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公開番号2025085861
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-06
出願番号2023199533
出願日2023-11-27
発明の名称空調システム
出願人株式会社西部技研
代理人
主分類A01G 9/24 20060101AFI20250530BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】昼夜を問わずハウス内を適した温湿度に維持できる、省エネルギーで低コストである空調システムを提供する。
【解決手段】全熱交換器を用いてハウス内の温度と湿度を調整する。全熱交換冷房モードでは、ハウス内の空気を外気と全熱交換して温湿度を下げ、必要に応じてクーリングタワーによる冷却によってハウス内の温度を効果的に下げる。除湿暖房モードでは、ハウス内の空気を除湿して湿度を下げ、除湿により生じた吸着熱によってハウス内を加温する。この2つの運転モードの切り替えによって昼夜を通じてハウス内の環境を植物の生育に最適な温度と湿度に調整できるようにした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
全熱交換器を備え、前記全熱交換器は全熱交換冷房モードと除湿暖房モードの2つの運転モードを有し、
前記全熱交換冷房モードでは、室内空間の空気を外気と全熱交換して温湿度を下げ、再び前記室内空間に戻し、
前記除湿暖房モードでは、前記室内空間の空気を除湿して湿度を下げ、除湿により生じた吸着熱によって温度が上昇した空気を再び前記室内空間に戻し、
前記運転モードの切り替えによって前記室内空間の温湿度を調整するようにしたことを特徴とする空調システム。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記全熱交換冷房モードでは、前記全熱交換器を通過した空気を、第1の熱交換器によってさらに冷却し、再び前記室内空間に戻すようにしたことを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
【請求項3】
前記第1の熱交換器はクーリングタワーを用いるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の空調システム。
【請求項4】
前記全熱交換器には全熱交換ロータを用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項5】
前記全熱交換ロータを、前記全熱交換冷房モードでは高速回転し、前記除湿暖房モードでは低速回転し、回転数の調整により前記運転モードを切り替えることを特徴とする請求項4に記載の空調システム。
【請求項6】
前記全熱交換ロータは少なくとも処理ゾーンと再生ゾーンを有し、前記室内空間の空気は前記処理ゾーンを通過して再び前記室内空間に供給され、前記外気は前記再生ゾーンを通過して排気されることを特徴とする請求項4に記載の空調システム。
【請求項7】
前記再生ゾーンの前に第2の熱交換器を設け、前記第2の熱交換器によって前記外気が加熱されて前記再生ゾーンに送られるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の空調システム。
【請求項8】
前記全熱交換ロータにおいて、再生入口の相対湿度は処理入口の相対湿度より低いことを特徴とする請求項6に記載の空調システム。
【請求項9】
前記全熱交換ロータにおいて、再生入口の温度は処理入口の温度より低いことを特徴とする請求項6に記載の空調システム。
【請求項10】
前記室内空間はハウスであることを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、昼夜を問わずハウス内の温湿度を植物の生育に適した温湿度に維持できる、省エネルギーで低コストである空調システムに関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
本明細書において「昼間」とは日の出から日没までの間をいい、「夜間」とは日没から翌朝の日の出までの間をいう。
【0003】
トマトやイチゴなどの農業用ハウス(以下、植物工場や園芸施設なども含めて「ハウス」という。)において、昼間は日射によってハウス内の温度が摂氏30℃(以下、温度は全て「摂氏」とする。)を超えることが多い。外気温が一桁台となる冬期であっても、昼間はハウス内の温度が30℃を超えることがある。このため春期から秋期にかけて、あるいは冬期においても、ハウス内の温度を下げるために、昼間はハウスの出入口や天窓、側面などの自然換気設備を開放し、外気を取り込んで換気する。また、換気扇などの強制換気設備を設置して、外気をハウス内に吹き込む。通常、このように換気してハウス内の温度や湿度を下げ、または二酸化炭素を取り込み、植物に最適な栽培環境にしている。しかし、ハウスの開放によって、ハウス内の空気環境が変化するため、植物にとってはストレスを与える状況になる。また、外部から病害虫が入り込むリスクが非常に高まる。
