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公開番号
2024141185
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023052691
出願日
2023-03-29
発明の名称
山林苗の生産方法
出願人
日本製紙株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
A01G
22/00 20180101AFI20241003BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】本発明は、育苗容器を用いた山林苗の生産において、白根の健全な根鉢を有し、植栽後の初期成長の良好な山林苗を効率よく生産できる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、培土を嵩密度が0.15g/cm
3
~0.27g/cm
3
となるように充填した育苗容器を用いて山林苗を育成し、根鉢付き山林苗を得ることを含む、山林苗の生産方法、並びに、前記生産方法により山林苗を生産し、得られた実生苗を植林地へ植え付けする、植林地の生産方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
培土を嵩密度が0.15g/cm
3
~0.27g/cm
3
となるように培土収容部に充填した育苗容器を用いて山林苗を育成し、白根の根鉢付き山林苗を得ることを含む、山林苗の生産方法。
続きを表示(約 540 文字)
【請求項2】
培土容量の、培土収容部の容量に対する比が、0.8~1.2である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
山林苗は、育成開始時に1年生の山林苗である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
育成期間は、4カ月以上である、請求項1又は2に記載の生産方法。
【請求項5】
育成期間は、20カ月以下である、請求項1又は2に記載の生産方法。
【請求項6】
育苗容器は、容器底部に培土収容部と連通する開口部を有する容器であり、培土収容部への培土の充填量が、培土を充填した状態で、培土収容部に対し20容量%の水を添加したときの水抜け時間が2分以下となる量である、請求項1又は2に記載の生産方法。
【請求項7】
育苗容器は、収容部の容量が100~400ccである、請求項1又は2に記載の生産方法。
【請求項8】
山林苗は、スギ属植物、ヒノキ属植物、マツ属植物、カラマツ属植物又はモミ属植物の苗である、請求項1又は2に記載の生産方法。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の苗の生産方法により山林苗を生産し、得られた実生苗を植林地へ植え付けする、植林地の生産方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、山林苗の生産方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
スギ、ヒノキ等の山林苗は、露地で栽培する裸苗とコンテナ(育苗容器)を利用したコンテナ苗の2種類がある。非特許文献1には、コンテナ苗は、コンテナ内にリブを設けることにより、根系を下方に伸長させることができ、また、底面開放により、空中根切り、根巻きの抑制が可能であり、植栽後の活着、成長が向上することが記載されている。また、非特許文献2には、コンテナ苗は通年植栽が可能であり、皆伐後の再造林コスト削減に貢献できることが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
埼玉県寄居林業事務所森林研究室「コンテナ苗生産マニュアル」令和2年3月 https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/40332/containernaeseisanmanual.pdf
袴田哲司ほか(2016)「林地に植栽したスギコンテナ苗の2年間の生存率と成長」中森研 No.64 p.5~8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、非特許文献2には、コンテナ苗と裸苗とで初期成長を比較すると、コンテナの種類や植栽場所によっては裸苗のほうがコンテナ苗を上回ることもあり、実際、植栽後の裸苗及びコンテナ苗の根本径と樹高を調査したところ、根本径の生長量には差がなかったのに対し、樹高は裸苗の方が植栽6か月後から優位に上回り、以降その差が広がったことが記載されている。
【0005】
本発明は、上記従来の問題にかんがみ、育苗容器を用いた山林苗の生産において、白根の健全な根鉢を有し、植栽後の初期成長の良好な山林苗を効率よく生産できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の〔1〕~〔9〕を提供する。
