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公開番号
2025101081
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-07
出願番号
2023217660
出願日
2023-12-25
発明の名称
車両用合わせガラス体
出願人
日本板硝子株式会社
代理人
弁理士法人R&C
主分類
C03C
27/12 20060101AFI20250630BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】遮蔽層が配置された部位についてもガラス板の状態を容易に視認できる車両用合わせガラス体を提供する。
【解決手段】車両用合わせガラスAは、車外側に配置された第1面と当該第1面に対して反対側の第2面とを有する曲面形状の第一ガラス板11と、第2面に対向する第3面と車内側に配置された第4面とを有する曲面形状の第二ガラス板12と、中間膜と、を備え、第一ガラス板11の周縁部22a、及び、第二ガラス板12の周縁部24aには、可視光を遮蔽可能な材料が積層された遮蔽層31を含む遮蔽領域32,33が形成されており、第一ガラス板11の遮蔽領域32における遮蔽層31の第一パターン31Aと第二ガラス板12の遮蔽領域33における遮蔽層31の第二パターン31Bとを異ならせることにより、第一ガラス板11及び第二ガラス板12の状態を視認可能な状態確認構造30を有している。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
車外側に配置された第1面と当該第1面に対して反対側の第2面とを有する曲面形状の第一ガラス板と、
前記第2面に対向する第3面と車内側に配置された第4面とを有する前記曲面形状の第二ガラス板と、
前記第一ガラス板及び前記第二ガラス板の間に挟まれた中間膜と、を備え、
前記第一ガラス板の前記第1面又は前記第2面の周縁部、及び、前記第二ガラス板の前記第3面又は前記第4面の周縁部には、可視光を遮蔽可能な材料が積層された遮蔽層を含む遮蔽領域が形成されており、
前記第一ガラス板の前記遮蔽領域における前記遮蔽層の第一パターンと前記第二ガラス板の前記遮蔽領域における前記遮蔽層の第二パターンとを異ならせることにより、前記第一ガラス板及び前記第二ガラス板の状態を視認可能な状態確認構造を有している、車両用合わせガラス体。
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【請求項2】
前記状態確認構造は、前記第一パターンよりも前記第二パターンの方が前記遮蔽層の面積が小さい、請求項1に記載の車両用合わせガラス体。
【請求項3】
前記状態確認構造は、前記第二パターンが前記遮蔽層を設けない透過部分を含んでいる、請求項1に記載の車両用合わせガラス体。
【請求項4】
前記遮蔽領域は、透明な中央領域に隣接し前記遮蔽層が形成された中間領域と、当該中間領域の外側に隣接し前記状態確認構造が形成された外側領域とを有している、請求項1に記載の車両用合わせガラス体。
【請求項5】
前記遮蔽領域は、前記外側領域の更に外側に隣接し前記遮蔽層が形成された外縁領域を有している、請求項4に記載の車両用合わせガラス体。
【請求項6】
前記外縁領域は、全体が前記遮蔽層によって覆われている、請求項5に記載の車両用合わせガラス体。
【請求項7】
前記遮蔽層は黒色のセラミックを含んでいる、請求項1に記載の車両用合わせガラス体。
【請求項8】
前記遮蔽領域は、前記第2面及び前記第4面の周縁部に設けられている、請求項1から7の何れか一項に記載の車両用合わせガラス体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用合わせガラス体に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
車両用ガラスは、一般的にガラス面を曲面状に曲げ加工して形成される。また、車両用ガラスは、日射等の可視光の透過防止等を目的としてガラス板の外縁を濃色セラミックで形成された遮蔽層(「黒セラ」と称されることがある)によって被覆することが多い。
【0003】
