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公開番号2024129276
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038376
出願日2023-03-13
発明の名称再生二軸配向ポリエステルフィルム
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 67/00 20060101AFI20240919BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 本発明は、着色や異物混入などによる品質の劣化が少ない、再生二軸配向ポリエステルフィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 再生ポリエステル樹脂Aを50質量%以上100質量%以下含有してなり、前記再生ポリエステル樹脂Aが、少なくとも片面に機能層Xを有する積層ポリエステルフィルムから前記機能層Xを除去したポリエステル樹脂であり、かつ要件1、2を満たす、再生二軸配向ポリエステルフィルム。
要件1:再生ポリエステル樹脂Aのb値が14.3以下。
要件2:式1で算出される再生ポリエステルAの表面積パラメータSが、3.0m2/kg以上15.0m2/kg以下。
式1:S=Σ((P/100)/(T×10-6×1400))
ただし、
S:原料となる積層ポリエステルフィルムの表面積パラメータ(m2/kg)
P:原料となる積層ポリエステルフィルムの厚み毎の含有率(質量%)
T:原料となる積層ポリエステルフィルムの厚み(μm)
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
再生ポリエステル樹脂Aを50質量%以上100質量%以下含有してなる再生二軸配向ポリエステルフィルムであって、
前記再生ポリエステル樹脂Aが、少なくとも片面に機能層Xを有する積層ポリエステルフィルムから前記機能層Xを除去したポリエステル樹脂であり、かつ要件1および2を満たすことを特徴とする、再生二軸配向ポリエステルフィルム。
要件1:再生ポリエステル樹脂Aのb値が14.3以下である。
要件2:式1で算出される再生ポリエステルAの表面積パラメータSが、3.0m

