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公開番号2025086957
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023201261
出願日2023-11-29
発明の名称ガラスの製造方法
出願人日本電気硝子株式会社
代理人
主分類C03B 5/225 20060101AFI20250603BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】泡の少ないガラスを製造可能なガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】溶融ガラスを、白金または白金合金からなる金属壁と接触した状態で、保持または流動させる工程を備えるガラスの製造方法であって、溶融ガラスは、SO3飽和溶解度が0.05(wt%)以下であり、溶融ガラスの硫黄濃度CS(wt%)、金属壁の外囲空間の水蒸気分圧pH2O(atm)、および金属壁の外囲空間の酸素分圧pO2(atm)とした場合に式(1)により算出される数値SPが、SP≦3.10となるよう、硫黄濃度CS、水蒸気分圧pH2O、および酸素分圧pO2の少なくともいずれかを調整する調整工程をさらに備えることを特徴とする。
SP=CS×pH2O/pO2 (1)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
溶融ガラスを、白金または白金合金からなる金属壁と接触した状態で、保持または流動させる工程を備えるガラスの製造方法であって、
前記溶融ガラスは、SO

飽和溶解度が0.05(wt%)以下であり、
前記溶融ガラスの硫黄濃度C

(wt%)、前記金属壁の外囲空間の水蒸気分圧pH

O(atm)、および前記金属壁の外囲空間の酸素分圧pO

(atm)とした場合に式(1)により算出される数値SPが、SP≦3.10となるよう、前記硫黄濃度C

、前記水蒸気分圧pH

O、および前記酸素分圧pO

の少なくともいずれかを調整する調整工程をさらに備えることを特徴とするガラスの製造方法。
SP=C

×pH

O/pO

(1)
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記調整工程において、0.0013≦SPとなるよう前記硫黄濃度C

、前記水蒸気分圧pH

O、前記酸素分圧pO

の少なくともいずれかを調整する、請求項1に記載のガラスの製造方法。
【請求項3】
前記調整工程において、0.0040≦SP≦1.30となるよう前記硫黄濃度C

、前記水蒸気分圧pH

O、前記酸素分圧pO

の少なくともいずれかを調整する、請求項1または2に記載のガラスの製造方法。
【請求項4】
前記金属壁の外囲空間に、
当該外囲空間の前記酸素分圧pO

を測定する酸素分圧測定手段と、
当該外囲空間へ酸素を供給する酸素供給手段と、を設け、
測定された前記酸素分圧pO

に基づき前記酸素の供給量を調整することにより、前記酸素分圧pO

を0.0008~0.17(atm)の範囲内に調整する、請求項1または2に記載のガラスの製造方法。
【請求項5】
前記金属壁の外囲空間に、
当該外囲空間内の前記水蒸気分圧pH

Oを測定する水蒸気分圧測定手段と、
当該外囲空間へ水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、を設け、
測定された前記水蒸気分圧pH

Oに基づき前記水蒸気の供給量を調整することにより、前記水蒸気分圧pH

Oを0.07~0.37(atm)の範囲内に調整する、請求項1または2に記載のガラスの製造方法。
【請求項6】
前記溶融ガラスを得るためのガラス原料を調合する工程をさらに含み、前記ガラス原料におけるSO

含有量を調整することにより、前記硫黄濃度C

を、0.005wt%以下に調整する、請求項1または2に記載のガラスの製造方法。
【請求項7】
前記金属壁に接触する前記溶融ガラスの粘度が10
4.0
dPa・s以下である、請求項1または2に記載のガラスの製造方法。
【請求項8】
前記溶融ガラスを成形して得られるガラスが、ガラス組成として質量%で、SiO

65~80%、B



9.5~15%を含有する、請求項1または2に記載のガラスの製造方法。
【請求項9】
前記溶融ガラスを成形して得られるガラスが、ガラス組成として、質量%で、SiO

50~70%、Al



12~25%、B



0~12%、Li

O+Na

O+K

O(Li

O、Na

O及びK

Oの合量) 0~1%未満、MgO 0~8%、CaO 0~15%、SrO 0~12%、BaO 0~15%を含有する、請求項1または2に記載のガラスの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスの製造方法に関し、より特定的には泡の少ないガラスの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
ガラス製造において、溶融ガラス中の泡を如何にして除去するか、あるいは如何にして生じさせないかが大きな課題となっている。
【0003】
特に、医薬容器用のガラスにおいては、泡が多いと薬液を充填した後の外観検査にて容器中の泡と薬液中の異物の見分けがつきにくくなり、正しく検査が出来なくなる恐れがあるため、泡の少ないガラスの製造は重要な課題となっている。
【0004】
また、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイの基板に用いられるガラス板は、大型化に伴い泡品位の要求レベルが年々高まっており、上記課題の解決が重要になっている。
【0005】
溶融ガラス中の泡を除去する手法は清澄と呼ばれている。最も一般的な清澄方法としては、高温下においてガスを発生させる硫酸塩等の清澄剤をガラス原料に添加しておき、清澄工程において清澄剤からガスを発生させ、泡を拡大し、浮上脱泡させる方法が挙げられる。
【0006】
上記のような用途のガラスの製造工程では、耐火物の溶出による欠陥を避けるため、白金などの金属容器で溶融する場合がある。しかし、白金などの金属容器を用いると、ガラス中に溶解したOH基が水素と酸素に解離し、水素が白金を透過することによって容器の界面でO

泡が発生することが知られている。
【0007】
このようなO

泡を抑制する技術として、例えば、特許文献1には、ガラス溶融物中にジルコニアにより構成された酸素参照電極を用いて金属容器内の水素分圧を推定し、金属容器の内側体外側の相対的な水素分圧を測定および制御する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特表2001-503008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述特許文献1等の従来の技術では、SO

泡の抑制については考慮されておらず、十分な泡の抑制ができていなかった。
【0010】
清澄剤として硫酸塩を用いる場合、ガラス中に欠陥としてSO

泡が生じうる。このようなSO

泡の発生原因は種々考えられるが、一因として、金属容器の外側界面においてH

Oが分解して生じる水素の逆透過(金属容器外側から内側への透過)によって溶融ガラスが還元され、溶融ガラスのSO

飽和溶解度が低下することによって、いわゆるリボイル泡としてSO

泡が生じる場合があると考えられる。特に、医薬容器用ホウケイ酸ガラスやディスプレイ基板用無アルカリガラスなどの、SO

の飽和溶解度が低い組成系のガラスの製造においては、このようなSO

泡の発生が顕著となり易い。そして、このようなSO

泡は白金容器内外の水素分圧のみを制御するだけでは抑制困難であった。
(【0011】以降は省略されています)

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