特許文献1には、合わせガラスの曲げ成形加工方法が開示されている。合わせガラスを構成する二枚のガラス板の外縁の夫々には、遮蔽層として予め着色セラミックカラーフリットからなるプリント層が形成されている。ここで、合わせガラスにおいては、重ね合わせる二枚のガラス板の板面の曲率を一致させる必要がある。このため、合わせガラスの曲げ成形加工に際し、二枚のガラス板を互いの曲率が一致するように加熱する。ガラス板は、加熱工程において、遮蔽層で被覆された部位と、被覆されていない透明な部位とで挙動が異なる。その理由の一つとして、ガラス板は、遮蔽層で被覆された部位の方が遮蔽層で被覆されていない部位より吸熱し易いことが考えられる。したがって、例えば二枚のガラス板によって構成される合わせガラス体の場合には、製造時において二枚のガラス板の遮蔽層の位置及び形状を合わせておくことが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平2-30632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
湾曲した車両用合わせガラス体を製造する場合には、加熱時に遮蔽層(黒セラ)と被覆されていない透過部分との間で熱膨張差が生じる。このため、二枚のガラス板の加熱曲げ加工時に例えば曲げ金型にガラス板が接触することがあり、合わせガラス体の表面には割れや欠け(クラック)が入ることがある。こうした合わせガラス体の表面の割れや欠けは、ガラス板の加熱曲げ加工時のみならず、二枚のガラス板の間に中間膜を介在させて合わせガラス体を製造する際の加圧加熱(オートクレーブ)加工時や、合わせガラス体を金型に固定しつつ周囲に樹脂を流し込んで合わせガラス体にモール部材を一体化する加工時等においても発生する。また、割れや欠けによる合わせガラス体の不良はガラス板の周縁に発生し易い。しかし、ガラス板の周縁は遮蔽層(黒セラ)で覆われているため、合わせガラス体の製造後においてはガラス板の周縁部位について、目視ではクラック等の不良確認は行えず、光学機器を使用した場合でもクラック等の不良確認が適正に行えないことがあった。そのため、製造後の車両用合わせガラス体について、適正な検品が難しく改良の余地があった。
【0006】
そこで、遮蔽層が配置された部位についてもガラス板の状態を容易に視認できる車両用合わせガラス体が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両用合わせガラス体の一つの態様は、車外側に配置された第1面と当該第1面に対して反対側の第2面とを有する曲面形状の第一ガラス板と、前記第2面に対向する第3面と車内側に配置された第4面とを有する前記曲面形状の第二ガラス板と、前記第一ガラス板及び前記第二ガラス板の間に挟まれた中間膜と、を備え、前記第一ガラス板の前記第1面又は前記第2面の周縁部、及び、前記第二ガラス板の前記第3面又は前記第4面の周縁部には、可視光を遮蔽可能な材料が積層された遮蔽層を含む遮蔽領域が形成されており、前記第一ガラス板の前記遮蔽領域における前記遮蔽層の第一パターンと前記第二ガラス板の前記遮蔽領域における前記遮蔽層の第二パターンとを異ならせることにより、前記第一ガラス板及び前記第二ガラス板の状態を視認可能な状態確認構造を有している。
【0008】
車両用合わせガラス体では、第1ガラス板の第1面又は第2面、及び第二ガラス板の第3面又は第4面の夫々の周縁部に可視光を遮断可能な遮断層を含む遮断領域が設けられている。当該遮断領域については、通常、第一ガラス板及び第二ガラス板において共通のパターンを有するように構成される。この場合には、第一ガラス板又は第二ガラス板の周縁部におけるクラック等の状態確認が、第一ガラス板又は第二ガラス板の一方について困難になる。
【0009】
一方、本態様における車両用合わせガラス体は、第一ガラス板の遮蔽領域における遮蔽層の第一パターンと第二ガラス板の遮蔽領域における遮蔽層の第二パターンとを異ならせることにより、第一ガラス板及び第二ガラス板の状態を視認可能な状態確認構造を有している。したがって、第一ガラス板又は第二ガラス板については、第一パターン及び第二パターンのうち異なられた部位(例えば一方について遮断層を有しない部位)からガラス板の状態を容易に視認できる。これにより、車両用合わせガラス体は、状態確認構造によって検品を容易且つ適正に行うことができる。
【0010】
本発明に係る車両用合わせガラス体の他の一つの態様において、前記状態確認構造は、前記第一パターンよりも前記第二パターンの方が前記遮蔽層の面積が小さい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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