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公開番号
2025088358
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-11
出願番号
2023203025
出願日
2023-11-30
発明の名称
作業車両
出願人
井関農機株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
A01D
67/00 20060101AFI20250604BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】従来、転輪を装着するトラックフレームを前後に長い四角筒形状のフレームにより構成しているので、各転輪に掛かる負荷を支受できず変形あるいは破損する問題がある。
【解決手段】作業車両において、走行クローラー10は、クローラベルト20と、転輪15と、走行フレーム11とにより構成し、転輪15は左右一対の接地輪16を備える転輪ユニット17に構成し、転輪ユニット17、クローラガイド25及びトラックフレーム27とで形成する走行クローラ10を有し、トラックフレーム27側には、転輪ユニット17及びクローラガイド25を固着する固定部材29を取り付けるための左右方向の取付穴30を形成し、固定部材29は、着脱する構成とし、張力調節ユニット26は、トラックフレーム27に対して前後方向の一直線上に配置する構成としたことを特徴とする作業車両。
【選択図】 図8
特許請求の範囲
【請求項1】
機体フレ-ム(1)の下方位置に走行装置(2)を設け、走行装置(2)の前方に作物を圃場から刈り取る刈取装置(4)を設け、刈取装置(4)が刈り取った作物を収容する回収装置(5)を備える作業車両において、前記走行装置(2)は左右一対の走行クローラー(10)を有して構成し、各走行クローラー(10)は、クローラベルト(20)と、クローラベルト(20)に接触する転輪(15)と、転輪(15)を装着する走行フレーム11とにより構成し、転輪(15)はクローラベルト(20)に接触する左右一対の接地輪(16)を備える転輪ユニット(17)に構成し、転輪ユニット(17)の接地輪(16)の左右間で且つ下方でクローラベルト(20)に接触するクローラガイド(25)を設け、クローラベルト(20)の張力を調節する張力調節ユニット(26)を設け、転輪ユニット(17)、クローラガイド(25)及び張力調節ユニット(26)を装着する走行フレーム(11)のトラックフレーム(27)とで形成する走行クローラ(10)を有し、トラックフレーム(27)側には、転輪ユニット(17)及びクローラガイド(25)を固着する固定部材(29)を取り付けるための左右方向の取付穴(30)を形成し、固定部材(29)は、機体左右方向に着脱する構成とし、張力調節ユニット(26)は、トラックフレーム(27)に対して前後方向の一直線上に配置される構成としたことを特徴とする作業車両。
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【請求項2】
機体フレ-ム(1)の後部に、走行クローラ(10)を支持する後側フットフレーム(31)を設け、機体外側下方に向かって配置し、機体フレ-ム(1)の前部に、走行クローラ(10)に駆動力を伝動するミッションケース(32)を設け、後側フットフレーム(31)は、トラックフレーム(27)と張力調節ユニット(26)の接合部付近で連結し、ミッションケース(32)から機体外側に突出する走行出力軸(33)に、走行クローラ(10)を駆動させる駆動回転体(12)を配置し、駆動回転体(12)、及び張力調節ユニット(26)の調圧回転体(13)は、機体外側から左右方向に固定部材(29)を着脱可能に配置したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
トラックフレーム(27)の左右両側に補強カバー(35)を各々配置し、補強カバー(35)は、トラックフレーム(27)の下端部よりも下方に突出する上下長さを有して構成し、補強カバー(35)に、クローラガイド(25)の取付穴部(36)を形成し、補強カバー(35)に、固定部材(29)を差し込む円筒形の取付チューブ(37)を左右方向に向けて配置し、取付チューブ(37)の上部に平坦面(38)を形成し、トラックフレーム(27)の下面に上下方向の補強プレート(39)を前後方向を長手として設け、補強プレート(39)の下端面を取付チューブ(37)の平坦面(38)に接触する強度プレート(74)を下方に突出させて複数設ける構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の作業車両。