〔1〕培土を嵩密度が0.15g/cm
3
~0.27g/cm
3
となるように培土収容部に充填した育苗容器を用いて山林苗を育成し、白根の根鉢付き山林苗を得ることを含む、山林苗の生産方法。
〔2〕培土容量の、培土収容部の容量に対する比が、0.8~1.2である、〔1〕に記載の方法。
〔3〕山林苗は、育成開始時に1年生の山林苗である、〔1〕に記載の方法。
〔4〕育成期間は、4カ月以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の生産方法。
〔5〕育成期間は、20カ月以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の生産方法。
〔6〕育苗容器は、容器底部に培土収容部と連通する開口部を有する容器であり、培土収容部への培土の充填量が、培土を充填した状態で、培土収容部に対し20容量%の水を添加したときの水抜け時間が2分以下となる量である、〔1〕又は〔2〕に記載の生産方法。
〔7〕育苗容器は、収容部の容量が100~400ccである、〔1〕又は〔2〕に記載の生産方法。
〔8〕山林苗は、スギ属植物、ヒノキ属植物、マツ属植物、カラマツ属植物又はモミ属植物の苗である、〔1〕又は〔2〕に記載の生産方法。
〔9〕〔1〕又は〔2〕に記載の苗の生産方法により山林苗を生産し、得られた実生苗を植林地へ植え付けする、植林地の生産方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、白根の健全な根鉢を有し、植栽後の初期成長の良好な山林苗を効率よく生産できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔1.山林苗の生産方法〕
山林苗の生産方法は、培土を充填した育苗容器を用いて山林苗を生育し、根鉢付き山林苗を得ることを含む。
【0009】
〔1.1 山林苗〕
山林苗は、木本植物の苗であればよい。木本植物としては例えば、スギ属(Cryptomeria)植物(スギ(Cryptomeria japonica)など)、ヒノキ属(Chamaecyparis)植物(ヒノキ(Chamaecyparis obtusa)など)、マツ科(Pinaceae)植物(マツ属(Pinus)植物(クロマツ(Pinus thunbergii)など)、カラマツ属(Larix)植物(カラマツ(Larix kaempferi)、グイマツ(Larix gmelinii)など)、モミ属(Abies)植物(トドマツ(Abies sachalinensis)など)など)、ユーカリ属(Eucalyptus)植物、サクラ属(Prunus)植物(サクラ(Prunus spp.)、ウメ(Prunus mume)、ユスラウメ(Prunus tomentosa)など)、マンゴー属(Mangifera)植物(マンゴー(Mangifera indica)など)、アカシア属(Acacia)植物、ヤマモモ属(Myrica)植物、クヌギ属(Quercus)植物(クヌギなど(Quercus acutissima))、ブドウ(Vitis)属植物、リンゴ(Malus)属植物、バラ属(Rosa)植物、ツバキ属(Camellia)植物(チャ(Camellia sinensis)など)、ジャカランダ属(Jacaranda)植物(ジャカランダ(Jacaranda mimosifolia)など)、ワニナシ属(Persea)植物(アボカド(Persea americana)など)、ナシ属(Pyrus)植物(ナシ(Pyrus serotina Rehder、Pyrus pyrifolia)など)、ビャクダン属(Santalum)植物(ビャクダン(サンダルウッド;Santalum album)など)が例示される。このうち、スギ、ヒノキ、マツ(クロマツ、カラマツ、グイマツ、トドマツなど)、ユーカリ、サクラ、マンゴー、アボカド、アカシア、ヤマモモ、クヌギ、ブドウ、リンゴ、バラ、ツバキ、チャ、ウメ、ユスラウメ、ジャカランタが挙げられ、中でもスギ属植物、ヒノキ属植物、マツ科植物(マツ属植物、カラマツ属植物、モミ属植物など)、ユーカリ属植物、ツバキ属植物、マンゴー属植物、ワニナシ属植物が好ましく、山林苗、すなわち、スギ属植物、ヒノキ属植物、マツ属植物、カラマツ属植物、モミ属植物、ユーカリ属植物がより好ましく、スギ属植物、ヒノキ属植物、マツ属植物、カラマツ属植物、モミ属植物がさらに好ましく、スギ属植物、ヒノキ属植物がさらにより好ましい。
【0010】
山林苗の樹齢は特に限定されないが、育苗開始時に1年生(発芽、挿し木から1年以内)であることが好ましい。これにより、根鉢が白根の苗を短期間で得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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