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公開番号2025064441
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2023174215
出願日2023-10-06
発明の名称防虫間仕切りシート
出願人平岡織染株式会社
代理人
主分類A01N 53/08 20060101AFI20250410BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】透視性(シートの向こう側の視認性)に優れ、防虫効果を有する間仕切りシートで、従来配合よりも防虫効果が安定持続する間仕切りシートの提供。
【解決手段】格子状ネットの表面及び裏面に軟質塩化ビニル樹脂被覆層が設けられてなる透視性、かつ可撓性の積層体による間仕切りシートであって、軟質塩化ビニル樹脂被覆層が、ピレスロイド化合物を軟質塩化ビニル樹脂被覆層の質量に対して1~5質量%含有し、ピレスロイド化合物が2種併用で、両者の分子量差が40~160、かつ分子量の小さい側のピレスロイド化合物と、分子量の大きい側のピレスロイド化合物の質量比が1:3~3:1で、さらに軟質塩化ビニル樹脂被覆層がセルロースナノファイバーを軟質塩化ビニル樹脂被覆層の質量に対して0.2~2質量%含有するものとする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
格子状ネットの表面及び裏面に軟質塩化ビニル樹脂被覆層が設けられてなる透視性、かつ可撓性の積層体による間仕切りシートであって、前記軟質塩化ビニル樹脂被覆層が、ピレスロイド化合物を前記軟質塩化ビニル樹脂被覆層の質量に対して1~5質量%含有し、前記ピレスロイド化合物が2種併用で、両者の分子量差が40~160、かつ分子量の小さい側のピレスロイド化合物と、分子量の大きい側のピレスロイド化合物の質量比が1:3~3:1であることを特徴とする防虫間仕切りシート。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記ピレスロイド化合物が、エンペントリン、フラメトリン、プラレトリン、アレスリン、イミプロトリン、ピレトリン、フタルスリン、レスメトリン、フェノトリン、メトフルトリン、シネリンII、トランスフルトリン、ジャスモリンII、シフェノトリン、ペラトリン、エトフェンプロックス、モンフルオロトリン、ペルメトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、ビフェントリン、及びシフルトリンである請求項1に記載の防虫間仕切りシート。
【請求項3】
前記軟質塩化ビニル樹脂被覆層が、セルロースナノファイバーを前記軟質塩化ビニル樹脂被覆層の質量に対して0.2~2質量%含有している請求項1または2に記載の防虫間仕切りシート。
【請求項4】
前記セルロースナノファイバーが、前記ピレスロイド化合物を担持している請求項1~3の何れか1項に記載の防虫間仕切りシート。
【請求項5】
前記セルロースナノファイバーが、前記ピレスロイド化合物(分子量の小さい側のピレスロイド化合物)を担持している請求項4に記載の防虫間仕切りシート。
【請求項6】
前記軟質塩化ビニル樹脂被覆層が、ベンゾトリアゾール系互変異性体、トリアジン系互変異性体、及びジフェニルケトン系系互変異性体、から選ばれた1種以上のケト/エノール型互変異性体を含有し、その含有率が前記軟質塩化ビニル樹脂被覆層の質量に対して0.2~2質量%である請求項1~5の何れか1項に記載の防虫間仕切りシート。
【請求項7】
前記軟質塩化ビニル樹脂被覆層が着色剤を含み、黄色~赤褐色、かつ透視性である請求項1~6の何れか1項に記載の防虫間仕切りシート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、工場出入り口、工場内、倉庫、オフィス、会議室、医療施設、役所、イベント会場、アミューズメント施設、キャンプ場、プール、オープンテラス(飲食施設)、園芸施設、果樹園、避難所、簡易雨除け、屋台、などに用いるフレキシブル、かつ透視性(視認性)の間仕切りシートで、特に防虫効果を有する間仕切りシートに関する。より詳しくは、防虫効果に優れ、その持続効果が延長された間仕切りシートに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
フレキシブル間仕切りシートには、ポリエステル格子状ネットを基材とし、その両面に透明な軟質塩化ビニル樹脂フィルムを熱ラミネートした厚さ0.25mm~0.50mm(格子内フィルム部)の積層体の他、基材を含まない厚さ0.50mm~2.0mmのカーテンシートがある。これらの間仕切りシートは、工場出入り口、工場内、倉庫、オフィス、会議室、クリーンブース、医療施設、役所、イベント会場、アミューズメント施設、キャンプ場、プール、オープンテラス(飲食施設)、園芸施設、果樹園、避難所、家屋ベランダ、屋台、などに多岐多様に使用される。
【0003】
