TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025059326
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2023169361
出願日
2023-09-29
発明の名称
着色感光性樹脂組成物、着色感光性樹脂基板、カラーフィルタおよび素子
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
G03F
7/004 20060101AFI20250403BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約
【課題】耐熱性が高くない基板材料からなるカラーフィルタや耐熱性が高くない画素材料等からなる素子に対しても適用でき、緑色の透過スペクトルの半値幅が小さく、かつ緑色のピーク波長での平行光線透過率が高い着色感光性樹脂膜を形成でき、高い色再現性および優れた低反射特性の緑色画素が形成でき、緑色の発光素子の駆動電圧を低くすることができ、緑色画素の耐久性が向上させる。
【解決手段】C.I.ピグメントグリーン59またはC.I.ピグメントグリーン58、黄色色材、バインダー樹脂、重合性化合物、光重合開始剤を含む着色感光性樹脂組成物であって、前記C.I.ピグメントグリーン59と黄色色材との重量比率が60:40~90:10であり、前記重合性化合物が、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびペンタエリスリトールトリアクリレートを含み、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの重量(A)とペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートの重量(B)との比率が、0.15<A/B<3.20である着色感光性樹脂組成物
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
C.I.ピグメントグリーン59またはC.I.ピグメントグリーン58、黄色色材、重合性化合物、バインダー樹脂、光重合開始剤を含む着色感光性樹脂組成物であって、前記C.I.ピグメントグリーン59またはC.I.ピグメントグリーン58と黄色色材との重量比率が60:40~90:10であり、前記重合性化合物が、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびペンタエリスリトールトリアクリレートを含み、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの重量(A)とペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートの重量(B)との比率が、0.15<A/B<3.20である着色感光性樹脂組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
固形分をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで重量比(10000/2.3)倍に希釈し光路長1cmの分光光度計セルに充填して測定した平行光線透過率が、波長460nmおよび620nmにおいて20%以下であり、波長530nmにおいて70%以上である請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記C.I.ピグメントグリーン59およびC.I.ピグメントグリーン58と黄色色材との重量比率が75:25~90:10であり、前記黄色色材がC.I.ピグメントイエロー150またはC.I.ピグメントイエロー185である請求項1または2に記載の着色感光性樹脂組成物。
【請求項4】
融点が72℃~96℃の光重合開始剤が含有された請求項1または2に記載の着色感光性樹脂組成物。
【請求項5】
透明フィラーが含有された請求項1または2に記載の着色感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記透明フィラーが、ケイ素系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂の群から選ばれるいずれかの粒子である請求項5に記載の着色感光性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1または2に記載の着色感光性樹脂組成物の硬化物からなる着色感光性樹脂膜が、基板上に形成された着色感光性樹脂基板であって、着色感光性樹脂膜表面のCIE国際照明委員会のLab表色系におけるL*値が27~31である着色感光性樹脂基板。
【請求項8】
請求項1または2に記載の着色感光性樹脂組成物の硬化物からなる着色感光性樹脂膜が、基板上に形成されたカラーフィルタであって、着色感光性樹脂膜表面のCIE国際照明委員会のLab表色系におけるL*値が27~31であるカラーフィルタ。
【請求項9】
請求項1または2に記載の着色感光性樹脂組成物の硬化物からなる着色感光性樹脂膜が、緑色発光画素上部に形成された発光素子であって、着色感光性樹脂膜表面のCIE国際照明委員会のLab表色系におけるL*値が27~31である発光素子。
【請求項10】
