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公開番号2025089731
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-16
出願番号2023204538
出願日2023-12-04
発明の名称帯電防止性ターポリン、及びその製造方法
出願人平岡織染株式会社
代理人
主分類D06N 7/00 20060101AFI20250609BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】帯電防止性に優れ、さらには防爆性を有するフレキシブルコンテナバッグ用ターポリンと、その製造方法の提供。
【解決手段】「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面、または「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂中間層/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面を構成するターポリンであって、エチレン系共重合体樹脂裏面導電層に複合導電体を含み、この複合導電体が、導電性粉体、及び導電性液体化合物からなり、この導電性液体化合物の一部または全部が導電性粉体に吸着担持されたもので、導電性粉体を、アセチレンブラック単体、またはアセチレンブラックとオイルファーネス系カーボンブラックの併用とし、導電性液体化合物をカチオン及びアニオンのイオン対とする帯電防止性ターポリン。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面を構成するターポリン、または「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂中間層/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面を構成するターポリンであって、前記エチレン系共重合体樹脂裏面導電層に複合導電体を含み、この複合導電体が、導電性粉体、及び導電性液体化合物からなり、この導電性液体化合物の一部または全部が前記導電性粉体に吸着担持されたもので、前記導電性粉体が、アセチレンブラック単体、またはアセチレンブラックとオイルファーネス系カーボンブラックの併用であり、前記導電性液体化合物が、カチオン及びアニオンのイオン対であることを特徴とする帯電防止性ターポリン。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記カチオンが、イミダゾリウム系、イミダゾリニウム系、ピリジニウム系、ピラゾリウム系、ピロリジニウム系、ピペリジニウム系、四級アンモニウム系、ホスホニウム系、スルホニウム系、から選ばれた1種、かつ前記アニオンが化学式、BF

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、PF

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、TaF

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、NbF

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、SiF

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、AlF

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、AlCl

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、NO

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、NO

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、F
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、Cl
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、Br
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、I
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、CN
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、AsF

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、NbF

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、TaF

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、CF

SO

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、CF

SO

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、(CF

SO




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、p-CH

PhSO

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、CH

CO

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、HSO

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、HSO

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、CH

SO

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、CH

SO

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、CF

SO

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、(CF

【請求項3】
前記エチレン系共重合体樹脂表面層、エチレン系共重合体樹脂中間層、及びエチレン系共重合体樹脂裏面導電層が、エチレン系共重合体樹脂を主体に構成され、このエチレン系共重合体樹脂が、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体樹脂、エチレン-アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン-メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体樹脂、から選ばれた1種以上で、エチレン単位の含有量が65~85質量%である請求項1または2に記載の帯電防止性ターポリン。
【請求項4】
前記目開織物の一部に、導電性繊維糸条を含む請求項1~3の何れか1項に記載の帯電防止性ターポリン。
【請求項5】
「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面を構成するターポリン、または「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂中間層/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面を構成するターポリンの製造方法であって、
前記エチレン系共重合体樹脂裏面導電層が、導電性粉体、及び導電性液体化合物からなる複合導電体を含み、エチレン系共重合体樹脂裏面導電層の製造時、または製造の準備段階に、前記導電性液体化合物の一部または全部を前記導電性粉体に吸着担持させて前記複合導電体に加工する工程、
この複合導電体を含むエチレン系共重合体樹脂層フィルムを成型し、前記目開織物、または前記エチレン系共重合体樹脂中間層に積層する工程を含み、
前記導電性粉体が、アセチレンブラック単体、またはアセチレンブラックとオイルファーネス系カーボンブラックの併用であり、前記導電性液体化合物が、カチオン及びアニオンのイオン対であることを特徴とする帯電防止性ターポリンの製造方法。
【請求項6】
前記カチオンが、イミダゾリウム系、イミダゾリニウム系、ピリジニウム系、ピラゾリウム系、ピロリジニウム系、ピペリジニウム系、四級アンモニウム系、ホスホニウム系、スルホニウム系、から選ばれた1種、かつ前記アニオンが化学式、BF

