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公開番号
2024143002
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023055450
出願日
2023-03-30
発明の名称
水硬性組成物、硬化体、及び水硬性組成物の製造方法
出願人
UBE三菱セメント株式会社
,
国立大学法人 新潟大学
代理人
個人
,
個人
主分類
C04B
28/02 20060101AFI20241003BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】カオリン以外の無機鉱物を用いて製造され、かつ十分な圧縮強度発現性を有する、低炭素型の水硬性組成物を提供すること。
【解決手段】吸光光度法により測定される二価の鉄イオンに対する三価の鉄イオンの質量比(Fe
3+
/Fe
2+
)が2.0~6.0である無機鉱物のか焼物であり、且つAl
2
O
3
の質量に対するSiO
2
の質量比(SiO
2
/Al
2
O
3
)が0.5~3.0であるか焼無機鉱物を、か焼無機鉱物及びアルカリ刺激材の合計量を基準として10~90質量%、及びアルカリ刺激材を、か焼無機鉱物及びアルカリ刺激材の合計量を基準として90~10質量%含む、水硬性組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
吸光光度法により測定される二価の鉄イオンに対する三価の鉄イオンの質量比(Fe
3+
/Fe
2+
)が2.0~6.0である無機鉱物のか焼物であり、且つAl
2
O
3
の質量に対するSiO
2
の質量比(SiO
2
/Al
2
O
3
)が0.5~3.0であるか焼無機鉱物を、か焼無機鉱物及びアルカリ刺激材の合計量を基準として10~90質量%、及びアルカリ刺激材を、か焼無機鉱物及びアルカリ刺激材の合計量を基準として90~10質量%含む、水硬性組成物。
続きを表示(約 900 文字)
【請求項2】
前記水硬性組成物が炭酸塩をさらに含み、前記か焼無機鉱物の質量に対する前記炭酸塩の質量比(炭酸塩/か焼無機鉱物)が2.0以下である、請求項1に記載の水硬性組成物。
【請求項3】
前記か焼無機鉱物が、500~950℃でか焼した粘土鉱物である、請求項1又は2に記載の水硬性組成物。
【請求項4】
前記アルカリ刺激材が、ポルトランドセメントを含む、請求項1又は2に記載の水硬性組成物。
【請求項5】
前記か焼無機鉱物が、か焼アロフェン又はか焼ハロイサイトを含む、請求項1又は2に記載の水硬性組成物。
【請求項6】
前記か焼無機鉱物における、前記か焼アロフェン又は前記か焼ハロイサイトの含有量が60質量%以上である、請求項5に記載の水硬性組成物。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の水硬性組成物及び水を含むペーストを硬化させてなる、硬化体。
【請求項8】
吸光光度法により測定される二価の鉄イオンに対する三価の鉄イオンの質量比(Fe
3+
/Fe
2+
)が2.0~6.0である無機鉱物のか焼物であり、且つAl
2
O
3
の質量に対するSiO
2
の質量比(SiO
2
/Al
2
O
3
)が0.5~3.0であるか焼無機鉱物と、アルカリ刺激材とを混合し、前記か焼無機鉱物を、か焼無機鉱物及びアルカリ刺激材の合計量を基準として10~90質量%、及び前記アルカリ刺激材を、か焼無機鉱物及びアルカリ刺激材の合計量を基準として90~10質量%含む水硬性組成物を調製する調製工程を備える、水硬性組成物の製造方法。
【請求項9】
前記調製工程に先立ち、前記無機鉱物を500~950℃でか焼して前記か焼無機鉱物を得るか焼工程を更に備える、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記無機鉱物が粘土鉱物である、請求項9に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水硬性組成物、硬化体、及び水硬性組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
無機鉱物をか焼して反応性を高め、それを高炉スラグ、フライアッシュ等のセメント混合材の代わりに利用する技術として、LC
3
(Limestone Calcined Clay Cement)が知られている(例えば、非特許文献1)。このセメントは低炭素セメントと言うことができ、通常のポルトランドセメントと比較して、製造に関連する二酸化炭素排出量(CO
2