特に工場出入り口に設置されるシートシャッター、フレキシブルカーテンなどでは、ハエや蚊などの工場内侵入を阻止するために黄色~オレンジ色の着色がなされたものが普及しており、この着色は400~480nmの波長を吸収させて排除するための工夫である。さらに紫外線吸収剤との併用により380nm以下の波長を吸収させて排除することで、太陽光、照明灯などの光源に対する昆虫の感応度を鈍化させ、走光性害虫を寄せ付けない盲目効果を奏する間仕切り材(特許文献1,特許文献2)の発明が開示されているが、この盲目効果は非走光性昆虫に対して有効ではなかった。一方であらゆる虫に対する防虫(忌避)商品として、殺虫効果、麻痺(ノックダウン)効果のあるピレスロイド系防虫剤を用いた商品(タンス用防虫シート、殺虫エアゾールなど)が市販されている。このピレスロイド系防虫剤を樹脂に練り込んで使用したものは、経時的にピレスロイド系防虫薬剤が製品表面にブリードする問題があった。本出願人は、飛翔性害虫の防除効果(忌避)が長期間安定持続する空間仕切りシートなどの産業資材シートの提供を課題として、ピレスロイド系化合物を担持するシクロデキストリン-シリカ複合粒子の使用を提案(特許文献3)したが、この複合担持体では間仕切りシートの透視性(向こう側の視認性)を損なう欠点を有していた。
【0004】
また、より配合量の少ないピレスロイド系防虫薬剤による害虫忌避性間仕切り用シートとして、特許文献1,特許文献2の間仕切り材にピレスロイド系防虫剤を併用した発明(特許文献4)の提案がなされ、塩化ビニル系樹脂の平均重合度を変化させることで防虫成分のリリースコントロールが可能になり、平均重合度が高いほど防虫成分が滞留する時間が長くなり防虫成分の徐放性に優れることが記載されているが、その効果の程、及び使用する可塑剤の種類、量との関係が明らかにされていない。以上のように防虫性能を有する間仕切りシートには、透視性(シートの向こう側の視認性)を損なわずに、防虫成分の徐放効果がより長持ちするものが望まれているが、まだそのような性能バランスの間仕切りシートは存在していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭62-278931号公報
特開2002-114606号公報
特開2014-223043号公報
特開2020-109070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、透視性(シートの向こう側の視認性)に優れ、防虫効果を有する間仕切りシートで、従来配合よりも防虫効果が安定持続する間仕切りシートの提供を課題とする。この課題解決によれば、防虫効果が長持ちすることで、工場出入り口、工場内、倉庫、オフィス、会議室、医療施設、役所、イベント会場、アミューズメント施設、キャンプ場、プール、オープンテラス(飲食施設)、園芸施設、果樹園、避難所、簡易雨除け、屋台、などに広い活用が可能となるのみならず、商品のライフサイクを長くすることで、間仕切りシートの製造に要する資源の浪費が抑えられ、温室効果ガス排出量の削減に通じる一助となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はかかる点を考慮し検討を重ねた結果、格子状ネットの表面及び裏面に軟質塩化ビニル樹脂被覆層が設けられてなる透視性、かつ可撓性の積層体による間仕切りシートであって、前記軟質塩化ビニル樹脂被覆層が、ピレスロイド化合物を前記軟質塩化ビニル樹脂被覆層の質量に対して1~5質量%含有し、前記ピレスロイド化合物が2種併用で、両者の分子量差が40~160、かつ分子量の小さい側のピレスロイド化合物と、分子量の大きい側のピレスロイド化合物の質量比が1:3~3:1であることによって、得られる防虫間仕切りシートが、透視性(シートの向こう側の視認性)に優れ、防虫効果が従来配合よりも安定持続すること、特に分子量の差を40~160とし、さらにその併用比を規定することによって虫の種類に応じた防虫効果(殺虫、または忌避、またはノックダウン)に、速効性(効き目が早い)~残効性(効き目の持続性)の時間差効果が得られることを見出して本発明を完成させるに至った。
【0008】
本発明の防虫間仕切りシートは、前記ピレスロイド化合物が、エンペントリン、フラメトリン、プラレトリン、アレスリン、イミプロトリン、ピレトリン、フタルスリン、レスメトリン、フェノトリン、メトフルトリン、シネリンII、トランスフルトリン、ジャスモリンII、シフェノトリン、ペラトリン、エトフェンプロックス、モンフルオロトリン、ペルメトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、ビフェントリン、及びシフルトリン、であることが好ましい。このようなピレスロイド化合物の2種類(両者の分子量差40~160)を間仕切りシートに配合(軟質塩化ビニル樹脂被覆層の質量に対して1~5質量%配合)することにより、防虫効果(殺虫、または忌避、またはノックダウン)を得る。
【0009】
本発明の防虫間仕切りシートは、前記軟質塩化ビニル樹脂被覆層が、セルロースナノファイバーを前記軟質塩化ビニル樹脂被覆層の質量に対して0.2~2質量%含有していることが好ましい。セルロースナノファイバーとピレスロイド化合物(液体)との共存によって軟質塩化ビニル樹脂被覆層から放散されるピレスロイド化合物の揮発遅延効果を得ることができる。
【0010】
本発明の防虫間仕切りシートは、前記セルロースナノファイバーが、前記ピレスロイド化合物を担持していることが好ましい。セルロースナノファイバーにピレスロイド化合物(液体)を吸尽させる(染み込ませる)ことによってセルロースナノファイバーの透明化を図る(ウエット状態として乱反射を抑え屈折率を変化させる)と同時に軟質塩化ビニル樹脂被覆層から放散されるピレスロイド化合物の揮発遅延効果を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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