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公開番号2024117738
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-29
出願番号2024018731
出願日2024-02-09
発明の名称フツリン酸塩系光学ガラス及び光学素子
出願人株式会社オハラ
代理人個人
主分類C03C 3/247 20060101AFI20240822BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】所望のアッベ数(νd)を得つつも、光学ガラスの脈理や白金材料からなる装置の劣化を招き難いフツリン酸塩系光学ガラス、光学素子を提供すること。
【解決手段】カチオン成分として、Bi3+成分、Ti4+成分、Nb5+成分、W6+成分のいずれか1種以上を含有し、アニオン成分として、F-成分をアニオン%(モル%)表示で50.99%超含有し、Cl-成分をアニオン%(モル%)表示で0%以上0.10%未満とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
カチオン成分として、Bi
3+
成分、Ti
4+
成分、Nb
5+
成分、W
6+
成分のいずれか1種以上をカチオン%(モル%)表示で0%超含有し、
アニオン成分として、F

成分をアニオン%(モル%)表示で50.00%超含有し、Cl

成分をアニオン%(モル%)表示で0%以上0.10%未満含有する、
アッベ数(ν

)が50.00以上であるフツリン酸塩系光学ガラス。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
Mg
2+
成分、Ca
2+
成分、Sr
2+
成分、Ba
2+
成分、K

成分、Li

成分、Zn
2+
成分のいずれかのカチオン成分を更に含有する、請求項1に記載のフツリン酸塩系光学ガラス。
【請求項3】
前記Bi
3+
成分、Ti
4+
成分、Nb
5+
成分、W
6+
成分、のいずれか1種以上の含有率は、カチオン%(モル%)表示で2.00%以上7.00%以下である、請求項1に記載のフツリン酸塩系光学ガラス。
【請求項4】
請求項1に記載のフツリン酸塩系光学ガラスからなる光学素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フツリン酸塩系光学ガラス及び光学素子に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
フツリン酸塩系光学ガラスは、例えば、撮影用のレンズにおいて、色収差を補正するため部分分散比及び分散が相互に異なる複数のものを組み合わせて使用される。光学ガラスは、一般に、ガラス融解時に特定成分が揮発することによって組成変動が生じると、脈理の原因となるので、その種の成分の含有量を適正な範囲に調整することも必要である。
【0003】
特許文献1には、高温プロセスにおけるフツリン酸ガラスの揮発性を低減しつつ、部分分散比が高く色収差補正に好適な光学ガラスが開示されている。この光学ガラスは、液相温度における粘性が10.0dPa・s以上であり、P
g,F
>-0.0004ν

+0.5720を満たし、屈折率(n

)が1.45000以上、1.65000以下であり、アッベ数(ν

)が45.0以上、85.0以下であり、カチオン%でP
5+
5%以上、55%以下、Al
3+
5%以上、50%以下、Ba
2+
3%以上、50%以下の成分を含む、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-015662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている光学ガラスは、低分散化するとともに、ガラスの異常分散性を付与する働きや、ガラス転移温度を低下させる働きや、化学的耐久性を改善させる働きがあることに着目し、O

やF

に加えて、Cl

を0.18%~0.19%含有させた実施例が開示されている。
【0006】
しかし、Cl

は、適正量が含有されるのであれば、特許文献1に記載されているようなパイプ外周へのガラス融液の濡れ上がりを抑制し、濡れ上がりによるガラスの品質低下を抑制するというメリットが期待できるかもしれないが、この種の働きをする成分はCl

のみではないため、これを必ずしも必須成分としなくてもよい反面、Cl

が適正量を超えて過剰に含有されると、それ自体の揮発によって光学ガラスの脈理や白金材料からなる装置の劣化を招くというデメリットがある。
【0007】
したがって、光学ガラスにおけるCl

の含有量は、そのメリットばかりではなくデメリットとなり得る他の要因も踏まえ、含有しないことも含めて決定すべきであるが、いずれにしても、特許文献1に記載された光学ガラスは、相対的に多量のCl

を含有しており、光学ガラスの脈理や白金材料からなる装置の劣化を招くというデメリットが生じる可能性がある。
【0008】
そこで、本発明は、所望のアッベ数(ν

)を得つつも、光学ガラスの脈理や白金材料からなる装置の劣化を招き難いフツリン酸塩系光学ガラス、光学素子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意試験研究を重ねた結果、典型例として、カチオン成分として、Bi
3+
成分、Ti
4+
成分、Nb
5+
成分、W
6+
成分のいずれか1種以上を含有し、アニオン成分として、F

成分をアニオン%(モル%)表示で50.99%超含有し、Cl

成分をアニオン%(モル%)表示で0%以上0.10%未満とすると、所望の屈折率(n

)やアッベ数(ν

)を得つつも、光学ガラスの脈理や白金材料からなる装置の劣化を招き難いフツリン酸塩系光学ガラスを得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
(1)本発明のフツリン酸塩系光学ガラスは、
カチオン成分として、Bi
3+
成分、Ti
4+
成分、Nb
5+
成分、W
6+
成分のいずれか1種以上をカチオン%(モル%)表示で0%超含有し、
アニオン成分として、F

成分をアニオン%(モル%)表示で50.00%超含有し、アニオン成分として、Cl

成分をアニオン%(モル%)表示で0%以上0.10%未満含有する、
アッベ数(ν

)が50.00以上である。
(【0011】以降は省略されています)

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