【請求項4】
左右の補強カバー(35)は、上部に連結プレート(40)を設け、トラックフレーム(27)の左右及び上部を覆う、正背面視でU字形状のフレームカバー(41)として形成し、転輪ユニット(17)及びクローラガイド(25)は、フレームカバー(41)を通して固定部材(29)を差し込む構成としたことを特徴とする請求項3に記載の作業車両。
【請求項5】
クローラガイド(25)は、前側クローラガイド(25F)と後側クローラガイド(25R)に分割構成し、前後のクローラガイド(25)のいずれも、取付チューブ(37)の左右には、機体下側ほど左右幅が狭まるテーパ形状の、左右の補強リブ(43L)、(43R)を各々形成し、左右の補強リブ(43L)、(43R)は、取付チューブ(37)の下部から、クローラベルト(20)の内周に形成するクローラ芯金(44)の上端部に接触しない高さに亘って形成し、取付チューブ(37)の前後に凹形状の円弧を描く、前後の補強リブ(45F)、(45R)を各々形成し、後側クローラガイド(25R)の最も後部に位置する後側の補強リブ(45R)の円弧部(46)は、張力調節ユニット(26)の調圧回転体(13)の外周形状と同心状に配置したことを特徴とする請求項3に記載の作業車両。
【請求項6】
転輪ユニット(17)を構成する接地輪(16)は、接地輪(16)の回転軸(50)を内装する軸ホルダ(51)の左右両側に配置し、軸ホルダ(51)の上部で、且つ接地輪(16)の左右間には、左右の支柱部材(52)を前後中央部付近で連結し、上面視でH形状に形成されたる取付突起(53)を各々立設し、軸ホルダ(51)の機体前側または後側で、且つ取付突起(53)よりも下部側に、軸ホルダ(51)内の余分な空気を逃がすエア抜き弁(54)を配置し、機体外側の接地輪(16)と回転軸(50)との接続部に、軸ホルダ(51)内の回転軸(50)に潤滑剤を投入する注油口(55)を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の作業車両。
【請求項7】
刈取装置(4)は、機体前側に配置し、刈取装置(4)の後方で且つ機体左側寄りに、収穫物から不要部分を除去する選別装置(3)を設け、刈取装置(4)の後方で且つ機体右側寄りに、操縦部(6)と、動力装置(60)と、収穫物を貯留する回収装置(5)を配置し、機体左側後部に燃料タンク(61)を配置し、燃料タンク(61)の下部に配置するタンクカバー(62)を設け、タンクカバー(62)に、バランスウェイト(63)を着脱可能に設け、タンクカバー(62)は、走行クローラ(10)の後端部よりも後側に配置される構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の作業車両。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に係るものである。
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【背景技術】
【0002】
従来、コンバインに装着された走行クローラは、駆動輪と遊動輪の間に走行フレームの下部に複数の転輪を配置して構成しており、転輪はトラックフレームに転輪軸を介して装着される(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-157592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公知例の走行クローラは、転輪を装着するトラックフレームを前後に長い四角筒形状のフレームにより構成しているので、各転輪に掛かる負荷を支受できずに、変形あるいは破損する問題がある。
また、各転輪は走行クローラの機体外側から装着されており、着脱作業を機体外側の広いスペースで行えるが、トラックフレームに直接装着する都合上、ボルトの取付トルクを高くする必要があるので、着脱作業時に大きな力が必要となり、メンテナンス性が低下する問題がある。
