子との間、反射型偏光素子と第2接着層との間、及び第2接着層と第2樹脂基材との間の少なくとも1つの間に配されるシランカップリング剤層とを備えることを特徴とする。
すなわち、本実施形態の樹脂製偏光ビームスプリッタは、第1樹脂基材と反射型偏光素子との間が、例えば、第1樹脂基材/シランカップリング剤層/第1接着層/シランカップリング剤層/反射型偏光素子という構成であってもよいし、第1樹脂基材/第1接着層/シランカップリング剤層/反射型偏光素子という構成であってもよいし、第1樹脂基材/シランカップリング剤層/第1接着層/反射型偏光素子という構成であってもよい。
また、第2樹脂基材と反射型偏光素子との間が、例えば、第2樹脂基材/シランカップリング剤層/第2接着層/シランカップリング剤層/反射型偏光素子という構成であってもよいし、第2樹脂基材/第2接着層/シランカップリング剤層/反射型偏光素子という構成であってもよいし、第2樹脂基材/シランカップリング剤層/第2接着層/反射型偏光素子という構成であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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