請求項1または2に記載の着色感光性樹脂組成物を基板上に塗布して着色感光性樹脂膜を形成し、前記着色感光性樹脂膜上にマスクを載置して露光し、現像してパターンを形成した後、150℃以下で焼成する着色感光性樹脂基板の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色感光性樹脂組成物、その硬化物からなる着色感光性樹脂膜が形成された着色感光性樹脂基板およびカラーフィルタおよび素子に関する。とくに、着色感光性樹脂組成物の硬化物からなる着色感光性樹脂膜は、緑色発光画素上部に形成された有機発光素子またはマイクロLED素子に適する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどのモバイル機器では、有機ELなどの自発光ディスプレイの採用が増えているが、当該ディスプレイでは表面の反射防止のために円偏光板が使用されている。しかし、円偏光板は相対的に厚みが厚く柔軟性も不足しているため、最近脚光を浴びているフォルダブル用途にも適用可能なフレキシブルディスプレイ素子には適用困難であった。そこで、そのフレキシブルディスプレイ素子の偏光板、偏光板の代替として用いることが可能な感光性樹脂組成物からなる発明として、特許文献1の発明が開示されている。
【0003】
特許文献1の発明は、緑色顔料、黄色顔料および黒色顔料を含む顔料分散組成物、バインダー樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤を含む緑色感光性樹脂組成物の発明であり、緑色顔料および黄色顔料と、黒色顔料との重量比を99.9~80:20~0.1にすることで緑色の高色再現性および工程性不足の問題点を解決し、偏光板の代替が可能でありながらも、外光反射防止効果が非常に優れた発明とされている。
【0004】
そして、特許文献1の発明では、露光・現像後に、窒素ガスを吹き付けて乾燥し、200℃の加熱オーブンにて25分間加熱する必要があるので、緑色感光性樹脂組成物を塗布形成する基材には当該温度にも耐え得る耐熱性のあるガラス基板(コーニング社製、「EAGLE XG」)が使用されている([特許文献1][0113][0114]、実験例1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6755822号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ガラス基板の厚みが0.3mm以上であるカラーフィルタでは適用できるフレキシブルディスプレイ素子は曲率半径の大きいものに限定され、フォルダブル用途には適用不可能であった。フォルダブル用途に適用するにはガラス基材はできるだけ薄くする必要があるが、ガラス基板を薄く加工するのは難しく、かつそのような非常に薄いガラス基板に塗布するのも難しい。
【0007】
そこで、ガラス基板を使わず有機ELディスプレイの封止膜表面に直接感光性樹脂組成物を塗布形成する方法が考えられるが、有機ELディスプレイ等に用いられている画素材料は一般的に耐熱性が低く熱に対してのダメージが大きいため、感光性樹脂組成物を塗布形成した後に高温で加熱焼成すれば表示素子の耐久性が大きく低下する課題があった。
【0008】
また特許文献1の発明では、黒色顔料を添加して緑色スペクトルの半値幅を小さくし緑色の色再現性を高め、かつ外光反射防止の効果も得ようとしているが、黒色顔料を含有すると色がくすむ(黒ずんだ渋い色になる)うえに、波長500nm~560nmの緑色スペクトルの透過率が低下して、それを補うために緑色の発光素子の駆動電圧を上げなければならない課題があった。
【0009】
そこで本発明では、着色感光性樹脂組成物を塗布形成した後に、比較的低温で加熱焼成ができ、かつ黒色顔料を含有せずに緑色の高い色再現性と外光反射防止効果が得られるよう着色感光性樹脂組成物の組成を鋭意工夫することで、上記問題を解決した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1)C.I.ピグメントグリーン59またはC.I.ピグメントグリーン58、黄色色材、バインダー樹脂、重合性化合物、光重合開始剤を含む着色感光性樹脂組成物であって、前記C.I.ピグメントグリーン59と黄色色材との重量比率が60:40~90:10であり、前記重合性化合物が、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびペンタエリスリトールトリアクリレートを含み、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの重量(A)とペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートの重量(B)との比率が、0.15<A/B<3.20である着色感光性樹脂組成物。
(2)固形分をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで重量比(10000/2.3)倍に希釈し光路長1cmの分光光度計セルに充填して測定した平行光線透過率が、波長460nmおよび620nmにおいて20%以下であり、波長530nmにおいて70%以上である(1)に記載の着色感光性樹脂組成物。
(3)前記C.I.ピグメントグリーン59およびC.I.ピグメントグリーン58と黄色色材との重量比率が75:25~90:10であり、前記黄色色材がC.I.ピグメントイエロー150またはC.I.ピグメントイエロー185である(1)または(2)に記載の着色感光性樹脂組成物。