本願は、転輪の取付構成を工夫し、走行フレームおよび転輪の支持剛性を向上させると共に、転輪を含めた走行装置の耐久性向上およびメンテナンス性向上ならびに組立性向上を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、機体フレ-ム1の下方位置に走行装置2を設け、走行装置2の前方に作物を圃場から刈り取る刈取装置4を設け、刈取装置4が刈り取った作物を収容する回収装置5を備える作業車両において、前記走行装置2は左右一対の走行クローラー10を有して構成し、各走行クローラー10は、クローラベルト20と、クローラベルト20に接触する転輪15と、転輪15を装着する走行フレーム11とにより構成し、転輪15はクローラベルト20に接触する左右一対の接地輪16を備える転輪ユニット17に構成し、転輪ユニット17の接地輪16の左右間で且つ下方でクローラベルト20に接触するクローラガイド25を設け、クローラベルト20の張力を調節する張力調節ユニット26を設け、転輪ユニット17、クローラガイド25及び張力調節ユニット26を装着する走行フレーム11のトラックフレーム27とで形成する走行クローラ10を有し、トラックフレーム27側には、転輪ユニット17及びクローラガイド25を固着する固定部材29を取り付けるための左右方向の取付穴30を形成し、固定部材29は、機体左右方向に着脱する構成とし、張力調節ユニット26は、トラックフレーム27に対して前後方向の一直線上に配置される構成としたことを特徴とする作業車両としたものである。
請求項2の発明は、機体フレーム1の後部に、走行クローラ10を支持する後側フットフレーム31を設け、機体外側下方に向かって配置し、機体フレーム1の前部に、走行クローラ10に駆動力を伝動するミッションケース32を設け、後側フットフレーム31は、トラックフレーム27と張力調節ユニット26の接合部付近で連結し、ミッションケース32から機体外側に突出する走行出力軸33に、走行クローラ10を駆動させる駆動回転体12を配置し、駆動回転体12、及び張力調節ユニット26の調圧回転体13は、機体外側から左右方向に固定部材29を着脱可能に配置したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両としたものである。
請求項3の発明は、トラックフレーム27の左右両側に補強カバー35を各々配置し、補強カバー35は、トラックフレーム27の下端部よりも下方に突出する上下長さを有して構成し、補強カバー35に、クローラガイド25の取付穴部36を形成し、補強カバー35に、固定部材29を差し込む円筒形の取付チューブ37を左右方向に向けて配置し、取付チューブ37の上部に平坦面38を形成し、トラックフレーム27の下面に上下方向の補強プレート39を前後方向を長手として設け、補強プレート39の下端面を取付チューブ37の平坦面38に接触する強度プレート74を下方に突出させて複数設ける構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の作業車両としたものである。
請求項4の発明は、左右の補強カバー35は、上部に連結プレート40を設け、トラックフレーム27の左右及び上部を覆う、正背面視でU字形状のフレームカバー41として形成し、転輪ユニット17及びクローラガイド25は、フレームカバー41を通して固定部材29を差し込む構成としたことを特徴とする請求項3に記載の作業車両としたものである。
請求項5の発明は、クローラガイド25は、前側クローラガイド25Fと後側クローラガイド25Rに分割構成し、前後のクローラガイド25のいずれも、取付チューブ37の左右には、機体下側ほど左右幅が狭まるテーパ形状の、左右の補強リブ43L、43Rを各々形成し、左右の補強リブ43L、43Rは、取付チューブ37の下部から、クローラベルト20の内周に形成するクローラ芯金44の上端部に接触しない高さに亘って形成し、取付チューブ37の前後に凹形状の円弧を描く、前後の補強リブ45F、45Rを各々形成し、後側クローラガイド25Rの最も後部に位置する後側の補強リブ45Rの円弧部46は、張力調節ユニット26の調圧回転体13の外周形状と同心状に配置したことを特徴とする請求項3に記載の作業車両としたものである。
請求項6の発明は、転輪ユニット17を構成する接地輪16は、接地輪16の回転軸50を内装する軸ホルダ51の左右両側に配置し、軸ホルダ51の上部で、且つ接地輪16の左右間には、左右の支柱部材52を前後中央部付近で連結し、上面視でH形状に形成されたる取付突起53を各々立設し、軸ホルダ51の機体前側または後側で、且つ取付突起53よりも下部側に、軸ホルダ51内の余分な空気を逃がすエア抜き弁54を配置し、機体外側の接地輪16と回転軸50との接続部に、軸ホルダ51内の回転軸50に潤滑剤を投入する注油口55を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の作業車両としたものである。
