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公開番号
2024121813
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-06
出願番号
2024026196
出願日
2024-02-26
発明の名称
センサー素子及びガスセンサー
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
G01N
27/12 20060101AFI20240830BHJP(測定;試験)
要約
【課題】物質を選択的に識別可能なセンサー素子、センシング材料、センサーを提供する。中でもガスセンサーを提供する。
【解決手段】基板と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極に接するナノカーボン材料を含有する抵抗体と、抵抗体と接した絶縁性の下地層を有し、下地層はp型半導体を含有することを特徴とするセンサー素子
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基板と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極に接するナノカーボン材料を含有する抵抗体と、前記抵抗体と接した下地層を有し、前記下地層が前記抵抗体と接したp型半導体を含有するセンサー素子。
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
前記p型半導体の仕事関数が4.5eV以上である請求項1に記載のセンサー素子。
【請求項3】
前記抵抗体の平均厚みが、0.6nm以上、12nm以下の範囲である請求項1に記載のセンサー素子。
【請求項4】
前記ナノカーボン材料を含有する抵抗体がカーボンナノチューブであって、1μm
2
あたりの前記カーボンナノチューブ総長さ(L)を前記第1電極と前記第2電極の間の距離である電極間距離(Lc)で割った値(L/Lc)が0.2≦L/Lc≦50である請求項1に記載のセンサー素子。
【請求項5】
前記L/Lcが0.2≦L/Lc≦5である、請求項4に記載のセンサー素子。
【請求項6】
前記ナノカーボン材料が半導体純度80wt%以上のカーボンナノチューブであり、共役系重合体を含有する、請求項1に記載のセンサー素子。
【請求項7】
前記p型半導体が酸化モリブデンである請求項1に記載のセンサー素子。
【請求項8】
前記p型半導体がp型の有機半導体である請求項1に記載のセンサー素子。
【請求項9】
前記基板にヒーターが備え付けられた請求項1に記載のセンサー素子。
【請求項10】
前記下地層の体積抵抗率が1E6Ω・cm以上である請求項1記載のセンサー素子
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサー素子及びガスセンサーに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、化学物質の微量検知技術は、地球温暖化に代表される環境問題や食の安全性、健康志向の高まりから、大気中のVOC(揮発性有機化合物)検出、食品流通時の鮮度管理、人体から発せられる皮膚ガス等の検知による体調管理・診断、飛行機・列車・自動車等の複数のユーザーが利用する空間の臭い検知による快適性向上、排泄物由来ガス検知による介護者の負担軽減や被介護者のQOL向上、有害ガス検知によるセキュリティー向上など、様々な展開が期待されている。
【0003】
特に需要増加が顕著な分野であるヘルスケア分野の中でも、呼気に含まれているガスの分析は、比較的単純な物質が多く、分析し易いため、簡便な検査による病気発見、体調管理に利用しやすくなるため近年注目されている。
【0004】
ガスをリアルタイムで高感度かつ選択的に検出する必要のあるガスセンサーの技術は、特に需要が増加している。また、ヘルスケア分野に限らず、需要増加傾向にある分野の多くが、ppbオーダーの高い検出感度と多種のガスからの選択的検知能がセンサーに求められている。
【0005】
しかしながら、市販されている主なガスセンサーは、検出感度がppmオーダーで感度が不十分であり、高い作動温度(200~500℃)により消費電力が高くなるとともに、劣化も早く、ガス種の識別能もほとんど無いなどの問題で、需要に応えられていない。そのため、現実には、研究所などで使用される一つの分野に特化した特殊な分析装置を組み込んだり、組み合わせたりした装置をセンサー代わりに使用することで対応する事が多く、非常に高額で汎用性がないことから、一部のごく限られた需要にしか対応出来ていない。
【0006】
ガスセンサーの検出感度不足に対しては、センサーに使用する材料をナノサイズ化することによって表面積を大きくする効果で微量分子を検出しやすくし、感度を向上する方法(特許文献1)や、複数の材料を組み合わせたハイブリッド化による信号強度増幅による感度向上が検討されている(非特許文献1)。
【0007】
また、高い作動温度(200~500℃)による高消費電力や劣化に対しては、ナノ炭素材料を用いることによって、低温駆動と高感度化を両立させる開発検討が行われている(特許文献1)。ナノカーボン材料を用いたガスセンサーは、検出対象物質がナノカーボン材料表面に付着することによる接触抵抗変化やキャリア注入によって起こる抵抗値変化に基づいて検出対象物質を検出する。そのため室温でも使用可能であり、検出に高温を必要とする既存の金属酸化物を用いたガスセンサーよりも優れている。
【0008】
更には、半導体純度の高いナノ炭素材料を使用することによってより感度が向上するとの報告もある(非特許文献2)。
【0009】
一方、現在汎用的に使用されている多くのガスセンサーは、いずれも、金属酸化物表面の酸素とガス分子が高温(200~500℃)で反応した際の、表面の電気的変化を検出する仕組みを利用しているため、燃焼しやすいガス分子は全て検出してしまい、二酸化炭素の様な一部のガスを除いて、ガス選択性を有していない。
【0010】
そのため、現状は、加熱器の温度をコントロールして検出部表面の反応性を制御したり、フィルターによって検出対象外のガスを排除したり、異なるセンシング材料を組み合わせて、異なる検出波形を読み取る外部装置によってガス選別を行っているが、組み合わせに限りがあり、多種多様なガスに対する選択性を持たせることが困難である。このため、需要が最も多くなると予想されるヘルスケア分野などの夾雑ガスが多い用途に適用することが困難な状態である。また、フィルターを複数種組み合わせる等の工夫も技術的に可能ではあるが、検出感度の低下と高コスト化につながり現実的ではない。
(【0011】以降は省略されています)
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