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公開番号2025133699
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2025025261
出願日2025-02-19
発明の名称感光性ガラス
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類C03C 4/04 20060101AFI20250904BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】本発明の一態様は、開孔を有するマスクを通して露光する場合に、回折光や迷光による結晶析出を抑制することで、精度良くパターン加工が可能な感光性ガラスを提供する。
【解決手段】本発明は、感光性ガラスに波長300~330nmの紫外線を照射し、コロイドを生成させるための熱処理を、ガラス転移温度Tg+20~+65℃で行った場合において、横軸に紫外線露光量(J/cm2)をとり、縦軸にコロイドの吸光度(mm-1)をとった座標系上に、前記紫外線露光量が0J/cm2、1J/cm2、及び2J/cm2における前記コロイドの吸光度をプロットしたときに、(紫外線露光量1~2J/cm2における傾き)/(紫外線露光量0~1J/cm2における傾き)が1.0超である、感光性ガラスに関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
感光性ガラスであって、前記感光性ガラスに波長300~330nmの紫外線を照射し、コロイドを生成させるための熱処理をガラス転移温度Tg+20~+65℃で行った場合において、横軸に紫外線露光量(J/cm

)をとり、縦軸にコロイドの吸光度(mm
-1
)をとった座標系上に、前記紫外線露光量が0J/cm

、1J/cm

、及び2J/cm

における前記コロイドの吸光度をプロットしたときに、(紫外線露光量1~2J/cm

における傾き)/(紫外線露光量0~1J/cm

における傾き)が1.0超である、感光性ガラス。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記紫外線露光量0~1J/cm

における傾きが0.001~1.0である、請求項1に記載の感光性ガラス。
【請求項3】
酸化物基準のモル百分率表示でのSb



及びCeO

の含有量の比:Sb



/CeO

が3.0~20である、請求項1または2に記載の感光性ガラス。
【請求項4】
酸化物基準のモル百分率表示でSb



を0.01~0.3%含有する、請求項1または2に記載の感光性ガラス。
【請求項5】
酸化物基準のモル百分率表示でCeO

を0.002~0.04%含有する、請求項1または2に記載の感光性ガラス。
【請求項6】




を含有する、請求項1または2に記載の感光性ガラス。
【請求項7】
酸化物基準のモル百分率表示で、SiO

を59.0~81.0%、Li

Oを8.0~26.0%、Na

Oを1.0~10.0%、K

Oを1.0~10.0%、Al



を0~5.0%、ZnOを0~6.0%、およびB



を0~8.0%、含有する、請求項1または2に記載の感光性ガラス。
【請求項8】
酸化物基準のモル百分率表示でAg

Oを0.01~1.0%含有する、請求項1または2に記載の感光性ガラス。
【請求項9】
紫外線吸収成分を含有する、請求項1または2に記載の感光性ガラス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性ガラスに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
感光性ガラスは、光照射と熱処理とを組み合わせることで、光露光された部分のガラス構造が変化するガラスであり、光照射した部分のみを選択的に結晶化できるガラスである。具体的には、紫外線などの短波長の輻射線に露光された感光性ガラスに熱を加えることで、露光部にAgコロイドが形成され、更にAgコロイドが核となり微細結晶が析出し、露光部分の色、屈折率、化学耐久性、ガラス強度を変えることができる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-36200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
感光性ガラスに対し所定のパターン加工を行う場合、図1に示すように、開孔4を有するマスク2を通して露光する場合がある。この場合、照射した光3が開孔4を通過する際に回折光5や迷光6が生じる。回折光5や迷光6は露光量としては小さいものの、露光による感度が高いと感光性ガラスに結晶が析出するため、このような場合は目的部以外で結晶が析出する可能性がある。また、マスク2の開孔4の径が小さいと回折角はより大きくなるため、感光性ガラス1の露光面とは反対側の裏面側での結晶析出径がさらに大きくなる。
このように、感光性ガラスに開孔を有するマスクを通して露光する場合、回折光及び迷光によって狙いとは異なる位置に結晶が析出するおそれがあり、エッチングで結晶を溶かした際に、狙い通りの構造とならないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、開孔を有するマスクを通して露光する場合に、回折光や迷光による結晶析出を抑制することで、精度良くパターン加工が可能な感光性ガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、感光性ガラスであって、前記感光性ガラスに波長300~330nmの紫外線を照射し、コロイドを生成させるための熱処理をガラス転移温度Tg+20~+65℃で行った場合において、横軸に紫外線露光量(J/cm

)をとり、縦軸にコロイドの吸光度(mm
-1
)をとった座標系上に、前記紫外線露光量が0J/cm

、1J/cm

、及び2J/cm

における前記コロイドの吸光度をプロットしたときに、(紫外線露光量1~2J/cm

における傾き)/(紫外線露光量0~1J/cm

における傾き)が1.0超である、感光性ガラスに関する。なお、以下では、「(紫外線露光量1~2J/cm

における傾き)/(紫外線露光量0~1J/cm

における傾き)」を「本指標」と称することがある。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、開孔を有するマスクを通して露光する場合に、回折光や迷光による結晶析出を抑制することで、精度良くパターン加工が可能な感光性ガラスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、感光性ガラス1に開孔4を有するマスク2を通して光3を照射する場合に、回折光5や迷光6が生じる様子を示す概念図である。
図2は、例1及び例2の感光性ガラスについて、横軸に紫外線露光量(J/cm

)をとり、縦軸にコロイドの吸光度(mm
-1
)をとった座標系上にプロットしたものである。
図3は、例1及び例2の感光性ガラスのパターンニング後のガラス表面の顕微鏡写真である。
図4は、例1~23の感光性ガラスについて、横軸にSb



/CeO

をとり、縦軸に本指標をとった座標系上にプロットしたものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施できる。
本明細書において、数値範囲を示す「~」とは、特段の定めがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
【0010】
本明細書において、「感光性ガラス」とは、露光及び熱処理により、ガラス中に金属コロイドが生成し、さらに結晶が析出するガラスをいう。より詳細には、「感光性ガラス」は以下の式に示すように、露光によって3価のCeイオンが電子を放出し、それをAgイオンがトラップすることで、銀原子が生成される。
Ce
3+
→ Ce
4+
+ e

Ag

+ e

→ Ag
その後、感光性ガラスを熱処理することで銀コロイドが生成され、さらに温度を上げて熱処理することで、銀コロイドを核として結晶が析出する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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