請求項7の発明は、刈取装置4は、機体前側に配置し、刈取装置4の後方で且つ機体左側寄りに、収穫物から不要部分を除去する選別装置3を設け、刈取装置4の後方で且つ機体右側寄りに、操縦部6と、動力装置60と、収穫物を貯留する回収装置5を配置し、機体左側後部に燃料タンク61を配置し、燃料タンク61の下部に配置するタンクカバー62を設け、タンクカバー62に、バランスウェイト63を着脱可能に設け、タンクカバー62は、走行クローラ10の後端部よりも後側に配置される構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の作業車両としたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、転輪15はクローラベルト20に接触する左右一対の接地輪16を備える転輪ユニット17に構成し、転輪ユニット17の接地輪16の左右間で且つ下方でクローラベルト20に接触するクローラガイド25を設け、クローラベルト20の張力(テンション)を調節する張力調節ユニット26(アイドルローラユニット)を設け、転輪ユニット17、クローラガイド25及び張力調節ユニット26を装着するトラックフレーム27とで形成する走行クローラ10を有し、トラックフレーム27には、転輪ユニット17及びクローラガイド25を固着する固定部材29を取り付けるための左右方向の取付穴30を形成し、固定部材29は、機体左右方向に着脱する構成とし、張力調節ユニット26は、トラックフレーム27に対して前後方向の一直線上に配置される構成としているので、転輪ユニット17やクローラガイド25を固着する固定部材29を、走行クローラ10の側方から着脱できることにより、機体外側の空間部(任意スペース)で着脱作業を行え、工具の動作が妨げられにくく、メンテナンス作業の効率が向上する。
また、トラックフレーム27と転輪ユニット17、及びクローラガイド25の取付穴30を各々合わせ、固定部材29を差し込んで仮留めできるので、取り外した部品が落下して破損することが防止されると共に、取り付けようとする部品の位置がずれて着脱作業に余分な時間がかかることが防止される。
また、張力調節ユニット26がトラックフレーム27の直線上に位置することにより、走行クローラ10の左右幅の中央部付近でクローラベルト20に調圧回転体13が接するので、クローラベルト20に偏った張力がかかることが防止され、クローラベルト20が脱落して破損したり、作業が中断されることが防止される。
請求項2の発明では、機体フレーム1の後部に、走行クローラ10を支持する後側フットフレーム31を設け、機体外側下方に向かって配置し、機体フレーム1の前部に、走行クローラ10に駆動力を伝動するミッションケース32を設け、後側フットフレーム31は、トラックフレーム27と張力調節ユニット26の接合部付近で連結し、ミッションケース32から機体外側に突出する走行出力軸33に、走行クローラ10を駆動させる駆動回転体(駆動スプロケット)駆動回転体12を配置し、駆動回転体12、及び張力調節ユニット26の調圧回転体(アイドルローラ)は、機体外側から左右方向に固定部材29を着脱可能に配置しているので、後側フットフレーム31を、トラックフレーム27と張力調節ユニット26の接合部付近に連結することにより、走行クローラ10の強度向上が図られる。
駆動回転体12と調圧回転体13を取り付ける固定部材29を、機体外側から着脱できることにより、着脱作業を容易に行えるので、メンテナンス作業の能率が向上する。
請求項3の発明では、トラックフレーム27の左右両側に補強カバー35を各々配置し、補強カバー35は、トラックフレーム27の下端部よりも下方に突出する上下長さを有して構成し、補強カバー35に、クローラガイド25の取付穴部36を形成し、補強カバー35に、固定部材29を差し込む円筒形の取付チューブ37を左右方向に向けて配置し、取付チューブ37の上部に平坦面38を形成し、トラックフレーム27の下面に上下方向の補強プレート39を前後方向を長手として設け、補強プレート39の下端面を取付チューブ37の平坦面38に接触する強度プレート(Uブレード)74を下方に突出させて複数設ける構成としているので、補強カバー35でトラックフレーム27の左右両側を覆うことにより、土砂や夾雑物が転輪ユニット17等に接触しにくくなり、除去作業が容易になると共に、クローラベルト20の脱落等の破損の発生が防止される。
トラックフレーム27の下面に設ける補強プレート39から下方に突出する強度プレート74を、クローラガイド25の取付チューブ37上面に形成した平坦面38に接触させることにより、荷重に対する強度が向上する。
