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公開番号
2024145017
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023057236
出願日
2023-03-31
発明の名称
山型食パン用生地、山型食パン、及びこれらの製造方法
出願人
株式会社カネカ
代理人
弁理士法人有古特許事務所
主分類
A21D
8/02 20060101AFI20241004BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約
【課題】柔らかな食感が損なわれることなくケービングが抑制された山型食パン、及び、該山型食パンを製造するための山型食パン用生地を提供すること。
【解決手段】水分含量がパン用生地全体中44~46.5重量%であり、且つ比容積が4.5×10
-3
~5.5×10
-3
m
3
/kgの山型食パンを製造するための山型食パン用生地であって、前記生地に含まれる水分含量が14~15重量%の小麦粉100重量部に対し、ネイティブジェランガムを0.009~0.075重量部、ジアセチル酒石酸モノグリセリドを0.05~0.7重量部、カルシウム塩を0.1~0.5重量部、パン酵母を0.1~5重量部(乾燥重量)含有する、山型食パン用生地。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
水分含量がパン用生地全体中44~46.5重量%であり、且つ比容積が4.5×10
-3
~5.5×10
-3
m
3
/kgの山型食パンを製造するための山型食パン用生地であって、
前記生地に含まれる水分含量が14~15重量%の小麦粉100重量部に対し、ネイティブジェランガムを0.009~0.075重量部、ジアセチル酒石酸モノグリセリドを0.05~0.7重量部、カルシウム塩を0.1~0.5重量部、パン酵母を0.1~5重量部(乾燥重量)含有する、山型食パン用生地。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の山型食パン用生地が加熱調理された、比容積が4.5×10
-3
~5.5×10
-3
m
3
/kgの山型食パン。
【請求項3】
水分含量が小麦粉全体中14~15重量%の小麦粉を、中種生地には30~100重量部含み、山型食パン用生地には100重量部含む、比容積が4.5×10
-3
~5.5×10
-3
m
3
/kgの山型食パンを製造するための山型食パン用生地の製造方法であって、
山型食パン用生地に含まれる水分含量が小麦粉全体中14~15重量%の小麦粉100重量部に対して、前記小麦粉のうち30~100重量部、パン酵母0.1~5重量部(乾燥重量)、及び添加水を混捏した後、5~30℃で2~72時間発酵して、中種生地全体中の水分含量が45~47重量%の中種生地を得、
前記中種生地に、山型食パン用生地に含まれる水分含量が小麦粉全体中14~15重量%の小麦粉100重量部に対して、前記小麦粉のうち70~0重量部、ネイティブジェランガム0.009~0.075重量部、ジアセチル酒石酸モノグリセリド0.05~0.7重量部、カルシウム塩0.1~0.5重量部、及び添加水を混捏して小麦粉100重量部を含む、本捏生地全体中の水分含量が44~46.5重量%の本捏生地を得、
前記本捏生地を第一発酵させることを特徴とする、山型食パン用生地の製造方法。
【請求項4】
比容積が4.5×10
-3
~5.5×10
-3
m
3
/kgの山型食パンを製造するための山型食パン用生地の製造方法であって、
山型食パン用生地に含まれる水分含量が小麦粉全体中14~15重量%の小麦粉100重量部に対して、ネイティブジェランガム0.009~0.075重量部、ジアセチル酒石酸モノグリセリド0.05~0.7重量部、カルシウム塩0.1~0.5重量部、パン酵母0.1~5重量部(乾燥重量)、及び添加水を混捏して、小麦粉100重量部を含む、混合物全体中の水分含量が44~46.5重量%の混合物を得、前記混合物を第一発酵させることを特徴とする、山型食パン用生地の製造方法。
【請求項5】
比容積が4.5×10
-3
~5.5×10
-3
m
3
/kgの山型食パンを製造する方法であって、
請求項3又は4に記載の製造方法により得られた山型食パン用生地を分割し、
前記分割された生地を成形し、
前記成形された生地を型に入れてから蓋をせずに最終発酵してから加熱調理を行う、山型食パンの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、山型食パン用生地、該生地を用いた山型食パン、及びこれらの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、柔らかな食感のパンがベーカリーで流行しているが、柔らかな食感にするためにパンの比容積(比容積=(加熱調理後のパン容積/加熱調理後のパン重量))を大きくすると、パンの密度が低くなることから構造が弱くなり、特に山型食パンにおいてはパン生地を型に入れ蓋をせず焼成することから相対的に型上端周辺部分の焼きが甘く構造上弱くなり、密度も低いために加熱調理後に凹む所謂ケービング(腰折れともいう)が発生しやすく、特にパンの側面に多く見られ、期待する形状のパンが得られずに外観不良での廃棄が増えることが課題となっていた。
【0003】
