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公開番号2025054937
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-08
出願番号2023164179
出願日2023-09-27
発明の名称熱硬化性樹脂組成物、繊維強化複合材料用成形材料および繊維強化複合材料
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08G 59/40 20060101AFI20250401BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】厚物の繊維強化複合材料を成形する際の注入時の粘度安定性に優れ、硬化後の耐熱性に優れた熱硬化性樹脂組成物、また、かかる熱硬化性樹脂組成物が十分に基材へ含浸した繊維強化複合材料用成形材料、およびRTM成形の高速生産に対応可能であり、従来対比厚物の繊維強化複合材料を提供する。
【解決手段】下記の成分(A)~(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であって、前記熱硬化性樹脂組成物中の成分(A)の含有率が30質量%以上99質量%以下であり、以下の式(1)を満たす熱硬化性樹脂組成物。
成分(A):イソシアネート化合物
成分(B):エポキシ樹脂
成分(C):触媒
成分(D):スルホンアミド化合物
2.1<Mh/Me≦100・・・式(1)
Mh:成分(A)に含まれるイソシアネート基のモル数
Me:成分(B)に含まれるエポキシ基のモル数
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記の成分(A)~(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であって、前記熱硬化性樹脂組成物中の成分(A)の含有率が30質量%以上99質量%以下であり、以下の式(1)を満たす熱硬化性樹脂組成物。
成分(A):イソシアネート化合物
成分(B):エポキシ樹脂
成分(C):触媒
成分(D):式(I)で示されるスルホンアミド化合物
TIFF
2025054937000007.tif
31
170
(式中、R

