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公開番号2024140403
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023051531
出願日2023-03-28
発明の名称複合体
出願人ノリタケ株式会社
代理人個人,個人
主分類C03C 17/04 20060101AFI20241003BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】基材と加飾膜との密着性を向上させる技術の提供
【解決手段】ここで開示される複合体1は、ガラス製の基材10と、基材10の表面に設けられた加飾膜12と、を備えている。加飾膜12は、無機顔料と、ガラス転移点が400℃以上のガラスで構成されたガラスマトリックスとを含んでいる。加飾膜12は、基材10の30℃から300℃までの熱膨張率CTEBよりも大きい、30℃から300℃までの熱膨張率CTEAを有している。熱膨張率CTEAと熱膨張率CTEBとの差δCTEは、1.0×10-6/K以上7.0×10-6/K以下である。加飾膜12は、多孔質な膜である。ここで、基材10と加飾膜12との平均接合割合Aaveは、25%以上50%以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ガラス製の基材と、
前記基材の表面に設けられた加飾膜と、
を備える複合体であって、
前記加飾膜は、
無機顔料と、ガラス転移点が400℃以上のガラスで構成されたガラスマトリックスとを含んでおり、
前記基材の30℃から300℃までの熱膨張率CTE

よりも大きい、30℃から300℃までの熱膨張率CTE

を有し、前記熱膨張率CTE

と前記熱膨張率CTE

との差δCTEは、1.0×10
-6
/K以上7.0×10
-6
/K以下であり、
多孔質な膜であり、
ここで、前記加飾膜の厚み方向の断面における前記基材と前記加飾膜との界面について、無作為に抽出された複数視野についての電子顕微鏡による観察画像の各々において、前記基材と前記加飾膜とが接合した部分の長さの合計Xと、前記基材と前記加飾膜とが接合していない部分の長さの合計Yとを用いて、以下の数式(1):
接合割合A(%)=(前記合計X)/(前記合計X+前記合計Y)×100 (1)
に基づいて算出された接合割合Aの算術平均値である、前記基材と前記加飾膜との平均接合割合A
ave
は、25%以上50%以下である、複合体。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記加飾膜全体を100体積%としたときに、該加飾膜は、20体積%以上70体積%以下の前記ガラスマトリックスを含む、請求項1に記載の複合体。
【請求項3】
前記ガラスマトリックスは、全体を酸化物換算のモル比で100mol%としたときに、ケイ素成分と、ホウ素成分と、アルミニウム成分と、亜鉛成分と、アルカリ金属成分と、のうちの少なくとも3つの成分をそれぞれ10mol%以上含むガラスで構成されている、請求項1に記載の複合体。
【請求項4】
前記ガラスマトリックスは、
全体を酸化物換算のモル比で100mol%としたときに、10mol%以上のSiO