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、PF

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、TaF

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、NbF

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、SiF

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、AlF

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、AlCl

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、NO

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、AsF

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、SbF

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、NbF

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、TaF

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、CF

SO

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、CF

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、(CF

SO




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、p-CH

PhSO

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、CH

CO

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、HSO

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、HSO

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、CH

SO

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、CH

SO

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、CF

SO

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、(CF

【請求項7】
前記目開織物の一部に、導電性繊維糸条を含む請求項5または6に記載の帯電防止性ターポリンの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルコンテナバッグの製造に用いるターポリン原反と、その製造方法に関し、特に帯電防止性、さらには防爆性を有するターポリンと、その製造方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
フレキシブルコンテナバッグは円筒型、四角柱型があり、天井部は充填口、底床部は排出口を有し、充填口と排出口の密閉/解放が自在な大型容器で、空のフレキシブルコンテナバッグは折り畳んで減容し、その取り扱いも容易である。このフレキシブルコンテナバッグは大別して、小麦粉、米、麦、大豆、小豆、胡麻、砂糖、塩などの食品原料の貯蔵、運搬用と、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂ペレット、塩化ビニル樹脂粒、炭酸カルシウム粉末、などの工業材料の貯蔵、運搬用がある。これらのフレキシブルコンテナバッグに用いるターポリン原反には、目開織物を芯材として、その両面にエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂層を積層した柔軟シートが使用されている。エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂製のフレキシブルコンテナバッグが使用される理由は、その軽量性(軟質塩化ビニル樹脂製より2~3割軽量)、化学的安定性(充填物の酸性、アルカリ性による変質を受け難い)、安全性(充填物を安定剤、可塑剤などで汚染しない)、高周波癒着性、印刷性が挙げられる。
【0003】
しかしながら、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂製のフレキシブルコンテナは、摩擦で静電気を帯び易すく、特にポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂ペレットや米の排出時(フレキシブルコンテナバッグ底部の開口による自由落下)には、樹脂ペレットとフレキシブルコンテナバッグ内壁との摩擦によって帯電し、とフレキシブルコンテナバッグ内壁に樹脂ペレットや米粒が静電付着して、その除去作業を要する手間があった。周囲の環境によっては、静電気火災の原因となり、さらに小麦粉、炭酸カルシウムなどの粉体排出時の粉煙が、粉塵爆発を誘発する危険があるため、帯電防止性能を付帯する防爆性フレキシブルコンテナバッグが必須となっている。これらは導電性カーボンブラックが配合されたポリオレフィン系樹脂層を含むフレキシブルコンテナ(特許文献1)、不飽和エステル単位を少なくとも10質量%含む樹脂分100質量部に対し、高分子型永久帯電防止剤を15~50質量部含む樹脂層からなるターポリン(特許文献2)などが知られている。しかしながら特許文献1の導電性カーボンブラックの使用では、高周波溶着時に通電スパーク(発火)を生じてターポリンに焦げた穴開きを生じる危険事故の可能性があり、特許文献2の高分子型永久帯電防止剤(熱可塑性樹脂)の15~50質量部の配合は、ポリオレフィン系樹脂の物性に悪影響し、高周波溶着性にも悪影響するものであった。従って十分な帯電防止性を有しながら安全な高周波溶着性を有し、さらに防爆性を有するフレキシブルコンテナバッグ(JIS C61340 4-4)を製造するための、帯電防止性に優れたターポリン原反はまだ存在していなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2001-191433号公報
特開2017-019145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、帯電防止性に優れ、さらには防爆性を有するフレキシブルコンテナバッグ用ターポリンと、その製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる点を考慮し検討を重ねた結果、エチレン系共重合体樹脂製のターポリンとして、その裏面層に導電性粉体、及び導電性液体化合物からなる複合導電体を含み、この導電性液体化合物の一部または全部が導電性粉体に吸着担持されたものとすることで、得られたターポリンが帯電防止性に優れ、さらには防爆性を有することを見出して本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち本発明の帯電防止性ターポリンは、「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面を構成するターポリン、または「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂中間層/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面を構成するターポリンであって、前記エチレン系共重合体樹脂裏面導電層に複合導電体を含み、この複合導電体が、導電性粉体、及び導電性液体化合物からなり、この導電性液体化合物の一部または全部が前記導電性粉体に吸着担持されたもので、前記導電性粉体が、アセチレンブラック単体、またはアセチレンブラックとオイルファーネス系カーボンブラックの併用であり、前記導電性液体化合物が、カチオン及びアニオンのイオン対であることが好ましい。導電性粉体に導電性液体化合物を吸着担持させることで、導電性粉体粒子間をより濃密に密着させた複合導電体とすることができ、「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面を構成するターポリンの場合、導電性粉体の含有量はエチレン系共重合体樹脂導電層を構成するエチレン系共重合体樹脂100質量部に対して2.5~10質量部の配合量、防爆レベルでは11~20質量部の配合量であり、「エチレン系共重合体樹脂表面層/目開織物/エチレン系共重合体樹脂中間層/エチレン系共重合体樹脂裏面導電層」の断面を構成するターポリンの場合、導電性粉体の含有量は導電層の厚さが半分近く薄くなることでエチレン系共重合体樹脂導電層を構成するエチレン系共重合体樹脂100質量部に対して5~20質量部の配合量、防爆レベルでは21~30質量部の配合量とする。導電性粉体(アセチレンブラック、オイルファーネス系カーボンブラック)の微細粒子によって、帯電防止性を発現し、スパーク発火を起しにくい安全な高周波溶着を可能とするターポリンを得ることができる。これらのターポリンを原反として、帯電防止性に優れたフレキシブルコンテナバッグ、さらには防爆性を有するフレキシブルコンテナバッグの提供を可能とする。
【0008】
本発明の帯電防止性ターポリンは、前記カチオンが、イミダゾリウム系、イミダゾリニウム系、ピリジニウム系、ピラゾリウム系、ピロリジニウム系、ピペリジニウム系、四級アンモニウム系、ホスホニウム系、スルホニウム系、から選ばれた1種、かつ前記アニオンが化学式、BF

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【0009】
本発明の帯電防止性ターポリンは、前記エチレン系共重合体樹脂表面層、エチレン系共重合体樹脂中間層、及びエチレン系共重合体樹脂裏面導電層が、エチレン系共重合体樹脂を主体に構成され、このエチレン系共重合体樹脂が、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体樹脂、エチレン-アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン-メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体樹脂、から選ばれた1種以上で、エチレン単位の含有量が65~85質量%であることが好ましい。極性成分を15~35質量%有することによって、高周波溶着を可能とする。
【0010】
本発明の帯電防止性ターポリンは、前記目開織物の一部に、導電性繊維糸条を含むことが好ましい。これによって帯電防止性、及び防爆性を向上させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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