【0004】
ハウス栽培では二酸化炭素濃度を大気より高く維持することで光合成を促進させ、収穫量を向上させることが行われる。これには、二酸化炭素ボンベや灯油などの燃焼器といった二酸化炭素供給装置からの二酸化炭素施用が行なわれている。しかし、ハウスの開放によって供給した二酸化炭素が外気と混合して薄まり、二酸化炭素濃度が上がらない、すなわち供給した二酸化炭素の多くを大気放出しているという問題がある。
【0005】
そこで、ハウスを開放せずに閉鎖系とする、すなわち、完全に閉鎖されたハウス(以下、「クローズドハウス」という。)、または半閉鎖されたハウス(セミクローズドハウス)にすることで、光、温度、湿度及び二酸化炭素といった内部環境を制御して植物の生産が行なわれている。通常、エアコンや除湿機を用いて、ハウス内の温湿度などの環境制御が行なわれる。また、ハウス内の空気と熱交換した外気をハウス内に供給する方式も用いられる。さらに、積極的に温度や湿度を下げたい場合はヒートポンプなどで冷却を行う。しかし、日射でハウス内の温度は容易に30℃以上になり、ヒートポンプなどでの冷却はエネルギーが非常に掛かってしまう。また、湿度も潅水や植物からの蒸散で大量の除湿が必要となるため、消費電力が大きくなるという問題もある。
【0006】
一方、日が暮れると熱が逃げ、徐々にハウス内の温度が低下していく。夜間はハウスを閉め切り、換気扇などを停止することで、ハウス内の温度低下を抑制する。しかし、何らかの熱エネルギーが加わらなければ、いずれ外気温とほぼ同じになる。その上、ハウスは外気と遮断されているので、放射冷却が緩和されず、気象によっては外気温よりハウス内の温度が低くなってしまうことがある。昼間と夜間の温度差で寒暖差が大きくなると、かえって植物にストレスとなり生育に影響が出る場合がある。また、夜間の温度が低くなりすぎると、特に冬期は低温障害、凍害や霜害による被害が生じることになる。そこで、夜間は加温や保温によりハウス内の温度低下を防ぎ、温度を維持する必要がある。ハウスの加温には燃油暖房機やヒートポンプエアコンを設置する。また、ハウス内に内張りカーテンを展張することで保温効果を高める。さらに、温度ムラの改善のため送風ダクトを設置したり、循環扇を併用する。
【0007】
しかし、ボイラーや燃焼器といった燃油暖房機は昨今の燃料価格の高騰により高コストとなり、特に冬期の暖房費が嵩む。また、定期的なメンテナンスが必要であり、不完全燃焼により燃焼効率が悪くなるとともに、一酸化炭素中毒が起きる可能性もある。ヒートポンプは消費電力の数倍の熱を暖房に利用できる特徴があるが、導入コストが高く大規模ハウスには不向きである。内張りカーテンの多層化などにより高い保温性を確保できるが、隙間から冷気が侵入したり、多層被覆により昼間は光の透過性の低下による日照不足や、高温多湿状態になることもある。送風ダクトの設置は手間もコストもかかる。
【0008】
ハウス内の温度に最も影響を与えるのは外気温の変化である。特に春期や秋期は1日の間でも大きく気温が変化する。また、冬期にはハウス内の温度が外気温より低くなることもある。植物の種類によって、育成適温は昼間の生育適温や夜間の最低限界温度にもバラつきがある。しかしながら、昼夜のハウス内の温度を安定させるためにはコストがかかることが課題であった。このため、省エネルギーのための設備や技術の導入が切望されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本出願人は、先行出願(特願2023-063461号)において、ハウスに二酸化炭素供給装置を設け、その二酸化炭素供給装置によってハウス内の空気を循環させ、そのハウス内の空気を全熱交換器により外気と全熱交換して再びハウス内に供給することにより、ハウスを開放せずに、ハウス内の環境を植物に最適な温度と湿度に調整できる空調システムを提案した。この空調システムは、二酸化炭素濃度の調整に、DAC(Direct Air Capture、直接空気回収)技術により大気中から回収した二酸化炭素を利用することができ、カーボンニュートラルに貢献するものである。
【0010】
この空調システムでは、昼間のハウス内の温度を下げるために、全熱交換器によってハウス内の温湿度を外気に近づけることができる。これにより、ハウス内の温度は30℃程度に維持が可能となるが、イチゴなどの冬の作物は、ハウス内を20℃程度まで下げると糖度が増し、商品価値が上昇する。昼間のハウス内の温度をより低下させるためには、全熱交換器の台数を増加して処理風量を増やすと効果的であるが、イニシャルコストが高くなる。また栽培環境においても、全熱交換器からの多量の供給空気による過剰な気流によって、植物がストレスを受ける可能性も出てくるので、過剰な全熱交換器の設置は控えたほうが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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