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公開番号
2024141315
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023052898
出願日
2023-03-29
発明の名称
シリカガラスの製造方法、及び光ファイバの製造方法
出願人
住友電気工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C03B
8/04 20060101AFI20241003BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】ガラス体内の欠陥の形成を簡易な方法で抑制してシリカガラスを製造することができるシリカガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】シリカガラスの製造方法は、多孔質シリカガラス体Mを準備する工程と、多孔質シリカガラス体をフッ素を含有するガスの雰囲気下で加熱する工程と、加熱する工程の後に1300℃以上の温度で多孔質シリカガラス体Mを透明ガラス化する工程と、を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
多孔質シリカガラス体を準備する工程と、
前記多孔質シリカガラス体をフッ素を含有するガスの雰囲気下で加熱する工程と、
前記加熱する工程の後に1300℃以上の温度で前記多孔質シリカガラス体を透明ガラス化する工程と、
を備える、シリカガラスの製造方法。
続きを表示(約 980 文字)
【請求項2】
前記フッ素を含有するガスがフッ素以外のハロゲンを含まない、
請求項1に記載のシリカガラスの製造方法。
【請求項3】
前記フッ素を含有するガスは、パーフロロカーボン及びハイドロフロロカーボンの少なくとも一方のフッ素化合物ガスを含む、
請求項1に記載のシリカガラスの製造方法。
【請求項4】
前記加熱する工程では、前記フッ素を含有するガスが前記多孔質シリカガラスを構成する二酸化ケイ素と反応して、酸素を含有するガスを形成し、
前記酸素を含有するガスは、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を含む、
請求項1に記載のシリカガラスの製造方法。
【請求項5】
前記加熱する工程での加熱温度は、前記フッ素を含有するガス中のフッ素が前記二酸化ケイ素に添加される温度以下である、
請求項4に記載のシリカガラスの製造方法。
【請求項6】
前記加熱する工程での加熱温度が800℃以上1100℃以下である、
請求項1に記載のシリカガラスの製造方法。
【請求項7】
前記加熱する工程での加熱温度が950℃以上1050℃以下である、
請求項6に記載のシリカガラスの製造方法。
【請求項8】
前記加熱する工程では、前記多孔質シリカガラスを配置した炉心管内の全圧が1kPa以下になるまで減圧を行った後に、圧力変化量ΔPが1kPaより大きくなるまで前記フッ素を含有するガスを前記炉心管内に導入して前記多孔質シリカガラス体を加熱する、
請求項1に記載のシリカガラスの製造方法。
【請求項9】
前記加熱する工程の前に、前記多孔質シリカガラス体を配置した炉心管を加熱しつつ前記炉心管内に不活性ガスを導入する工程を更に備え、
前記加熱する工程での加熱温度が前記導入する工程での加熱温度よりも低い、
請求項1に記載のシリカガラスの製造方法。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のシリカガラスの製造方法を用いて光ファイバ用母材を作製する工程と、
前記光ファイバ用母材を線引きして光ファイバを作製する工程と、
を備える、光ファイバの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、シリカガラスの製造方法、及び光ファイバの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、火炎加水分解反応で形成したガラス微粒子を堆積して多孔質体を形成し、その後、多孔質体を加熱処理によって透明ガラス化することにより、光ファイバ母材を作製する方法が開示されている。非特許文献2には、あらかじめ合成したシリカガラス粉末を加圧成形して多孔質体を形成する方法が開示されている。特許文献1には、シリカガラス粒子を沈積させて非多孔質体を形成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平5-229833号公報
【非特許文献】
【0004】
金森弘雄著、「光ファイバ:半世紀の進化と最新動向」、応用物理 第91巻 第4号p205-215、2022年
吉田和昭他著、「加圧成形法による光ファイバー母材の作製」、Journal of the Ceramic Society of Japan Vol.104,No.6, p524-528、1996年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1等に記載された方法では、原料又は雰囲気中の不純物成分が多孔質体に混入することにより、多孔質体を加熱処理して緻密かつ透明なガラス体を形成する際、ガラス体内に気泡又は微結晶などの欠陥が形成されることがある。火炎加水分解法における不純物成分は、雰囲気中のダストに起因する炭素粒子、又はアルカリ、鉄などの金属粒子である。例えば、火炎加水分解法において原料ガスに有機系ケイ素材料(例えばシロキサン類)を用いた場合、不完全燃焼に起因する炭素粒子が多孔質体に混入することがある。粉体成型法における不純物成分は、粉体成型時に混入するダスト成分、又は、成形体の強度を向上するために意図的に混入させるバインダー成分である。バインダー成分は、例えば、液体セルロース(カルボキシメチルセルロース(CMC)溶液)又はポリ酢酸ビニール(PVA)溶液である。
【0006】
炭素成分である不純物成分は、例えば、酸素を含む雰囲気(酸素及び窒素の混合ガス又は大気)内に多孔質体を設置して500℃から1000℃に加熱して炭素成分を酸化することにより、除去することができる。しかしながら、多孔質体が大型化すると、酸素分子の拡散が不十分となり、炭素成分が残留する場合がある。一方、金属成分である不純物成分は、金属酸化物の蒸気圧がシリカの多孔質体の透明化温度よりも高い必要があるため、上述したように加熱処理をしても金属粒子が除去されない可能性がある。更に、酸素の雰囲気下では使用できない露出素材(カーボン製など高温で形状安定な大型部材)を装置に使用する場合、酸素の使用条件を大幅に緩くする必要がある。この場合、グラファイトの酸化消耗開始温度である450℃を上限として加熱を行う必要があり、十分な酸化が行えない可能性がある。
【0007】
金属成分である不純物成分の除去に用いられる方法として、塩素ガス等のハロゲンガスの雰囲気下で加熱処理を行い金属成分をハロゲン化することにより蒸気圧を低下させてガス化除去する方法がある。このハロゲン化除去方法は、金属成分の除去には有効であるものの、雰囲気ガス処理のために気密性かつハロゲン耐久製のある気密管中で熱処理する必要があり、設備コストの増大が生じる。
【0008】
本開示は、ガラス体内の欠陥の形成を簡易な方法で抑制することができるシリカガラスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一実施形態に係るシリカガラスの製造方法は、多孔質シリカガラス体を準備する工程と、多孔質シリカガラス体をフッ素を含有するガスの雰囲気下で加熱する工程と、加熱する工程の後に1300℃以上の温度で多孔質シリカガラス体を透明ガラス化する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ガラス体内の欠陥の形成を簡易な方法で抑制してシリカガラスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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