また、長方形である強度プレート74の下端面と、同じく長方形である平坦面38を面接触させることにより、接触面積を大きくして掛かる圧力を低減し、荷重による負荷を低減することができる。
請求項4の発明では、左右の補強カバー35は、上部に連結プレート40を設け、トラックフレーム27の左右及び上部を覆う、正背面視でU字形状のフレームカバー41として形成し、転輪ユニット17及びクローラガイド25は、フレームカバー41を通して固定部材29を差し込む構成としているので、U字形状のフレームカバー41でトラックフレーム27を覆い、転輪ユニット17やクローラガイド25を取り付ける固定部材29を、トラックフレーム27を通して取り付けることにより、取付強度の向上が図られる。
請求項5の発明では、クローラガイド25は、前側クローラガイド25Fと後側クローラガイド25Rに分割構成し、前後のクローラガイド25のいずれも、取付チューブ37の左右には、機体下側ほど左右幅が狭まるテーパ形状の、左右の補強リブ43L、43Rを各々形成し、左右の補強リブ43L、43Rは、取付チューブ37の下部から、クローラベルト20の内周に形成するクローラ芯金44の上端部に接触しない高さ(取付チューブ37の上下長さの約半分)に亘って形成し、取付チューブ37の前後に側面視で凹形状の円弧を描く、前後の補強リブ45F、45Rを各々形成し、後側クローラガイド25Rの最も後部に位置する後側の補強リブ45Rの円弧部46は、張力調節ユニット26の調圧回転体13の外周形状と同心状に配置しているので、取付チューブ37の前後及び左右に補強リブ43L、43Rを形成したことにより、クローラガイド25にかかる荷重に対する強度を向上させることができるので、クローラガイド25や、クローラ構成部品の破損が防止される。
左右の補強リブ43L、43Rの下端部が、クローラベルト20の芯金に干渉しない高さに位置することにより、強度を確保しつつクローラベルト20の周回が乱されることがなく、走行の安定化やクローラベルト20の脱落が防止される。
前後の補強リブ45F、45Rの上下長さの最も長い部分と、取付チューブ37の下部に位置する支持部分を合わせていること、前後の補強リブ45F、45Rの下部側がガイドプレート25に合わせていることにより、前後クローラガイド25F、25Rの強度を向上させられる。
また、前後の補強リブ45F、45Rは、接地輪16の前後間に、機体外側からの泥土の入り込みを抑える壁としての役割も果たすので、クローラベルト20の巻回域内に泥土が溜まって重量が増加することや、クローラベルト20が滑って脱落し、走行不能になることを防止できる。
請求項6の発明では、転輪ユニット17を構成する接地輪16は、接地輪16の回転軸50を内装する軸ホルダ51の左右両側に配置し、軸ホルダ51の上部で、且つ接地輪16の左右間には、左右の支柱部材52を前後中央部付近で連結し、上面視でH形状に形成されたる取付突起53を各々立設し、軸ホルダ51の機体前側または後側で、且つ取付突起53よりも下部側に、軸ホルダ51内の余分な空気を逃がすエア抜き弁54を配置し、機体外側の接地輪16と回転軸50との接続部に、軸ホルダ51内の回転軸50に潤滑剤を投入する注油口55を形成しているので、取付突起53を上面視でH形状としたことにより、転輪ユニット17の強度の向上が図られ、荷重による破損が防止される。
取付突起53の下部で、機体前側または後側に向けてエア抜き弁54を形成したことにより、内圧が高まったときに空気が抜けるスペースが確保され、エア抜きが確実に行える。
機体外側の接地輪16と回転軸50との接続部に潤滑剤の注油口55を形成したことにより、作業しやすい機体外側の空間部(スペース)から回転軸50の周囲に潤滑剤を供給する作業を行えるので、メンテナンス性が向上する。
請求項7の発明では、刈取装置4は、機体前側に配置し、刈取装置4の後方で且つ機体左側寄りに、収穫物から不要部分(茎、葉など)を除去する選別装置(選別装置(脱穀装置))3を設け、刈取装置4の後方で且つ機体右側寄りに、操縦部6と、動力装置(エンジン、HSTなど)動力装置60と、収穫物を貯留する回収装置(貯留タンク)5を配置し、機体左側後部に燃料タンク61を配置し、燃料タンク61の下部に配置するタンクカバー62を設け、タンクカバー62に、バランスウェイト63を着脱可能に設け、タンクカバー62は、走行クローラ10の後端部よりも後側に配置される構成としているので、機体左側後部にバランスウェイト63を装着することにより、左右方向の重心を、特に収穫物が貯留される際に機体右側に重心が偏ることを防止できるので、直進走行性、旋回走行性が低下することを防止できる。