は置換または非置換の炭素原子数1~10の直鎖または分岐アルキル基、置換または非置換のシクロアルキル基、およびアリール環からなる群から選択される。R

は水素原子、および置換または非置換の炭素原子数1~10の直鎖または分岐アルキル基からなる群から選択される。)
2.1<Mh/Me≦100・・・式(1)
Mh:成分(A)に含まれるイソシアネート基のモル数
Me:成分(B)に含まれるエポキシ基のモル数
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記熱硬化性樹脂組成物中の成分(D)の含有率が0.11質量%を超え5質量%以下である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
成分(C):触媒として、4級オニウム塩または/および無機塩を含む請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
前記熱硬化性樹脂組成物中の成分(C)の含有率が0.1質量%以上5質量%以下である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
成分(A)が芳香族イソシアネートである請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
前記熱硬化性樹脂組成物の調製後60℃で1時間経過した後の粘度が0.01Pa・s以上1.00Pa・s以下である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物と、強化繊維とを含む繊維強化複合材料用成形材料。
【請求項8】
前記強化繊維の含有率が40質量%以上90質量%以下である請求項7に記載の繊維強化複合材料用成形材料。
【請求項9】
前記強化繊維が炭素繊維である請求項7または8に記載の繊維強化複合材料用成形材料。
【請求項10】
請求項7または8に記載の繊維強化複合材料用成形材料が熱硬化されてなる繊維強化複合材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、航空・宇宙用部材、一般産業用途に好ましく用いられる熱硬化性樹脂組成物とそれを用いた繊維強化複合材料用成形材料、および繊維強化複合材料に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
イソシアネート化合物を原料とする熱硬化性樹脂は、イソシアネート単独重合により剛直なイソシアヌレート環が形成されるため、耐熱性、破壊靱性、および接着性に優れるという特徴がある。その特徴を生かし、塗料、接着剤、発泡体、エラストマー材料等、様々な分野に当該熱硬化性樹脂は使用されている。なかでも、イソシアネート化合物とエポキシ樹脂から構成される熱硬化性樹脂は、イソシアヌレート環の形成に加えて、剛直なオキサゾリドン環が生成し、上記の特徴に加え耐湿熱性にも優れるため、特に、繊維強化構造材料を代表とする構造材料用途への適用が期待されている。
【0003】
このような繊維強化複合材料を製造する際には各種成形方法があるが、マトリックス樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合は、レジン・トランスファー・モールディング法(RTM法)等の注入成形法が一般的である。これにイソシアネート化合物を含む熱硬化性樹脂組成物を使用した場合は、イソシアネート基の反応性が高いため、加熱した金型内の繊維基材にマトリックス樹脂を注入・含浸させる際に、硬化が進行し一部樹脂が含浸せず、欠肉した繊維強化複合材料用成形材料が得られた。この結果からわかるように、イソシアネート化合物からなる熱硬化性樹脂組成物の課題は、成形時の注入時間の確保にあった。特に、近年は適用される構造材料が厚くなっており、注入時間確保という課題の技術難易度は従来対比高くなっている。また、繊維表面や副資材表面の官能基、成形板表面の離型成分、繊維強化複合材料用成形材料中や大気中の水分と反応してしまい、目的のイソシアネート単独重合が阻害されることにより、得られる繊維強化複合材料の剛性が設計より不十分なものとなり、高温状態の金型から脱型する際の応力によって繊維強化複合材料が変形してしまう課題があった。そこで、イソシアネート化合物からなる熱硬化性樹脂組成物の成形時の注入時間を確保する技術と、イソシアネート基同士の反応を促進させ硬化後の熱硬化性樹脂組成物に十分な耐熱性を付与する技術の構築が望まれていた。
【0004】
特許文献1には、ウレタンプレポリマーとイソシアネート化合物にカルボキサミド化合物を添加した熱硬化性樹脂組成物が記載されている。特許文献2には、イソシアネート化合物とエポキシ樹脂に触媒としてDBUを添加した熱硬化性樹脂組成物が記載されている。特許文献3には、ポリ塩化ビニル樹脂にイソシアネート化合物とエポキシ樹脂、導電性フィラーからなる熱硬化性樹脂組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2012/103965号
特開2016-526063号公報
中国特許出願公開第112662090号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の熱硬化性樹脂組成物は、カルボキサミド添加によって常温での長期保管性には優れるが、厚物の繊維強化複合材料のRTM成形において加熱して注入する際には短時間で熱硬化性樹脂組成物がゲル化し、繊維強化複合材料の端部が欠肉してしまった。加えて、得られた繊維強化複合材料を成形温度で脱型する際に変形してしまい、依然として不十分な技術であった。
【0007】
特許文献2に記載の熱硬化性樹脂組成物は、DBU添加によって厚物の繊維強化複合材料のRTM成形時に加熱して注入する際には短時間で熱硬化性樹脂組成物がゲル化し、繊維強化複合材料の端部が欠肉してしまった。加えて、得られた繊維強化複合材料を成形温度で脱型する際に変形してしまい、依然として不十分な技術であった。
【0008】
特許文献3に記載の熱硬化性樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル樹脂と導電性フィラーの配合によって厚物の繊維強化複合材料のRTM成形時に加熱して注入する際には樹脂粘度が高く、注入時間が大幅にかかり作業性が悪いうえに、短時間で熱硬化性樹脂組成物がゲル化し、繊維強化複合材料の端部が欠肉してしまった。加えて、得られた繊維強化複合材料を成形温度で脱型する際に変形してしまい、依然として不十分な技術であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、かかる従来技術の欠点を改良した熱硬化性樹脂組成物、ならびにこれを用いた繊維強化複合材料を提供することを目的とする。
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、次の構成を有する。
[1]下記の成分(A)~(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であって、前記熱硬化性樹脂組成物中の成分(A)の含有率が30質量%以上99質量%以下であり、以下の式(1)を満たす熱硬化性樹脂組成物。
成分(A):イソシアネート化合物
成分(B):エポキシ樹脂
成分(C):触媒
成分(D):式(I)で示されるスルホンアミド化合物
(【0011】以降は省略されています)

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