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公開番号
2024117294
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-29
出願番号
2023023313
出願日
2023-02-17
発明の名称
環式ジアルコール化合物およびその製造方法
出願人
帝人株式会社
代理人
個人
主分類
C07D
319/06 20060101AFI20240822BHJP(有機化学)
要約
【課題】熱安定性と光学特性とが改善された高純度の新規環式ジアルコール化合物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される環式ジアルコール化合物。
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(式中、Xはフッ素原子を含む2価の脂肪族基または脂環族基を表し、R
1
、R
2
はそれぞれ独立に炭化水素基を示す。)
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)で表される環式ジアルコール化合物。
JPEG
2024117294000016.jpg
17
119
(式中、Xはフッ素原子を含む2価の脂肪族基または脂環族基を表し、R
1
、R
2
はそれぞれ独立に炭化水素基を示す。)
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記式(1)で表される環式ジアルコール化合物が下記式(2)である請求項1に記載の環式ジアルコール化合物。
JPEG
2024117294000017.jpg
19
123
(式中、R
1
、R
2
は前記式(1)と同じである。)
【請求項3】
前記式(1)中のR
1
およびR
2
がエチル基である請求項1に記載の環式ジアルコール化合物。
【請求項4】
前記式(1)で示される環式ジアルコール化合物の5%重量減少温度が275℃以上である請求項1に記載の環式ジアルコール化合物。
【請求項5】
ガスクロマトグラフィー純度が60面積%以上である請求項1に記載の環式ジアルコール化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の式(1)で示される環式ジアルコール化合物の製造方法において、少なくとも工程1および2を含んでなることを特徴とする環式ジアルコール化合物の製造方法。
工程1:下記式(3)で示される2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパンを反応溶媒中イリジウム触媒存在下で反応させる工程
工程2:工程1で得られた下記式(4)で示される2,2-ビス(4-オキソシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパンと下記式(5)で示されるトリメチロール化合物を反応溶媒と酸を加えて反応させる工程
JPEG
2024117294000018.jpg
17
125
JPEG
2024117294000019.jpg
17
124
JPEG
2024117294000020.jpg
17
125
(式中、R
3
は炭化水素基を示す。)
【請求項7】
式(5)で表される化合物がトリメチロールプロパンである請求項6に記載の環式ジアルコール化合物の製造方法。
【請求項8】
工程1で使用されるイリジウム触媒としてアクア(2,2’-ビピリジン-6,6’-ジオナト)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム(III)を用いる請求項6に記載の環式ジアルコール化合物の製造方法。
【請求項9】
工程1および工程2で使用される反応溶媒としてトルエンを用いる請求項6に記載の環式ジアルコール化合物の製造方法。
【請求項10】
工程2で使用される酸がパラトルエンスルホン酸またはその水和物である請求項6に記載の環式ジアルコール化合物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、環式ジアルコール化合物およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリエステルカーボネート樹脂の原料として各種の環式ジアルコールが使用されており、工業的に入手できる化合物としては、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDMと略記されることがある)、トリシクロ[5.2.1.0
2,6
]デカンジメタノール(TCDDMと略記されることがある)、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン(水素化ビスフェノールAと呼ばれることがある)、3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン(スピログリコールと呼ばれることがある)などが挙げられる。これ以外の化合物も樹脂の用途に応じた様々な環式ジアルコール化合物が開発されている。
【0003】
例えば、光学レンズに用いられるポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、屈折率など樹脂の光学特性の改良を目的として、フルオレン環構造をもつ芳香族ジアルコール化合物を含むジアルコールを用いて製造する方法が報告されており(特許文献1)、それ以外の環式ジアルコールを一定の割合で用い製造する方法も報告されている(特許文献2および特許文献3)。
【0004】
ところが、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリエステルカーボネート樹脂はその用途に応じ多岐にわたって使用されており、その用途に応じた樹脂の物性を満足できる環式ジアルコール化合物の開発が求められている。特に、光学レンズに用いられる場合、近年は光学特性を向上させるために前述した環式ジアルコール以外の新規な環式ジアルコール化合物が必要とされている。近年、ジケトン類とトリメチロール化合物とを酸性触媒下で反応(アセタール化反応)させて得られる環式ジオール化合物が積極的に開発されているものの、光学特性が満足できなかったり、目的とする環式ジアルコール化合物の洗浄不足により加水分解を起こし環式ジオール化合物の熱安定性が低くなったりすることがある(特許文献4および特許文献5)。そうすると、特許文献4や特許文献5に記載の製法により得られた環式ジオール化合物を用いてポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂またはポリエステルカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂を重合しようとすると重合中に分解が起き重合ができないか、あるいは環式ジオール化合物の分解点を起点に架橋して満足のいくポリマーが得られない場合があるため、その製造方法にも未だ改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2007/142149号
国際公開第2017/175693号
国際公開第2022/004239号
特開2019-14711号公報
国際公開第2022/091990号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、光学特性に加えて高純度で熱安定性が改善された新規環式ジアルコール化合物およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために検討した結果達成されたものであって、一定の品質を有し、ポリマー原料として優れた環式ジアルコール化合物とその製造方法を提供することである。具体的には、本発明は、以下に示す環式ジアルコール化合物およびその製造方法に関する。
【0008】
[1]下記式(1)で表される環式ジアルコール化合物。
JPEG
2024117294000002.jpg
17
119
(式中、Xはフッ素原子を含む2価の脂肪族基または脂環族基を表し、R
1
、R
2
はそれぞれ独立に炭化水素基を示す。)
【0009】
[2]前記式(1)で表される環式ジアルコール化合物が下記式(2)である前項[1]に記載の環式ジアルコール化合物。
【0010】
JPEG
2024117294000003.jpg
19
123
(式中、R
1
、R
2
は前記式(1)と同じである。)
(【0011】以降は省略されています)
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