TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025113638
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-04
出願番号2024007901
出願日2024-01-23
発明の名称リフロー炉
出願人有限会社ヨコタテクニカ
代理人個人
主分類F27B 9/40 20060101AFI20250728BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】電力消費を抑えることのできるリフロー炉を提供する。
【解決手段】加熱室4は位相制御で温度管理される。リフロー炉100の制御において、ワークピースWの炉内での位置によって各加熱室4、各冷却室6の制御モードが切り替えられる。待機状態のリフロー炉100は、ワーク検知センサSがワークピースWを検知すると、入口Inに最も近い第1番目の加熱室4(1)が待機モードから運用モードに切り替えられる。第2番目以降の加熱室4(2)ないし4(5)及び2つの冷却室6は待機モードが継続される。
【選択図】図6

特許請求の範囲【請求項1】
炉内に複数の部屋を有し、これらの部屋を通過させることで、電子部品を搭載した基板からなるワークピースの半田付けを行うための気相式のリフロー炉において、
前記ワークピースを搬送するコンベアと、
前記複数の部屋の各々の部屋に設置され且つ各部屋の雰囲気ガスを循環するためのファンと、
該ファンを駆動するためのモータと、
前記複数の部屋の各々の部屋に設置され且つ各部屋の雰囲気ガスを前記ワークピースに向けて吐出するノズルと、
炉内の加熱ゾーンを構成する加熱室の雰囲気ガスを加熱するためのヒータと、
前記複数の部屋の各々の部屋の温度を個別的に制御するコントローラとを有し、
該コントローラは、前記複数の部屋の各々の制御として、運用モードと待機モードとを有し、
前記待機モードでは、前記運用モードで設定される運用目標温度よりも低い温度の待機目標温度の下で前記モータが制御され、
前記加熱室の前記待機モードでは、前記運用モードで設定される運用目標温度よりも低い温度の待機目標温度の下で前記ヒータが制御され、
前記コントローラは、前記コンベアによって搬送される前記ワークピースの位置によって、前記各部屋の制御を前記運用モードから前記待機モードに切り替え又は前記待機モードから前記運用モードに切り替える個別モード切り替え制御部を有することを特徴するリフロー炉。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
請求項1に記載のリフロー炉において、
前記加熱室が位相制御によって制御される、リフロー炉。
【請求項3】
請求項2に記載のリフロー炉において、
前記ヒータがニクロム線ヒータで構成されている、リフロー炉。
【請求項4】
請求項3に記載のリフロー炉において、
前記加熱室は、前記ファン及び前記ヒータを収容し且つ前記ノズルを備えたファンケースを有し、
該ファンケースは0.8mm厚又はそれよりも薄いステンレス鋼板で作られている、リフロー炉。
【請求項5】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のリフロー炉において、
前記待機モードでは、前記モータの回転数が前記運用モードの時よりも低い、リフロー炉。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リフロー半田を介してプリント基板に搭載された電子部品を半田付けするためのリフロー炉に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
リフロー炉は、電子部品を搭載した基板(以下、「ワークピース」という。)の半田付けに用いられる。連続処理するリフロー炉は炉内に複数の部屋を有し、これらの部屋をワークピースが通過することで半田付けが完了する。特許文献1、2は、ワークピースを搬送するコンベアとして、無端チェーンを採用したリフロー炉を開示している。無端チェーンによってワークピースは炉内を一定の速度で搬送される。
【0003】
半田付けに熱風を用いた気相式リフロー炉において、各部屋毎に配置したファンによって各部屋の雰囲気ガスが循環される。炉内の加熱ゾーンでは、ヒータで温度調整した雰囲気ガスがワークピースに向けて吐出される(特許文献3、4)。そして、各部屋の温度は、予め設定された温度プロファイルに従って管理される(特許文献5)。
【0004】
加熱ゾーンを構成する加熱室の温度制御では、ソリッドステートコンタクタ(Solid State Contactor)が採用されている。また、従来のリフロー炉は、一般的に、熱源としてシーズヒータが採用されている。ここに、シーズヒータは、発熱素子のニクロム線と、絶縁粉末と、これらを内蔵した金属パイプとで構成されている。すなわち、シーズヒータは、ニクロム線を包囲する金属パイプを有し、金属パイプの中には、この金属パイプとニクロム線との接触を防止するために絶縁粉末(典型例が酸化マグネシウム粉末)が充填されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
JP特開昭63(1988)-278668号公報