例えば、特許文献1には、炭酸カルシウムを含む水不溶性カルシウムをパン用小麦粉に配合して、食パンのケービングを防止する方法が開示されている。しかしながら、水不溶性カルシウムのみで十分な効果を得るためには配合量を増やす必要があり、そうすると食感に悪影響を与えてしまう問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-186406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、柔らかな食感が損なわれることなくケービングが抑制された山型食パン、及び、該山型食パンを製造するための山型食パン用生地を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、水分、小麦粉、ネイティブジェランガム、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、カルシウム塩、及び、パン酵母をそれぞれ特定量含有する山型食パン用生地が加熱調理された山型食パンは、概ね比容積が特定範囲になり、柔らかな食感が損なわれることなくケービングが抑制されたものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の第一は、水分含量がパン用生地全体中44~46.5重量%であり、且つ比容積が4.5×10
-3
~5.5×10
-3
m
3
/kgの山型食パンを製造するための山型食パン用生地であって、前記生地に含まれる水分含量が14~15重量%の小麦粉100重量部に対し、ネイティブジェランガムを0.009~0.075重量部、ジアセチル酒石酸モノグリセリドを0.05~0.7重量部、カルシウム塩を0.1~0.5重量部、パン酵母を0.1~5重量部(乾燥重量)含有する、山型食パン用生地に関する。
本発明の第二は、前記の山型食パン用生地が加熱調理された、比容積が4.5×10
-3
~5.5×10
-3
m
3
/kgの山型食パンに関する。
本発明の第三は、水分含量が小麦粉全体中14~15重量%の小麦粉を、中種生地には30~100重量部含み、山型食パン用生地には100重量部含む、比容積が4.5×10
-3
~5.5×10
-3
m
3
/kgの山型食パンを製造するための山型食パン用生地の製造方法であって、山型食パン用生地に含まれる水分含量が小麦粉全体中14~15重量%の小麦粉100重量部に対して、前記小麦粉のうち30~100重量部、パン酵母0.1~5重量部(乾燥重量)、及び添加水を混捏した後、5~30℃で2~72時間発酵して、中種生地全体中の水分含量が45~47重量%の中種生地を得、前記中種生地に、山型食パン用生地に含まれる水分含量が小麦粉全体中14~15重量%の小麦粉100重量部に対して、前記小麦粉のうち70~0重量部、ネイティブジェランガム0.009~0.075重量部、ジアセチル酒石酸モノグリセリド0.05~0.7重量部、カルシウム塩0.1~0.5重量部、及び添加水を混捏して小麦粉100重量部を含む、本捏生地全体中の水分含量が44~46.5重量%の本捏生地を得、前記本捏生地を第一発酵させることを特徴とする、山型食パン用生地の製造方法に関する。
本発明の第四は、比容積が4.5×10
-3
~5.5×10
-3
m
3
/kgの山型食パンを製造するための山型食パン用生地の製造方法であって、山型食パン用生地に含まれる水分含量が小麦粉全体中14~15重量%の小麦粉100重量部に対して、ネイティブジェランガム0.009~0.075重量部、ジアセチル酒石酸モノグリセリド0.05~0.7重量部、カルシウム塩0.1~0.5重量部、パン酵母0.1~5重量部(乾燥重量)、及び添加水を混捏して、小麦粉100重量部を含む、混合物全体中の水分含量が44~46.5重量%の混合物を得、前記混合物を第一発酵させることを特徴とする、山型食パン用生地の製造方法に関する。
本発明の第五は、比容積が4.5×10
-3
~5.5×10
-3
m
3
/kgの山型食パンを製造する方法であって、前記の製造方法により得られた山型食パン用生地を分割し、前記分割された生地を成形し、前記成形された生地を型に入れてから蓋をせずに最終発酵してから加熱調理を行う、山型食パンの製造方法に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に従えば、柔らかな食感が損なわれることなくケービングが抑制された山型食パン、及び、該山型食パンを製造するための山型食パン用生地を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明につき、更に詳細に説明する。本発明の山型食パン用生地は、小麦粉に対して、ネイティブジェランガム、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、カルシウム塩、パン酵母、及び、水分をそれぞれ特定量含有することが特徴である。前記山型食パン用生地を加熱調理することで、本発明の山型食パンが得られる。前記山型食パンは通常よりも比容積が大きなことが特徴であり、柔らかな食感で、加えて加熱調理後のケービング(腰折れともいう)発生が抑制される。
【0010】
前記小麦粉は、小麦を挽いて粉末状にしたものであり、パン類の製造に通常用いられるものであれば、精製度合いに特に制限なく用いることができ、強力粉、準強力粉、超強力粉、中力粉、薄力粉等を用いることができる。尚、前記小麦粉の水分含量は、一般的に小麦粉全体中14~15重量%であり、そこから外れる水分含量の小麦粉を用いる場合は、各使用原料の含有量及び添加水の量を、必要に応じて小麦粉の乾燥重量を基準として計算し微調整すれば良い。尚、本開示における各原料の含有量は、使用する水分含量が小麦粉全体中14~15重量%の一般的な小麦粉100重量部に対して記載するものとする。
(【0011】以降は省略されています)
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