と、10mol%以上のB



と、10mol%以上のZnOとを含むSiO

-B



-ZnO系ガラス、または、
全体を酸化物換算のモル比で100mol%としたときに、10mol%以上のLi

Oと、10mol%以上のAl



と、10mol%以上のSiO

とを含むLi

O-Al



-SiO

系ガラス、
で構成されている、請求項3に記載の複合体。
【請求項5】
前記平均接合割合A
ave
は、35%以下である、請求項1に記載の複合体。
【請求項6】
前記差δCTEに前記平均接合割合A
ave
を乗じて得られた数値は、25×10
-6
以上60×10
-6
以下である、請求項5に記載の複合体。
【請求項7】
さらに無機フィラーを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の複合体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ガラス製の基材と、該基材の表面に設けられた加飾膜と、を備える複合体に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
陶磁器、セラミックタイル、ガラス等の無機基材に、顔料とガラスとを含む組成物をインクジェット印刷、スクリーン印刷等することによって画像を描写し、その後、焼付けて、無機基材を装飾する技術がある。この装飾では、顔料は、例えば、ガラスによって無機基材に固着する。
【0003】
これに関して、例えば、特許文献1には、ガラスプレートと、該ガラスプレートの表面に設けられた多孔質の遮光層と、を有する遮光性ガラスプレートが開示されている。ガラスプレートは、透明な低膨張結晶化ガラスからなる。遮光層は、無機顔料粉末40~90重量%と、ガラスフラックス10~60重量%とからなる。この遮光性ガラスプレートでは、隣接する無機顔料粉末同士、または、無機顔料粉末とガラスプレートとの間は、ガラスフラックスが溶融、固化したガラスによって接着している。この公報では、かかる構成の遮光性ガラスプレートは、機械的強度と耐熱衝撃性とに優れると記載されている。
【0004】
また、特許文献2で開示される装飾ガラス基板は、低膨張ガラス基板の表面に着色用組成物が絵付けされ、焼成されることによって、模様が形成されている。この着色用組成物は、鉛を含まない所定の構成からなるガラスフラックスと、着色顔料とを有するものである。この公報では、かかる装飾ガラス基板は、鉛を含んでおらず、クラックの発生が抑制されており、優れた防汚性、耐酸性および耐アルカリ性を有すると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平10-273342号公報
特開2002-255584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、基材の熱膨張率と、加飾膜の熱膨張率とは、相互に異なることがある。基材の熱膨張率と加飾膜の熱膨張率とに差がある場合において、加飾膜と基材との密着性を高めることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここで開示される複合体は、ガラス製の基材と、前記基材の表面に設けられた加飾膜と、を備える。加飾膜は、無機顔料と、ガラス転移点が400℃以上のガラスで構成されたガラスマトリックスとを含んでいる。また、加飾膜は、基材の30℃から300℃までの熱膨張率CTE

よりも大きい、30℃から300℃までの熱膨張率CTE

を有している。熱膨張率CTE

と熱膨張率CTE

との差δCTEは、1.0×10
-6
/K以上7.0×10
-6
/K以下である。また、加飾膜は、多孔質な膜である。ここで、基材と加飾膜との平均接合割合A
ave
は、25%以上50%以下である。平均接合割合A
ave
は、加飾膜の厚み方向の断面における基材と加飾膜との界面について、無作為に抽出された複数視野についての電子顕微鏡による観察画像の各々において、基材と加飾膜とが接合した部分の長さの合計Xと、基材と加飾膜とが接合していない部分の長さの合計Yとを用いて、以下の数式(1):
接合割合A(%)=(合計X)/(合計X+合計Y)×100 (1)
に基づいて算出された接合割合Aの算術平均値である。かかる構成の複合体では、加飾膜と基材との密着性が高められている。
【0008】
ここで開示される複合体の好ましい一態様では、加飾膜全体を100体積%としたときに、加飾膜は、20体積%以上70体積%以下のガラスマトリックスを含む。かかる構成によると、加飾膜と基材との密着性がより高められる。また、基材に対して、無機顔料がより安定的に保持される。
【0009】
ここで開示される複合体の好ましい他の一態様では、ガラスマトリックスは、全体を酸化物換算のモル比で100mol%としたときに、ケイ素成分と、ホウ素成分と、アルミニウム成分と、亜鉛成分と、アルカリ金属成分と、のうちの少なくとも3つの成分をそれぞれ10mol%以上含むガラスで構成されている。かかる構成によると、加飾膜に適度な強度が付与され、基材への密着性が高められる。
【0010】
ここで開示される複合体の好ましい他の一態様では、ガラスマトリックスは、SiO

-B



-ZnO系ガラス、または、Li

O-Al



-SiO

系ガラス、で構成されている。SiO

-B



-ZnO系ガラスは、全体を酸化物換算のモル比で100mol%としたときに、10mol%以上のSiO

と、10mol%以上のB



と、10mol%以上のZnOとを含むガラスである。Li

O-Al



-SiO

系ガラスは、全体を酸化物換算のモル比で100mol%としたときに、10mol%以上のLi

Oと、10mol%以上のAl



と、10mol%以上のSiO

とを含むガラスである。かかる構成によると、ここで開示される技術の効果がよりよく実現される。
(【0011】以降は省略されています)

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