(4)融点が72℃~96℃の光重合開始剤が含有された(1)~(3)のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
(5)透明フィラーが含有された(1)~(4)のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
(6)前記透明フィラーが、ケイ素系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂の群から選ばれるいずれかの粒子である(5)に記載の着色感光性樹脂組成物。
(7)(1)~(6)のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物の硬化物からなる着色感光性樹脂膜が、基板上に形成された着色感光性樹脂基板であって、着色感光性樹脂膜表面のCIE国際照明委員会のLab表色系におけるL*値が27~31である着色感光性樹脂基板。
(8)(1)~(6)のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物の硬化物からなる着色感光性樹脂膜が、基板上に形成されたカラーフィルタであって、着色感光性樹脂膜表面のCIE国際照明委員会のLab表色系におけるL*値が27~31であるカラーフィルタ。
(9)(1)~(6)のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物の硬化物からなる着色感光性樹脂膜が、緑色発光画素上部に形成された発光素子であって、着色感光性樹脂膜表面のCIE国際照明委員会のLab表色系におけるL*値が27~31である発光素子。
(10)(1)~(6)のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物を基板上に塗布して着色感光性樹脂膜を形成し、前記着色感光性樹脂膜上にマスクを載置して露光し、現像してパターンを形成した後、150℃以下で焼成する着色感光性樹脂基板の製造方法。
(11)(1)~(6)のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物を基板上に塗布して着色感光性樹脂膜を形成し、前記着色感光性樹脂膜上にマスクを載置して露光し、現像してパターンを形成した後、150℃以下で焼成するカラーフィルタの製造方法。
(12)(1)~(6)のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物を緑色発光画素上部に塗布して着色感光性樹脂膜を形成し、前記着色感光性樹脂膜上にマスクを載置して露光し、現像してパターンを形成した後、150℃以下で焼成する発光素子の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
東レ株式会社
織物
18日前
東レ株式会社
シート
1か月前
東レ株式会社
分離膜
24日前
東レ株式会社
吸着材料
4日前
東レ株式会社
多孔質構造体
6日前
東レ株式会社
積層フィルム
12日前
東レ株式会社
水電解用隔膜
20日前
東レ株式会社
有機EL表示装置
1か月前
東レ株式会社
不織布および衣料
5日前
東レ株式会社
生体成分吸着材料
1か月前
東レ株式会社
フィルムの製造方法
24日前
東レ株式会社
再生ポリエステル繊維
4日前
東レ株式会社
多層積層複合断面繊維
4日前
東レ株式会社
シート状物の検査方法
5日前
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
4日前
東レ株式会社
積層体およびその製造方法
今日
東レ株式会社
フィルム及びその製造方法
17日前
東レ株式会社
芯鞘複合モノフィラメント
1か月前
東レ株式会社
編物、詰め物および繊維製品
26日前
東レ株式会社
ポリエステル樹脂の製造方法
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルムの製造方法
11日前
東レ株式会社
不織布およびワイピング用シート
5日前
東レ株式会社
人工皮革および人工皮革の製造方法
5日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルムとその製造方法
18日前
東レ株式会社
積層フィルム、センサー、およびテープ
17日前
東レ株式会社
積層フィルム、センサー、およびテープ
17日前
東レ株式会社
積層フィルム、センサー、およびテープ
17日前
東レ株式会社
離型フィルムとその製造方法、及び積層体
11日前
東レ株式会社
ナイロン6樹脂組成物およびその製造方法
1か月前
東レ株式会社
ガス分離方法、精製流体及びガス分離装置
13日前
東レ株式会社
熱可塑性エラストマー組成物および成形品
1か月前
東レ株式会社
積層シート、建築材料、および通信機器筐体。
13日前
東レ株式会社
熱可塑性ポリエステル樹脂組成物およびその成形品
5日前
東レ株式会社
二軸配向ポリエステルフィルムロールおよびその製造方法
6日前
東レ株式会社
多孔性フィルム、二次電池用セパレータ、および二次電池
10日前
東レ株式会社
樹脂粒子混合物およびその製造方法、ならびに造形物の製造方法
1か月前
続きを見る
他の特許を見る