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公開番号2024132924
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2024030951
出願日2024-03-01
発明の名称海島複合繊維の製造方法および海島複合繊維
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D01F 8/14 20060101AFI20240920BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】本発明では、海島複合繊維を製造するための口金において、SP値差が大きいポリマーを適用した場合であっても、海島複合繊維の本来の特徴である島成分の均質性を損なうことなく安定的な断面形成を可能としつつも、工業的な利用においても高い生産性で製造することができる海島複合繊維の製造方法を提供することにある。
【解決手段】導入板、分配板および吐出板とで構成された、少なくとも2成分以上のポリマーによって構成される複合ポリマー流を吐出するための複合口金を用いた海島複合繊維の製造方法であって、その複合口金の島成分分配孔と海成分分配孔のピッチ間距離が0.26以上0.40mm未満であり、島成分をとしてポリオレフィン、海成分としてを溶融ポリエステルを用いて島成分と海成分の溶融粘度比(島成分/海成分)が0.5以上1.6未満として溶融紡糸することで得られを特徴とする海島複合繊維の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
導入板、分配板および吐出板とで構成された、少なくとも2成分以上のポリマーによって構成される複合ポリマー流を吐出するための複合口金を用いた海島複合繊維の製造方法であって、複合口金の島成分分配孔と海成分分配孔において、下記式(式1)を満たすように穿設されており、島成分としてポリオレフィン、海成分としてポリエステルを用い、島成分と海成分の溶融粘度比(島成分/海成分)が0.5以上1.6未満として溶融紡糸することを特徴とする海島複合繊維の製造方法。
1.30≦L/d≦4.00・・・式1
ここでいうLは海成分分配孔と島成分分配孔の中心間距離であり、dは島成分分配孔の孔径である。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
島成分をポリオレフィン、海成分がポリエステルからなる海島繊維海島繊維であって、島数が100以上、島直径CVが10%以下であり、無作為に選出した島成分1000個中の島合流が発見される割合が0.05未満である海島繊維。
【請求項3】
請求項2で得られた海島繊維の島成分比率が50~95%である海島繊維。
【請求項4】
上記海島繊維を脱海して得られるポリオレフィン繊維の繊度が0.050dtex以下であり、ヤング率が15cN/dtex以上である記載の海島繊維。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、海島複合繊維とその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
海島構造の複合繊維は、島成分と海成分を別の樹脂とすることで、それぞれの樹脂の特性を有する繊維を得ることが可能となる。また、海島複合繊維の島成分を難溶解性成分、海成分を易溶解成分とし、海成分を除去することで島成分からなる極細繊維を発生させる方法がある。この手法は、極細繊維の均質性や製糸安定性、生産性といった観点から工業的には多く採用されている。
【0003】
この、複合紡糸法で製造される海成分に島成分を点在して存在させた海島複合繊維は、専用の複合口金によって繊維断面を形成させることで製造される。
【0004】
従来技術であるパイプ型海島複合口金の場合には、パイプ群によって微細に分割された島成分を一旦芯鞘複合形成孔にて芯鞘複合流を形成させる。この後、島数に相当する数の芯鞘複合流が合流し、テーパー設置された吐出用プレートによって繊維断面方向に圧縮され、その後、吐出孔から吐出されることによって海島複合断面が形成された繊維となる。この際、繊維断面が1/500から1/3000と大きく圧縮されるため、芯鞘複合流同士で干渉し合って圧縮されることになるため、組み合わせるポリマーの粘度、親和性が複合断面形成およびその安定性に大きく影響することが知られている。
【0005】
具体的には、ポリエステルと共重合ポリエステルに例示されるような、親和性が高いポリマーの組み合わせにおいては、組み合わせるポリマーの粘度等においても、幅広い条件範囲で、比較的高い安定性で海島複合繊維を製造することが可能となる。一方で、ポリオレフィンとポリエステルに例示される、溶解度パラメータ(SP値)差が大きいポリマーの組み合わせにおいては、その親和性の低さに起因して、微細な複合流の乱れにより、口金内における複合流の制御が困難となり、粘度等を適宜調整しても、安定に海島複合繊維を製造することが困難になることが知られている。特に、極細繊維の繊維径を縮小するために、海島繊維1本あたりの島数を増大させる場合には、増大する島数に相当する芯鞘複合流の制御と、成分間に働く界面張力の増加がこの不安定性を助長することとなり、簡単に島成分同士が接合してしまうなど、良好な海島断面の形成が困難になるとされていた。
【0006】
このような課題に対して、特許文献1および特許文献2では、島成分および海成分に用いるポリマーの粘度特性や熱特性を規定し、適切な製糸条件とすることで、安定的に海島複合繊維を製造する技術が提案されている。
【0007】
また、特許文献3では、親和性の低いポリマー組み合わせの海島複合断面を製造するために、特徴的な複合口金を用いることで、島成分の均質性に優れる海島複合繊維となる技術が提案されている。
【0008】
一方、均質な島成分の海島複合繊維を製造するための特徴的な複合口金についての技術が、特許文献4で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2020-26594号公報
特開2008-223190号公報
特開2000-110028号公報
WO2011/093331号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1では、島成分と海成分とが親和性の低いポリマー組み合わせでありながら、これらポリマーの溶融温度差を小さくすることで、パイプ型海島複合口金においても安定的に海島複合繊維が製造されるとしている。これは、口金から吐出された海島形状のポリマー複合流が紡糸線上で固化する際に、成分間の固化温度差により引き起こされる断面不安定化を抑制できる可能性がある。しかしながら、上述したとおり、従来技術のパイプ型海島複合口金では、親和性の低さに起因した微細な複合流の乱れ等により不安定なポリマー複合流となる。このため、海島複合断面全体でみた場合には、部分的に不安定化を引き起こすものであり、島比率を高めるなど、生産性を高めた場合にはこの不安定性が助長され、複合断面全体に断面崩れが誘発する場合があった。すなわち、パイプ型複合口金の原理的な部分を克服したとは言い難く、製糸条件や生産性に制約を設けた限られた製造条件に限定される場合があった。
(【0011】以降は省略されています)

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