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公開番号2025026357
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2024119179
出願日2024-07-25
発明の名称液晶ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 67/00 20060101AFI20250214BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高温・高剪断条件下で成形時の耐糸引き性に優れる液晶ポリエステル樹脂組成物を得ること。
【解決手段】液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位を20~80モル%、芳香族ジオールに由来する構造単位を10~40モル%、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を10~40モル%含む液晶ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、無機充填材として板状充填材(B)10~100重量部を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であって、液晶ポリエステル樹脂組成物中の板状充填材(B)の粒径が一定の範囲に制御されている液晶ポリエステル樹脂組成物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位を20~80モル%、芳香族ジオールに由来する構造単位を10~40モル%、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を10~40モル%含む液晶ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、無機充填材として板状充填材(B)10~100重量部を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であって、液晶ポリエステル樹脂組成物中の板状充填材(B)の粒径が以下の要件(α)を満たす液晶ポリエステル樹脂組成物。
要件(α):液晶ポリエステル樹脂組成物中における板状充填材(B)の累積粒径分布曲線より得られる累積度数70%の粒径(D70)が25~45μmであり、累積度数30%の粒径(D30)が15~25μmである。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
液晶ポリエステル樹脂(A)が下記構造単位(I)を含む液晶ポリエステル樹脂であって、下記式(a)を満たす請求項1に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
1≦[I]≦20・・・(a)
([I]は、液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対する、下記各構造単位(I)の含有量(モル%)を示す。)
TIFF
2025026357000013.tif
48
132
【請求項3】
液晶ポリエステル樹脂(A)が下記構造単位(I)および(II)を含む液晶ポリエステル樹脂であって、下記式(b)および(c)を満たす請求項1に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
0.01≦[II]≦5 ・・・(b)
[II]/[I]<1 ・・・(c)
([I]および[II]は、液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対する、下記各構造単位(I)および(II)の含有量(モル%)を示す。)
TIFF
2025026357000014.tif
98
140
【請求項4】
液晶ポリエステル樹脂(A)が下記構造単位(II)および(III)を含む液晶ポリエステルであって、以下式(d)を満たす請求項1に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
0.92<[III]/([II]+[III])<1 ・・・(d)
([II]および[III]は、液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対する、下記各構造単位(II)および(III)の含有量(モル%)を示す。)
TIFF
2025026357000015.tif
88
135
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物からなる成形品。
【請求項6】
成形品が、コネクタ、リレー、スイッチ、コイルボビン、およびカメラモジュールのアクチュエータ部品からなる群から選択されるいずれかである請求項5に記載の成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。より詳しくは、液晶ポリエステル樹脂組成物、ならびにそれを用いて得られる成形品に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
液晶ポリエステル樹脂は、耐熱性、流動性および寸法安定性に優れるため、それらの特性が要求される電気・電子部品に用いられている。近年、スマートフォン等の小型化により、部品の高集積度化、薄肉化、低背化等が一層求められており、流動性を高めた液晶ポリエステル樹脂が求められる。
【0003】
流動性や耐熱性を高めるため、配向しやすい板状充填材を配合した液晶ポリエステル樹脂組成物が開示されており、例えば、参考文献1では、末端基質を制御した液晶ポリエステル樹脂に、アスペクト比と平均粒径が制御されたマイカを配合することで、種々物性が向上した液晶ポリエステル樹脂組成物が得られることを開示している。参考文献2には、pHと粒径が制御された板状無機フィラーを液晶ポリエステル樹脂に配合することによって、ブリスター性と耐熱性が向上することが示されている。また、参考文献3では、特定の構造単位を有する液晶ポリエステル樹脂に、板状充填材を配合することで種々特性が向上することを開示している。一方、近年の部品形状の複雑さから、薄肉部位を充填するため、高温かつ高剪断条件で射出成形することが増えてきており、また、生産性を高めるためにハイサイクルで成形されることがあるが、従来技術では、前述のような過酷な条件で成形した場合、成形時の糸引き(金型の型開き時、樹脂がスプルー頂点から糸状に伸びる現象)が生じてしまい、生産性の低下が課題となるため、耐糸引き性に優れる液晶ポリエステル樹脂組成物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2013/128887号
国際公開第2017/051883号
国際公開第2018/101214号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
流動性を確保するために液晶ポリエステル樹脂を低粘度化すると、成形時に空気を巻き込みやすくなり、成形機の先端から樹脂を押し出してしまい、糸引きしやすくなる。流動性を確保するために高温条件かつ高射出速度(高剪断)条件下で成形した場合も同様である。また、流動性を高めるために、液晶ポリエステル樹脂のフィラーとして、しばしば板状充填材が使用されるが、板状充填材は配向性が良いため、成形品のスプルー頂点から成形機のノズル先端付近に存在する樹脂も高配向となるため、高温・高剪断かつハイサイクル条件とした場合、金型開き時に高配向部分が糸状に伸びやすくなる。すなわち、流動性と耐糸引き性はトレードオフの関係である。
【0006】
本発明の課題は、高温・高剪断でハイサイクル条件で射出成形しても糸引きが発生しにくい液晶ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する下記構造単位を20~80モル%、芳香族ジオールに由来する構造単位を10~40モル%、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を10~40モル%含む液晶ポリエステル樹脂と板状充填材からなる液晶ポリエステル樹脂組成物であって、組成物中の板状充填材の粒径を特定の範囲に制御することで、高温成形時の耐糸引き性に優れることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち本発明は以下のとおりである:
(1)液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位を20~80モル%、芳香族ジオールに由来する構造単位を10~40モル%、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を10~40モル%含む液晶ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、無機充填材として板状充填材(B)10~100重量部を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であって、液晶ポリエステル樹脂組成物中の板状充填材(B)の粒径が以下の要件(α)を満たす液晶ポリエステル樹脂組成物。
要件(α):液晶ポリエステル樹脂組成物中における板状充填材(B)の累積粒径分布曲線より得られる累積度数70%の粒径(D70)が25~45μmであり、累積度数30%の粒径(D30)が15~25μmである。
(2)液晶ポリエステル樹脂(A)が下記構造単位(I)を含む液晶ポリエステル樹脂であって、下記式(a)を満たす(1)に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
1≦[I]≦20・・・(a)
([I]は、液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対する、下記各構造単位(I)の含有量(モル%)を示す。)
【0009】
TIFF
2025026357000002.tif
47
135
【0010】
(3)液晶ポリエステル樹脂(A)が下記構造単位(I)および(II)を含む液晶ポリエステル樹脂であって、下記式(b)および(c)を満たす(1)または(2)に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
0.01≦[II]≦5 ・・・(b)
[II]/[I]<1 ・・・(c)
([I]および[II]は、液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対する、下記各構造単位(I)および(II)の含有量(モル%)を示す。)
(【0011】以降は省略されています)

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