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公開番号
2024123912
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-12
出願番号
2023031722
出願日
2023-03-02
発明の名称
ポリエステルフィルム
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
C08J
5/18 20060101AFI20240905BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明は、ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を適用し、ジエチレングリコール含有量が少なく、耐熱性および機械強度に優れたポリエステルフィルムを提供することにある。
【達成手段】ポリエステルを解重合するケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含み、ジエチレングリコール含有量がフィルム重量に対し1.2重量%以下であるポリエステルフィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリエステルを解重合するケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含み、ジエチレングリコール含有量がフィルム重量に対し1.2重量%以下であるポリエステルフィルム。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
融点Tmが245℃以上255℃以下である請求項1記載のポリエステルフィルム。
【請求項3】
熱処理前後における分子鎖切断率(%BB)が0.55以下である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
熱処理前後における分子鎖切断率(%BB)は、150℃で3時間、さらに180℃で7.5時間真空乾燥したポリエステルフィルムを、窒素雰囲気下、290℃で6時間熱溶融した後、水中で急冷し、この熱溶融処理前後の固有粘度(IV)を測定し、式(I)~(III)により算出する。
%BB=0.27×((1/T(処理後)
1.33
)-1/T(処理前)
1.33
) (I)
T(処理前)=-0.703+3.21×IV(処理前)-2.13×IV(処理前)
2
+0.527×IV(処理前)
3
(II)
T(処理後)=-0.703+3.21×IV(処理後)-2.13×IV(処理後)
2
+0.527×IV(処理後)
3
(III)
【請求項4】
ジエチレングリコール含有量がフィルム重量に対し0.9重量%以下である請求項1記載のポリエステルフィルム。
【請求項5】
カリウム元素、ナトリウム元素、マグネシウム元素含有量の総量がフィルム重量に対し100ppm未満である請求項1記載のポリエステルフィルム。
【請求項6】
ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物がフィルム重量に対し、5重量%以上である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
【請求項7】
二軸延伸ポリエスエルフィルムである請求項1記載のポリエステルフィルム。
【請求項8】
工程離型用フィルムである請求項1記載のポリエステルフィルム。
【請求項9】
(a)~(d)の工程を有するポリエステルフィルムの製造方法。
(a)ポリエステルを解重合し解重合液を得る工程
(b)(a)で得られた解重合液を溶媒に溶解し、晶析および固液分離することでビス-(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る工程
(c)(b)で得られたビス-(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを重合する工程
(d)(c)にて得られたポリエステル樹脂組成物を少なくとも用いて製膜する工程
【請求項10】
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールから選ばれるジオール化合物を用いて解重合する(a)の工程を有する請求項9記載のポリエステルフィルムの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含むポリエステルフィルムに関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリエステルは機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。ポリエステルの中でも、特にポリエチレンテレフタレートは、透明性や加工性に優れていることから、光学用フィルムや離型用フィルムなど高品位性が求められる用途に幅広く使われているが、離型用フィルムのような工程用フィルムでは使用後廃棄となることから、近年環境負荷低減が求められている。
【0003】
環境負荷の低減として、廃棄となるポリエステル樹脂を燃焼させ熱エネルギーを得るサーマルリサイクルがあるが、サーマルリサイクルを行うと、二酸化炭素の発生があること、またポリエステル原料が損失することから、ポリエステルを再生産するためには新たに石油原料を使用する必要がある。
【0004】
これらの課題に対して、特許文献1では、ペットボトルから回収されたフィルムに関する技術が開示されている。特許文献2では、使用済みポリエステル製品を使用した再生ポリエステル樹脂について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-7175号
特開2022-40153号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、ペットボトルからリサイクルされたポリエステル樹脂を用いた積層フィルムが開示されている。しかしながら、ポリエステル樹脂を再溶融するマテリアルリサイクルを繰り返すことで、ポリエステル樹脂は熱分解・加水分解・酸化分解が進行し、着色や異物の発生、分子量の低下による機械強度の低下といった品位の低下が課題となる。
【0007】
特許文献2には、使用済みポリエステル製品を、エチレングリコールを用いて解重合し、重縮合することで再生ポリエステルを得ることが開示されている。しかしながら、エチレングリコールの2量体であるジエチレングリコールが副生してしまい、耐熱性が低下、機械強度の低下が課題となる。
【0008】
本発明の目的は、ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を適用し、ジエチレングリコール含有量が少なく、耐熱性に優れることで、良好な機械強度を有するポリエステルフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、リサイクル樹脂を適用し、ジエチレングリコール含有量が少なく、耐熱性に優れることで、良好な機械強度を有するポリエステルフィルムに到達した。
【0010】
本発明の目的は以下の手段によって達成される。
(1)ポリエステルを解重合するケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含み、ジエチレングリコール含有量がフィルム重量に対し1.2重量%以下であるポリエステルフィルム。
(2)融点Tmが245℃以上255℃以下である(1)記載のポリエステルフィルム。
(3)熱処理前後における分子鎖切断率(%BB)が0.55以下である(1)に記載のポリエステルフィルム。
熱処理前後における分子鎖切断率(%BB)は、150℃で3時間、さらに180℃で7.5時間真空乾燥したポリエステルフィルムを、窒素雰囲気下、290℃で6時間熱溶融した後、水中で急冷し、この熱溶融処理前後の固有粘度(IV)を測定し、式(I)~(III)により算出する。
%BB=0.27×((1/T(処理後)
1.33
)-1/T(処理前)
1.33
) (I)
T(処理前)=-0.703+3.21×IV(処理前)-2.13×IV(処理前)
2
+0.527×IV(処理前)
3
(II)
T(処理後)=-0.703+3.21×IV(処理後)-2.13×IV(処理後)
2
+0.527×IV(処理後)
3
(III)
(4)ジエチレングリコール含有量がフィルム重量に対し0.9重量%以下である(1)記載のポリエステルフィルム。
(5)カリウム元素、ナトリウム元素、マグネシウム元素含有量の総量がフィルム重量に対し100ppm未満である(1)記載のポリエステルフィルム。
(6)ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物がフィルム重量に対し、5重量%以上である(1)に記載のポリエステルフィルム。
(7)二軸延伸ポリエスエルフィルムである(1)記載のポリエステルフィルム。
(8)工程離型用フィルムである(1)記載のポリエステルフィルム。
(9)(a)~(d)の工程を有するポリエステルフィルムの製造方法。
(a)ポリエステルを解重合し解重合液を得る工程
(b)(a)で得られた解重合液を溶媒に溶解し、晶析および固液分離することでビス-(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る工程
(c)(b)で得られたビス-(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを重合する工程
(d)(c)にて得られたポリエステル樹脂組成物を少なくとも用いて製膜する工程
(10)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールから選ばれるジオール化合物を用いて解重合する(a)の工程を有する(9)記載のポリエステルフィルムの製造方法。
(11)(c)にて得られたポリエステル樹脂組成物中のジエチレングリコール含有量が0.8重量%以下である(9)記載のポリエステルフィルムの製造方法。
(12)(c)にて得られたポリエステル樹脂組成物中のカリウム元素、ナトリウム元素、マグネシウム元素含有量の総量が250ppm未満である(9)記載のポリエステルフィルムの製造方法。
(13)二軸延伸工程を含む(d)の工程を有する(9)記載のポリエステルフィルムの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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