)を削減することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Karen Scrivener et al.: Calcined clay limestone cements (LC3), Cement and Concrete Research,Vol.114,pp.49-56 (2018)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記技術に関しては、無機鉱物としてカオリンをか焼したメタカオリンを含む材料について、良好な強度発現性が達成されることが示されている。しかしながらカオリンの産出される地域及び国は限定されるため、カオリンに代わる材料の探索が課題となっている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、カオリン以外の無機鉱物を用いて製造され、かつ十分な圧縮強度発現性を有する、低炭素型の水硬性組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、当該水硬性組成物から得られる硬化体、及び当該水硬性組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らは、カオリン以外の材料として、通常はセメントの反応を阻害すると言われるアロフェンといった鉱物に着目をした。そして、そのような鉱物を含む水硬性組成物がカオリンを含む場合と同等又はそれ以上の特性を有する可能性があること、また水硬性組成物を調製する際のアルカリ刺激材としてのセメント配合量を低減できる可能性があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の一態様は、以下の[1]~[10]のとおりである。
[1]
吸光光度法により測定される二価の鉄イオンに対する三価の鉄イオンの質量比(Fe
3+
/Fe
2+
)が2.0~6.0である無機鉱物のか焼物であり、且つAl
2
O
3
の質量に対するSiO
2
の質量比(SiO
2
/Al
2
O
3
)が0.5~3.0であるか焼無機鉱物を、か焼無機鉱物及びアルカリ刺激材の合計量を基準として10~90質量%、及びアルカリ刺激材を、か焼無機鉱物及びアルカリ刺激材の合計量を基準として90~10質量%含む、水硬性組成物。
[2]
前記水硬性組成物が炭酸塩をさらに含み、前記か焼無機鉱物の質量に対する前記炭酸塩の質量比(炭酸塩/か焼無機鉱物)が2.0以下である、[1]に記載の水硬性組成物。
[3]
前記か焼無機鉱物が、500~950℃でか焼した粘土鉱物である、[1]又は[2]に記載の水硬性組成物。
[4]
前記アルカリ刺激材が、ポルトランドセメントを含む、[1]~[3]のいずれか一に記載の水硬性組成物。
[5]
前記か焼無機鉱物が、か焼アロフェン又はか焼ハロイサイトを含む、[1]~[4]のいずれか一に記載の水硬性組成物。
[6]
前記か焼無機鉱物における、前記か焼アロフェン又は前記か焼ハロイサイトの含有量が60質量%以上である、[5]に記載の水硬性組成物。
[7]
[1]~[6]のいずれか一に記載の水硬性組成物及び水を含むペーストを硬化させてなる、硬化体。
[8]
吸光光度法により測定される二価の鉄イオンに対する三価の鉄イオンの質量比(Fe
3+
/Fe
2+
)が2.0~6.0である無機鉱物のか焼物であり、且つAl
2
O
3
の質量に対するSiO
2
の質量比(SiO
2
/Al
2
O
3
)が0.5~3.0であるか焼無機鉱物と、アルカリ刺激材とを混合し、前記か焼無機鉱物を、か焼無機鉱物及びアルカリ刺激材の合計量を基準として10~90質量%、及び前記アルカリ刺激材を、か焼無機鉱物及びアルカリ刺激材の合計量を基準として90~10質量%含む水硬性組成物を調製する調製工程を備える、水硬性組成物の製造方法。
[9]
前記調製工程に先立ち、前記無機鉱物を500~950℃でか焼して前記か焼無機鉱物を得るか焼工程を更に備える、[8]に記載の製造方法。
[10]
前記無機鉱物が粘土鉱物である、[9]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カオリン以外の無機鉱物を用いて製造され、かつ十分な圧縮強度発現性を有する、低炭素型の水硬性組成物を提供することができる。また、本発明によれば、当該水硬性組成物から得られる硬化体、及び当該水硬性組成物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されない。
なお、以下の説明では、「X~Y」(X、Yは任意の数字)と記載した場合、特に断らない限り「X以上Y以下」を意味する。
本明細書において例示する材料は特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
【0010】
<水硬性組成物>
水硬性組成物は、吸光光度法により測定される二価の鉄イオンに対する三価の鉄イオンの質量比(Fe
3+
/Fe
2+
)が2.0~6.0である無機鉱物のか焼物であり、且つAl
2
O
3
の質量に対するSiO
2
の質量比(SiO
2
/Al
2
O
3
)が0.5~3.0以下であるか焼無機鉱物、及びアルカリ刺激材を含む。
か焼無機鉱物及びアルカリ刺激材の合計量を基準(100質量%)として、か焼無機鉱物の含有量は10~90質量%であり、アルカリ刺激材の含有量は90~10質量%である。
(【0011】以降は省略されています)
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