/kg以上15.0m

/kg以下である。
式1:S=Σ((P/100)/(T×10
-6
×1400))
ただし、
S:原料となる積層ポリエステルフィルムの表面積パラメータ(m

/kg)
P:原料となる積層ポリエステルフィルムの厚み毎の含有率(質量%)
T:原料となる積層ポリエステルフィルムの厚み(μm)
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記機能層Xが高分子易接着層である、請求項1に記載の再生二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項3】
前記機能層Xが、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種類の樹脂を含有する、請求項1または2に記載の再生二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項4】
前記機能層Xが、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種類の樹脂と、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、及びカルボジイミド系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも一種類の架橋剤とを含有する、請求項1または2に記載の再生二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項5】
少なくとも片面に機能層Yを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の再生二軸配向ポリエステルフィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、再生ポリエステルフィルムに関するものである。より詳しくは、再生ポリエステル樹脂を含有してなり、優れた色調を有し、内部異物の少ない再生二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、廃プラスチックは、埋め立て、海洋投棄、焼却等の処理がなされていたが、埋め立て場所の確保が困難になりつつあり、海洋投棄は廃プラスチックが分解しないために環境面で問題になっている。また、焼却によって熱として利用することはできるが、炭酸ガスの排出により、地球温暖化につながるという問題がある。
【0003】
そこで、昨今の環境問題の高まりから、廃プラスチックの再利用、再生等のリサイクルが必要とされており、そのための研究開発が盛んに行われている。また、プラスチックはその多くが化石燃料により生産されており、資源の有効利用の点からも、リサイクル方法の構築が求められている。
【0004】
ところで、プラスチックフィルムの一種であるポリエステルフィルムは、基材フィルムとして有用であり、片面又は両面に種々の機能層が積層された、積層フィルムとして使用されることが多い。機能層としては、易接着層、離型層、ハードコート層、粘接着層、加飾層、遮光層、偏光層、紫外線遮蔽層など、様々なものがあり、機能層に応じた材料をポリエステルフィルムに積層した積層フィルムが使用されている。
【0005】
しかしながら、このような積層フィルムは、以下の通りリサイクルのハードルが高く、使用後にほとんど再利用されておらず、廃棄、焼却等がなされている。例えば、機能層が積層された積層フィルムをそのまま再溶融してリサイクルしようとすると、機能層を構成する材料が溶融ポリマー中に混入するため、押し出し時に異臭を発生したり、ポリマーの溶融粘度が低下したりしてフィルム製膜時の破断の原因となる。また、仮に製膜できたとしても、得られるフィルムの着色や異物混入などによる品質の劣化が避けられない。仮に機能層を物理的に削り取るなどして剥離除去し、溶融押出しした場合も、押し出し時の濾過工程で、残存した機能層によってフィルターが目詰まりを起こし、正常な製膜ができなくなるなどの問題が生じる。
【0006】
積層フィルムのリサイクル方法として、例えば、特許文献1や2に開示される技術がある。特許文献1の技術は、基材フィルムの少なくとも片面に易溶解性樹脂層と表面機能層をこの順に積層してなる積層フィルムを、使用後に、易溶解性樹脂層を溶解し基材フィルムを溶解しない溶媒で洗浄することにより、基材フィルムのみを分離回収しようというものである。本技術で分離回収した基材フィルムは再溶融され、基材フィルムを構成していた樹脂組成物として再生される。特許文献2の技術は、機能層として高分子易接着層が形成された二軸配向ポリエステルフィルムから生じる再生樹脂を原料とした再生フィルムである。特許文献2の技術においては、再生樹脂の含有量を40重量%以下としたり、フィルム原料を酸素不存在下にて減圧・乾燥したり、再生樹脂を酸素不存在下にて溶融させて得るなどの方法によって、着色の少ない再生フィルムを得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2004-169005号公報
特開2001-302994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示される方法は、上述のように、基材フィルムの表面に易溶解性樹脂層と表面機能層とをこの順に積層してなる積層フィルムを前提としており、易溶解性樹脂層を溶解させることによって、機能層を除去しようとするものである。すなわち、易溶解性樹脂層を有さない、大部分の積層ポリエステルフィルムに用いることはできず、汎用性の面で課題がある。特許文献2に開示される方法は、機能層を除去せずに再生樹脂を得ていることから再生フィルムへの異物混入が顕著であり、また再生樹脂の含有量が40質量%を超える場合、特に50質量%以上とする場合には、再生フィルムの着色が多くなる問題がある。
【0009】
そこで本発明は、上記実情に鑑みて、着色や異物混入などによる品質の劣化が少ない、再生二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって以下の構成からなる。
(1) 再生ポリエステル樹脂Aを50質量%以上100質量%以下含有してなる再生二軸配向ポリエステルフィルムであって、前記再生ポリエステル樹脂Aが、少なくとも片面に機能層Xを有する積層ポリエステルフィルムから前記機能層Xを除去したポリエステル樹脂であり、かつ要件1および2を満たすことを特徴とする、再生二軸配向ポリエステルフィルム。
要件1:再生ポリエステル樹脂Aのb値が14.3以下である。
要件2:式1で算出される再生ポリエステルAの表面積パラメータSが、3.0m

/kg以上15.0m

/kg以下である。
式1:S=Σ((P/100)/(T×10
-6
×1400))
ただし、
S:原料となる積層ポリエステルフィルムの表面積パラメータ(m

/kg)
P:原料となる積層ポリエステルフィルムの厚み毎の含有率(質量%)
T:原料となる積層ポリエステルフィルムの厚み(μm)
(2) 前記機能層Xが高分子易接着層である、(1)に記載の再生二軸配向ポリエステルフィルム。
(3) 前記機能層Xが、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種類の樹脂を含有する、(1)または(2)に記載の再生二軸配向ポリエステルフィルム。
(4) 前記機能層Xが、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種類の樹脂と、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、及びカルボジイミド系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも一種類の架橋剤とを含有する、(1)~(3)のいずれかに記載の再生二軸配向ポリエステルフィルム。
(5) 少なくとも片面に機能層Yを有することを特徴とする、(1)~(4)のいずれかに記載の再生二軸配向ポリエステルフィルム。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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