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公開番号2024125535
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023033396
出願日2023-03-06
発明の名称ポリブチレンテレフタレート繊維
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D02G 1/10 20060101AFI20240911BHJP(糸;糸またはロープの機械的な仕上げ;整経またはビーム巻き取り)
要約【課題】従来の合成繊維よりもピリング性、耐摩耗性に優れ、綿と同等の繊度、風合いを有しその代替が可能である、紡績性も良好な捲縮を有するポリブチレンテレフタレート系ポリマーからなる繊維を提供する。
【解決手段】10%×10回伸長時の伸長回復率が90%以上であり、単繊維繊度が0.8~1.8dtexであり、捲縮度(%)/捲縮数(山/25mm)比が0.65~1.20である、ポリブチレンテレフタレートからなる繊維。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
10%×10回伸長時の伸長回復率が90%以上であり、単繊維繊度が0.8~1.8dtexであり、捲縮度(%)/捲縮数(山/25mm)比が0.65~1.20である、ポリブチレンテレフタレート繊維。
続きを表示(約 100 文字)【請求項2】
布帛加工時のJIS L1076による抗ピル性が4級以上であることを特徴とする請求項1記載の繊維。
【請求項3】
請求項1もしくは2に記載の繊維を50%以上含む紡績糸。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、紡績糸など繊維構造体を成形するためのポリブチレンテレフタレート繊維に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
短繊維糸類を用いたニット生地は、柔らかい手触りと良好な通気性などの利点から多くの消費者に愛されている。一方、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記することがある)やポリアミド等の合成繊維は綿や麻等の天然繊維と比較して風合いや光沢が単調で冷たく、また短繊維特有の毛玉(ピリング)ができやすく、耐摩耗性が悪いという問題があり、繊維構造物として十分満足できるものではなかった。そのため、生地の風合いを良くしながらピリング性、耐摩耗性が改善した合成繊維について、これまでに多くの研究開発が行われてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には低起球の生地用アクリロニトリル系繊維について記載されている。具体的にはアクリロニトリル系繊維を35%以下の破断伸度及び1.7g/デニール以下の結節強力とすることで発生した毛玉が脱落しやすくなり、ピリング抑制効果が得られると報告しているが、繊維の耐摩耗性が大きく低下するという問題があった。また、特許文献2ではポリエステル短繊維と獣毛繊維の混紡において、アクリル樹脂エマルジョンを接着剤として用いることで、ピリング抑制効果に優れた紡績糸が得られると報告しているが、紡績工程にて接着剤を添加する工程が加わることで、生産可能な設備が限定される、紡績工程が煩雑になるといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平4-240209号公報
特開平11-350276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の基礎研究の結果、伸長時の回復率の高いポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記することがある)系ポリマーを適用することで他の合成繊維対比、風合いと共にピリング性、耐摩耗性を改善出来ることが判明した。一方、該ポリマーからなる繊維は捲縮が掛かりにくく、紡績性を改善することが難しい。そこで本発明の目的は、紡績性に問題の無い水準の捲縮を有し、従来の合成繊維よりもピリング性、耐摩耗性に優れ、綿と同等の繊度、風合いを有しその代替が可能である、ポリブチレンテレフタレート系ポリマーからなる繊維を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、以下の構成を採用する。すなわち、
(1)10%×10回伸長時の伸長回復率が90%以上であり、単糸繊度が0.8~1.8dtexであり、捲縮度(%)/捲縮数(山/25mm)比が0.65~1.20である、ポリブチレンテレフタレートからなる繊維
(2)布帛加工時のJIS L1076による抗ピル性が4級以上であることを特徴とする請求項1記載の繊維
(3)請求項1もしくは2に記載の短繊維を50%以上含む紡績糸
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、優れた弾性回復性を有するポリマーの適用により、摩擦により繊維が引き出されて毛玉が生じる現象を効果的に減少させ、従来の抗ピル繊維対比耐摩耗性が高く、綿同等の繊度、風合いを有しながら、かつ紡績性も良好な捲縮を有するポリブチレン系ポリマーからなる繊維が得られる。また、それから製造された生地はスポーツウェア、レジャーウェアなどの製造に広く使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のポリブチレンテレフタレート繊維はPBTからなる繊維であり、短繊維であることが好ましい。
【0009】
本発明で用いられるPBTとは、90モル%以上がブチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるPBTである。ここでいうPBTとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,4-ブタンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、10モル%未満の割合で他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含むものであってもよい。このような共重合成分としては、酸成分として、例えば、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸およびセバシン酸などのジカルボン酸類が挙げられ、また、グリコール成分として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどを挙げることができるが、これらに限られるものではない。
【0010】
また、艶消剤として二酸化チタン、色調安定剤としてリン酸、滑剤としてシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、さらには難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤および着色顔料等を、必要に応じてPBTに添加することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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