また、機体前側の刈取装置4の重量や刈取時にかかる抵抗により、機体が前傾することを防止できるので、刈取装置4の前端が圃場面に接触し、刈取収穫ミスや破損が発生することが防止される。
バランスウェイト63の装着位置が走行クローラ10とオーバーラップしないことにより、着脱作業に走行クローラ10の存在が干渉せず、作業能率の低下が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
作業車両(コンバイン)の側面図。
走行装置の側面図。
走行装置の補強カバーを省略した状態の側面図。
クローラーを省略しした状態の斜視図。
走行装置の縦断背面図。
トラックフレームと補強カバーの縦断面図。
転輪ユニットの平面図および背面図ならびに斜視図。
同縦断面図。
クローラーガイドの斜視図。
バランスウエイトの低面図。
同背面図。
操作席の正面図および背面図。
操作席の正面図および背面図。
インシュレーターの正面図および側面図。
同配置図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図面により説明すると、1は機体フレ-ム(車体フレーム)、2は機体フレ-ム1の下方位置に設けた走行装置、3は機体フレ-ム1の上方位置に設けた選別装置(脱穀装置)であり、走行装置2の前方に作物を圃場から刈り取る刈取装置4を設け、刈取装置4が刈り取った作物を収容する回収装置(貯留タンク・グレンタンク)5を設ける。6は操縦部である。
なお、本発明を説明するにあたり、理解を容易にするため、作業車両の走行方向を基準に前後・左右・上下等の方向を示して説明するが、これにより、本発明の構成が限定されることはない
走行装置2は、左右一対の走行クローラー10を有して構成する。走行クローラー10は走行フレーム(トラックフレーム・クローラーフレーム・転輪フレーム)11の前側に設けた駆動回転体(駆動輪)12と後側に設けた調圧回転体(遊動輪・テンションローラー)13の間に複数設けた転輪15の外周に掛け回して構成する(図3)。
【0009】
機体フレ-ム1の下方位置に走行装置2を設け、走行装置2の前方に作物を圃場から刈り取る刈取装置4を設け、刈取装置4が刈り取った作物を収容する回収装置5を備える作業車両において、前記走行装置2は左右一対の走行クローラー10を有して構成し、各走行クローラー10は、クローラベルト20と、クローラベルト20に接触する転輪15と、転輪15を装着するトラックフレーム27とにより構成し、転輪15はクローラベルト20に接触する左右一対の接地輪16を備える転輪ユニット17に構成し、転輪ユニット17の接地輪16の左右間で且つ下方でクローラベルト20に接触するクローラガイド25を設け、各走行クローラー10の後部にはクローラベルト20の張力(テンション)を調節する張力調節ユニット(アイドルローラユニット)26を設け、各走行クローラー10は、転輪ユニット17、クローラガイド25及び張力調節ユニット26を装着するトラックフレーム27とを有して形成する構成とし、トラックフレーム27側には、転輪ユニット17及びクローラガイド25を固着(固定)する固定部材(ボルト)29を取り付けるための左右方向の取付穴30を前後方向に亘って複数形成し、固定部材29は、機体左右方向から着脱する構成とし、張力調節ユニット26は、トラックフレーム27に対して前後方向に直線状に配置される構成とする。
【0010】
そのため、転輪ユニット17やクローラガイド25をトラックフレーム27側に固着する固定部材29を、走行クローラ10の側方から着脱できるようにすることにより、機体外側の空間部(任意スペース)で着脱作業を行えるので、工具の使用作業が妨げられにくく、メンテナンス作業の効率が向上する。
また、トラックフレーム27側と、転輪ユニット17、及びクローラガイド25の取付穴30を各々合わせ、固定部材29を差し込んで仮留めできるので、固定部材29の固定を解いた転輪ユニット17等の装着品が不意に落下して破損することが防止されると共に、取付けようとする部品の位置がずれて着脱作業に余分な時間がかかることが防止される。
張力調節ユニット26がトラックフレーム27の軸心方向に対して直線状に位置することにより、走行クローラ10の左右幅の中央部付近でクローラベルト20に調圧回転体13を当接させることができるので、クローラベルト20に偏った張力がかかることが防止され、クローラベルト20が脱落して破損したり、作業が中断されることが防止される。
(【0011】以降は省略されています)
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