JP特開2006-324303号公報
JP特開2002-134905公報
JP特許4834559号
JP特許5604812号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近時の温暖化問題はリフロー炉に大きな課題を提起している。すなわち、リフロー炉の電力消費の更なる低減である。本発明の目的は、電力消費を抑えることのできるリフロー炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題は、下記のリフロー炉を提供することにより達成される。すなわち、
本発明のリフロー炉は、
炉内に複数の部屋を有し、これらの部屋を通過させることで、電子部品を搭載した基板からなるワークピースの半田付けを行うための気相式のリフロー炉において、
前記ワークピースを搬送するコンベアと、
前記複数の部屋の各々の部屋に設置され且つ各部屋の雰囲気ガスを循環するためのファンと、
該ファンを駆動するためのモータと、
前記複数の部屋の各々の部屋に設置され且つ各部屋の雰囲気ガスを前記ワークピースに向けて吐出するノズルと、
炉内の加熱ゾーンを構成する加熱室の雰囲気ガスを加熱するためのヒータと、
前記複数の部屋の各々の部屋の温度を個別的に制御するコントローラとを有し、
該コントローラは、前記複数の部屋の各々の制御として、運用モードと待機モードとを有し、
前記待機モードでは、前記運用モードで設定される運用目標温度よりも低い温度の待機目標温度の下で前記モータが制御され、
前記加熱室の前記待機モードでは、前記運用モードで設定される運用目標温度よりも低い温度の待機目標温度の下で前記ヒータが制御され、
前記コントローラは、前記コンベアによって搬送される前記ワークピースの位置によって、前記各部屋の制御を前記運用モードから前記待機モードに切り替え又は前記待機モードから前記運用モードに切り替える個別モード切り替え制御部を有する。
本発明の作用効果及び他の目的は、本発明の好ましい実施の形態の説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例のリフロー炉の概略図
リフロー炉の一つの部屋を正面視した図
リフロー炉の各部屋に設置される上下2分割構造のファンケースの下部構造体を上から見た斜視図
図3の下部構造体を上下反転させた斜視図
リフロー炉の全ての部屋が待機モードで制御されている状態を説明するための図
ワークピースが炉内に入る直前に、第1番目の加熱室が待機モードから運用モードに切り替えられることを説明するための図
ワークピースが第1番目の加熱室に進入すると、第2番目の加熱室が待機モードから運用モードに切り替えられることを説明するための図
ワークピースが第1番目の加熱室から退室すると、第1番目の加熱室が運用モードから待機モードに切り替えられ、また、第3、第4番目の加熱室が待機モードから運用モードに切り替えられることを説明するための図
ワークピースが第2番目の加熱室から退室すると、第2番目の加熱室が運用モードから待機モードに切り替えられることを説明するための図
ワークピースが第4番目の加熱室から退室すると、第4番目の加熱室が運用モードから待機モードに切り替えられ、第1、第2の冷却室が待機モードから運用モードに切り替えられることを説明するための図
ワークピースが第5番目の加熱室から退室すると、第5番目の加熱室が運用モードから待機モードに切り替えられることを説明するための図
ワークピースが第1番目の冷却室から退室すると、第1番目の冷却室が運用モードから待機モードに切り替えられることを説明するための図
ワークピースが第2番目の冷却室から退室すると、第2番目の冷却室が運用モードから待機モードに切り替えられ、その結果、炉内の全ての部屋が待機モードで制御されることを説明するための図
実施例のリフロー炉の制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0009】
添付の図面は、実施例のリフロー炉100に関する図である。図示のリフロー炉100は熱風を使ってリフロー処理する気相式のリフロー炉である。図1は、リフロー炉100の全体構成の概略図である。図1を参照して、リフロー炉100は、加熱ゾーンHzと冷却ゾーンCzとを有している。また、リフロー炉100は、加熱ゾーンHzの上流側に位置する入口側バッファ室InBFを有し、これに加えて、冷却ゾーンCzの下流側に位置する出口側バッファ室OutBFを有している。
【0010】
リフロー炉100は、ワークピースWの流れ方向に間隔を隔てて配置された複数の仕切り壁2を有し、この仕切り壁2によって各ゾーンを構成する複数の部屋が形成されている。炉内の部屋を具体的に説明すると、リフロー炉100は、入口Inから出口Outに向けて順に、入口側バッファ室InBF、第1ないし第5の加熱室4(1)~4(5)、第1、第2の冷却室6(1)、6(2)、出口側バッファ室OutBFを有している。なお、以下の説明において、複数の加熱室4(1)~4(5)を総称するときには、参照符号「4」を使用し、複数の冷却室6(1)、6(2)を総称するときには、参照符号「6」を使用する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許