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公開番号2025139291
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-26
出願番号2024038138
出願日2024-03-12
発明の名称石英ガラス棒およびその製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人
主分類C03B 23/047 20060101AFI20250918BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】石英ガラス棒の製造工程において歪除去工程を省略することで生産性を向上させ、その結果残量する歪の影響で出荷後に石英ガラス棒に割れが生じた場合に、実質的な損害が出ない割れ方をする歪の残し方を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明における石英ガラス棒の製造方法は、複数回の延伸加工により石英ガラス棒を段階的に延伸して既定の直径の石英ガラス棒を得る。当該石英ガラス棒の製造方法では、複数回の延伸加工の途中で、ガラス加工旋盤で延伸した石英ガラス棒の1箇所以上をバーナ火炎で加熱し軟化させ曲がり量を規定内に収める曲がり修正を施す。
【選択図】図3


特許請求の範囲【請求項1】
複数回の延伸加工により石英ガラス棒を段階的に延伸して既定の直径の石英ガラス棒を得る石英ガラス棒の製造方法であって、
前記複数回の延伸加工の途中で、ガラス加工旋盤で延伸した前記石英ガラス棒の1箇所以上をバーナ火炎で加熱し軟化させ曲がり量を規定内に収める曲がり修正を施すことを特徴とする石英ガラス棒の製造方法。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記曲がり修正は、前記複数回の延伸加工における最後の延伸加工の直前に施されることを特徴とする請求項1に記載の石英ガラス棒の製造方法。
【請求項3】
複数回の延伸加工により石英ガラス棒を段階的に延伸して既定の直径の石英ガラス棒を得る石英ガラス棒の製造方法であって、
前記複数回の延伸加工における最後の延伸加工の後で、ガラス加工旋盤で延伸した前記石英ガラス棒の1箇所以上をバーナ火炎で加熱し軟化させ曲がり量を規定内に収める曲がり修正を施し、
前記曲がり修正における加熱量は、前記曲がり修正により前記石英ガラス棒の中間部分に生じる歪が、前記石英ガラス棒を溶断する際に前記石英ガラス棒の両端部に生じる歪より小さくなるように調整されることを特徴とする石英ガラス棒の製造方法。
【請求項4】
前記曲がり修正における加熱量は、前記石英ガラス棒を溶断する際の加熱量よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の石英ガラス棒の製造方法。
【請求項5】
ガラス加工旋盤を用いてガラス母材を所定の外径に延伸加工した石英ガラス棒において、その両端のみに歪を有する石英ガラス棒。
【請求項6】
ガラス加工旋盤を用いてガラス母材を所定の外径に延伸加工した石英ガラス棒において、両端とその中間部分に複数箇所の歪を有し、中間部分に1箇所以上ある歪が両端の歪よりも小さいことを特徴とする石英ガラス棒。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はバーナを有したガラス加工用の旋盤(以下、ガラス旋盤と呼ぶ)を使用してガラス母材を所定の外径に延伸して得られる石英ガラス棒およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
ガラス旋盤によりガラス母材をバーナ火炎で加熱する石英ガラス棒の製造工程において、製造される石英ガラス棒には複数箇所にバーナ火炎による加熱による歪が生じる。
【0003】
図1および図2に石英ガラス棒1に生じる歪の形態を示す。ガラス旋盤から延伸が完了した石英ガラス棒を取り外す際には、所定の長さとなるように両端をバーナ火炎で溶断し製品部を取り外す。その溶断時のバーナ火炎によって両端に生じる歪が溶断による歪2である。図1は、溶断による歪2を両端に残した形態の石英ガラス棒を模式的に示している。
【0004】
図2は、図1と同様に両端に溶断による歪2を残し、加えて中間部分にも曲がり修正による歪3を残した形態の石英ガラス棒を模式的に示している。石英ガラス棒の寸法公差として「曲がり量」が規定される場合があり、規定の外径に仕上げた延伸完了後に曲がり量が規定を外れている場合は石英ガラス棒をバーナ火炎で局所的に軟化させ曲がりを修正する作業を行う。この曲がり修正の際にバーナ火炎で加熱した位置に曲がり修正による歪3が生じる。曲がり修正を行う、すなわち曲がり修正による歪3が生じる位置や数は石英ガラス棒ごとに、その曲がり形状によって異なる。
【0005】
図1や図2に示す形態で石英ガラス棒に局所的な歪を残した場合、出荷後の振動や温度変化によって割れを起こしてしまう可能性がある。従来は歪による割れの発生を回避する意図で、石英ガラス棒の製造工程の終盤で局所的に生じた歪を除去する工程を付加していた。歪を除去する手法としてはガラス旋盤にてバーナ火炎で端部からもう一方の端部へ向かってバーナを順次移動させながら加熱する方法や、アニール炉を使用する方法などが知られている。
【0006】
石英ガラス棒の製造工程を簡素化し生産性を向上する手段のひとつとして、歪除去工程の省略が考えられる。ただしその場合は局所的な歪を残したままの出荷となるため、先述の通り出荷後に割れてしまう危険性が残る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の問題に鑑み成されたものであり、石英ガラス棒の製造工程において歪除去工程を省略することで生産性を向上させ、その結果残量する歪の影響で出荷後に石英ガラス棒に割れが生じた場合に、実質的な損害が出ない割れ方をする歪の残し方を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決すべく、本発明の位置実施形態に係る石英ガラス棒の製造方法は、複数回の延伸加工により石英ガラス棒を段階的に延伸して既定の直径の石英ガラス棒を得る。当該石英ガラス棒の製造方法では、前記複数回の延伸加工の途中で、ガラス加工旋盤で延伸した前記石英ガラス棒の1箇所以上をバーナ火炎で加熱し軟化させ曲がり量を規定内に収める曲がり修正を施すことを特徴とする。
【0009】
このようにすれば、曲がり修正によって石英ガラス棒の中間部分に生じる歪がその後の延伸加工により除去され、両端のみに歪を残ることになる。その結果、出荷後に中間部分に割れが生じる可能性を低く抑えることができる。
【0010】
本発明では、前記曲がり修正は、前記複数回の延伸加工における最後の延伸加工の直前に施されるとよい。このようにすれば、曲がり修正後の延伸加工の回数を最小限とすることができ、曲がり量の悪化を抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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