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公開番号
2024118419
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-30
出願番号
2023208969
出願日
2023-12-12
発明の名称
表面処理装置
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
H05H
1/24 20060101AFI20240823BHJP(他に分類されない電気技術)
要約
【課題】
基材を連続的に搬送しながら荷電粒子発生手段を用いた処理を行う表面処理装置において、処理空間から漏出する荷電粒子の総量を抑制しつつ、効果的な処理が可能な表面処理装置を提供する。
【解決手段】
搬送される基材の表面に処理を施す本発明の表面処理装置は、基材と間をあけるように配置され、少なくとも基材に対向する側が開口している筐体と、上記筐体内に配置され、荷電粒子を放出する荷電粒子発生手段と、上記開口の縁の近傍に配置され、基材との間に磁場を発生させる磁力発生手段と、を有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
搬送される基材の表面に処理を施す表面処理装置であって、
基材と間をあけるように配置され、少なくとも基材に対向する側が開口している筐体と、
前記筐体内に配置され、荷電粒子を放出する荷電粒子発生手段と、
前記開口の縁の近傍に配置され、基材との間に磁場を発生させる磁力発生手段と、
を有する表面処理装置。
続きを表示(約 260 文字)
【請求項2】
前記荷電粒子発生手段がプラズマ電極である、請求項1の表面処理装置。
【請求項3】
前記磁力発生手段は、基材に対向する面に、磁石の反対極が交互に基材の幅方向に向かって直列に配列されている、請求項1の表面処理装置。
【請求項4】
前記磁力発生手段の表面が電気的に接地されている、請求項1の表面処理装置。
【請求項5】
前記磁力発生手段の少なくとも前記荷電粒子発生手段に対向する面が、電気的に接地された導電性カバーで覆われている、請求項1の表面処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材を連続的に搬送しながら、基材の表面に荷電粒子発生手段を用いた処理を施す表面処理装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、プラスチックフィルムに例示される電気絶縁性シート上に薄膜を形成することにより、フィルムコンデンサや磁気記録テープ、包装用フィルム等の素材となる金属蒸着フィルムが製造されている。この製造には、例えば真空槽内で巻状物のプラスチックフィルムを巻き出し、薄膜形成した後に再び巻き取る巻取式蒸着装置が用いられる。この装置では、所望の膜特性を得るために、プラズマ電極などの荷電粒子発生手段を用いてプラズマ表面処理や除電または帯電処理などを複合的に行うことがあるが、このとき真空装置内に不要な電荷を漏洩させないことが重要となる。
【0003】
薄膜形成時に荷電粒子発生手段を応用した一例として、蒸着プロセスにおける静電密着技術の概要について図5を用いて説明する。図5はプラスチックフィルムなどのシート上に連続的に薄膜を形成する薄膜形成装置の主要構成要素を示した図である。図4に示すように、真空装置413内で、長尺の電気絶縁性シート401は原反ロール体402から繰り出され、シートの走行方向に沿って回転する円筒状シート案内面403に中間ローラ404、405によって所要の巻き付け角で巻き付いた状態で搬送され、巻取ロール体406として巻き取られる。電気絶縁性シート401がシート案内面403上に搬送される際に、蒸発源407の中にある蒸着材料408より蒸発した蒸気409がシート401上に付着し、薄膜410が形成される。シート案内面403は主にシート401をシワなく搬送する役目と、シート401が受けた熱負荷を効率よく逃がし冷却する役目を持つ。シート401の冷却効率を高める手段として、特許文献1にはシート帯電用の直流電源414によってプラズマ発生手段416の筐体419とシート案内面403との間に10V以上1000V以下の電位差を与えて、プラズマ発生手段416から供給される荷電粒子のうちいずれかの極性の荷電粒子をシート401の薄膜形成面に誘導することにより、シート1の薄膜形成面とシート案内面403との間に働く静電気力でシート401をシート案内面403に強く貼り付かせる静電密着技術が提案されている。
【0004】
しかしながらプラズマ発生手段416から荷電粒子が過剰に真空装置413内に放出されると、真空装置413内の空間インピーダンスが低下し、電位差が発生している部材間での異常放電を誘発し、基材に放電痕のような欠点が発生することや、放電により装置に異常を来たすことがある。また異常放電を防止するためにプラズマ発生手段416の放電出力または、直流電源414の印加電圧を下げることで機能が低下したり、熱負けが発生したりすることがある。
【0005】
以上のような漏洩電荷の課題に鑑みて、プラズマ発生手段から真空装置内に放出される過剰な荷電粒子の量を抑制する手段として、プラズマ放出口に電界を付与する技術が特許文献2に開示されている。これによれば、プラズマ放出口に付与された電界により、余剰な電荷を誘引して除去することが出来、真空装置内に放出される荷電粒子の量が抑制される。
【0006】
また特許文献3には、プラズマと基材との間に磁場を生成して基材に届く荷電粒子を抑制する技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2008-248266号公報
特開2017-160465号公報
特開2017-25407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら特許文献2に開示されている方法は、荷電粒子誘引用の電源系統を別途設備するなど、適用するためにはある程度の設備負荷を伴う。また条件等によっては荷電粒子誘引のために印加する電位差そのものが異常放電を誘発する場合もある。
【0009】
また特許文献3に開示されている方法は、プラズマと基材との間に磁場を発生させ、荷電粒子を捕捉する構成であり、基材の側へ放出する荷電粒子そのものを抑制する技術である。そのため、真空装置内に放出される荷電粒子の量を小さく抑えようとすると、同時に基材の表面処理効果も低下することとなり、表面処理効果を維持しながら放出荷電粒子の量を抑制することには限界がある。
【0010】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなしたものであり、基材を連続的に搬送しながら荷電粒子発生手段を用いた処理を不具合なく効果的に行うための表面処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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