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公開番号
2025091818
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2023207289
出願日
2023-12-07
発明の名称
サヤ
出願人
ノリタケ株式会社
代理人
弁理士法人ぱてな
主分類
F27D
3/12 20060101AFI20250612BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約
【課題】収容空間を有するサヤを用いて被焼成物に熱処理を施した場合であっても、被焼成物がガラス成分によって付着し難く、被焼成物自体にもガラス成分が付着し難いサヤを提供する。
【解決手段】本発明のサヤは、略水平に延びるセラミック製の底板1と、底板1から上方に延びて底板1とともに被焼成物Wを収容する収容空間7を形成するセラミック製の側壁3とからなり、熱処理炉に用いられる。被焼成物Wは、炭素を含む成形助剤によって成形されているとともに少なくともシリカを含有している。熱処理炉は、被焼成物Wが含む成形助剤を消失させるための脱脂ゾーンと、被焼成物Wを焼成するための焼成ゾーンとが連続する連続熱処理炉である。側壁3の少なくとも下部又は底板1には、被焼成物Wよりも外径が小さく、収容空間7を外部に連通させる連通路5が形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
略水平に延びるセラミック製の底板と、前記底板から上方に延びて前記底板とともに被焼成物を収容する収容空間を形成するセラミック製の側壁とからなり、熱処理炉に用いられるサヤであって、
前記被焼成物は、炭素を含む成形助剤によって成形されているとともに少なくともシリカを含有し、
前記熱処理炉は、前記被焼成物が含む前記成形助剤を消失させるための脱脂ゾーンと、前記被焼成物を焼成するための焼成ゾーンとが連続する連続熱処理炉であり、
前記側壁の少なくとも下部又は前記底板には、前記被焼成物よりも外径が小さく、前記収容空間を外部に連通させる連通路が形成されていることを特徴とするサヤ。
続きを表示(約 330 文字)
【請求項2】
前記底板と前記側壁とは別体であり、
前記底板上に前記側壁が載置されて用いられ、
前記連通路は前記側壁のみに形成されている請求項1記載のサヤ。
【請求項3】
前記連通路は前記側壁全体に形成されている請求項2記載のサヤ。
【請求項4】
アルミナとシリカとからなる請求項1乃至3のいずれか1項記載のサヤ。
【請求項5】
アルミナが95質量%であり、シリカが5質量%である請求項4記載のサヤ。
【請求項6】
開口率が6.2%以上、55.9%以下である請求項5記載のサヤ。
【請求項7】
前記側壁は、厚さが6mm以上、30mm未満である請求項5記載のサヤ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐火性容器、匣鉢(こうばち)、えんごろ、ぼし、セッター、焼成用治具等とも呼ばれるサヤに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来のサヤが開示されている。このサヤは、略水平に延びるアルミナセラミック製の底板と、底板と組み合わされるアルミナセラミック製の側壁とからなる。側壁は、底板から上方に延びて底板とともに被焼成物を収容する収容空間を形成する。側壁の上面には外と内との空気の流通を確保するための窓部が設けられている。収容空間内には、電子部品用、ガスセンサ素子用又はプラグ用に用いられる被焼成物が収容される。
【0003】
複数のサヤは台板上に設けられて台車とされ、台車が連続熱処理炉に用いられる。連続熱処理炉は、700°Cの第1ゾーンから1490°Cの第7ゾーンまでの複数の熱処理ゾーンが連続している。台車は第1ゾーンから第7ゾーンへと連続熱処理炉内に順次押し込まれ、この間に被焼成物が熱処理される。熱処理された被焼成物は回収され、サヤは再利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平11-211363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、発明者の確認によれば、上記のように、収容空間を有するサヤを用いて被焼成物に熱処理を施した場合、被焼成物がガラス成分によってサヤに付着したり、被焼成物自体にガラス成分が付着したりする場合があった。被焼成物がサヤに付着すれば、被焼成物をサヤから剥離する手間が増え、製造コストの高騰化に繋がる。また、被焼成物自体にガラス成分が付着すれば、被焼成物の組成が変化し、被焼成物の品質が損なわれてしまう。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、収容空間を有するサヤを用いて被焼成物に熱処理を施した場合であっても、被焼成物がガラス成分によって付着し難く、被焼成物自体にもガラス成分が付着し難いサヤを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。そして、上記のように、収容空間を有するサヤを用いて被焼成物に熱処理を施した場合、被焼成物がガラス成分によってサヤに付着したり、被焼成物自体にガラス成分が付着したりする不具合が生じる原因が以下にあることを発見し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、有機バインダ等、炭素を含む成形助剤によって被焼成物が成形されている場合に上記不具合が発生する。また、その被焼成物は少なくともシリカ(酸化ケイ素)を含有している必要がある。さらに、熱処理炉が特定の連続熱処理炉である必要がある。その連続熱処理炉は、被焼成物が含む成形助剤を消失させるための脱脂ゾーンと、被焼成物を焼成するための焼成ゾーンとが連続する必要がある。
【0009】
このため、発明者は、上記原因の下、以下のように不具合が生じると推察している。まず、被焼成物を特定の連続熱処理炉によって焼成する際、被焼成物が少なくともシリカを含有し、炭素を含む成形助剤によって成形されておれば、焼成前の脱脂ゾーンにおいて、脱脂が不十分になる場合がある。その場合、脱脂ゾーンを経た被焼成物は、成形助剤の炭素が十分に燃焼して二酸化炭素とならず、炭素を残存させている。この原因は、サヤの収容空間内に収容される被焼成物が比較的多かったり、脱脂ゾーンの温度が十分に高くなかったり、脱脂ゾーンに存在する時間が十分に長くなかったり、脱脂ゾーンに存在する酸素の量が十分でなかったり、被焼成物が多くの成形助剤を含んでいたりすること等、不可避的なものと推察される。そのため、脱脂ゾーンにおいて、被焼成物に残存した炭素が被焼成物中のシリカを還元し、ヘイズ(霞・靄)と呼ばれるSiOのガス成分を生じる。ヘイズは、サヤ内で拡散し、焼成ゾーン内の空気等の雰囲気ガスより重いことからサヤの収容空間内に貯留される。この点、上記従来のサヤでは、側壁に窓部が設けられていたが、窓部が側壁の上面であったため、ヘイズを収容空間内に貯留してしまう。このため、収容空間内において、ヘイズが被焼成物の表面で酸化し、微粒の酸化ケイ素になる。この状態のまま焼成が継続され、微粒の酸化ケイ素が溶融してガラス成分となり、被焼成物がガラス成分によってサヤに付着したり、被焼成物自体にガラス成分が付着したりする。
【0010】
本発明のサヤは、略水平に延びるセラミック製の底板と、前記底板から上方に延びて前記底板とともに被焼成物を収容する収容空間を形成するセラミック製の側壁とからなり、熱処理炉に用いられるサヤであって、
前記被焼成物は、炭素を含む成形助剤によって成形されているとともに少なくともシリカを含有し、
前記熱処理炉は、前記被焼成物が含む前記成形助剤を消失させるための脱脂ゾーンと、前記被焼成物を焼成するための焼成ゾーンとが連続する連続熱処理炉であり、
前記側壁の少なくとも下部又は前記底板には、前記被焼成物よりも外径が小さく、前記収容空間を外部に連通させる連通路が形成されていることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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