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公開番号
2024103469
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-01
出願番号
2024006460
出願日
2024-01-19
発明の名称
水不溶性担体及びカラム
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
A61M
1/36 20060101AFI20240725BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】本発明は、血小板等の血球成分の付着を抑制した水不溶性担体及び該水不溶性担体を内蔵したカラムを提供することを目的とする。
【解決手段】リガンドが結合し、表面の算術平均粗さが0.01μm以上1.0μm以下であり、かつ、表面の最大高さ粗さが0.025μm以上10.0μm以下である、水不溶性担体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
リガンドが結合し、
表面の算術平均粗さが0.01μm以上1.0μm以下であり、かつ、表面の最大高さ粗さが0.025μm以上10.0μm以下である、水不溶性担体。
続きを表示(約 390 文字)
【請求項2】
長手方向に対し垂直な断面の凸度が、0.90以上1.00以下である、請求項1記載の水不溶性担体。
【請求項3】
海島複合中実繊維である、請求項1又は2記載の繊維。
【請求項4】
前記リガンドが、カルボキシル基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、アミド基、イミダゾール基、活性ハロゲン基、エポキシ基及び酸無水物基からなる群から選択される官能基を含む、請求項1又は2記載の水不溶性担体。
【請求項5】
血球成分の付着を抑制する、請求項1又は2記載の水不溶性担体。
【請求項6】
前記血球成分が血小板である、請求項5記載の水不溶性担体。
【請求項7】
請求項1又は2記載の水不溶性担体を内蔵するカラム。
【請求項8】
血液浄化用である、請求項7記載のカラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、血小板等の血球成分の付着を抑制した水不溶性担体及びカラムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
血液等の処理液を体外に取り出し、処理液中の病因物質等の有害物質を吸着カラムによって吸着除去し、浄化してから再び体内に戻す治療としては、アフェレシスと呼ばれる血液浄化療法が普及している。アフェレシス療法としては主に単純血漿交換療法、二重濾過血漿交換療法、血液から血漿を分離した後で血漿の有害物質を除去する血漿吸着療法及び全血のまま有害物質を除去する血液吸着療法がある。
【0003】
血漿吸着療法や血液吸着療法は、吸着カラムに内蔵されたビーズや繊維等の吸着担体で血液を浄化する治療方法である。吸着担体がビーズの場合、吸着カラム内に均一に内蔵できるため、血液流れの偏りが少なく、カラム設計をし易い利点がある。しかし、カラム内でのビーズ間の隙間が狭く、圧力損失が増加して血液が詰まり易くなる懸念がある。一方、吸着担体が繊維の場合、カラム設計はビーズと比較して容易ではないものの、圧力損失の増大を防ぐことが可能である。
【0004】
有害物質の吸着性能を向上させる方法としては、吸着担体の表面形状又は内部の細孔径を制御する試みや、特定の有害物質と特異的に相互作用する化合物を吸着担体に結合させる試みが行われてきた。特に、特定の有害物質と特異的に相互作用する化合物による吸着は吸着選択性が高く、有害物質の効率的な吸着除去に好適である(特許文献1)。
【0005】
上記吸着材料は血液や血漿等と直接接触するため、高い吸着性能に加えて高度な血液適合性が要求される。すなわち、血小板や白血球の付着、活性化を抑制することが求められる。吸着材料の血液適合性を高める試みとしては、過去に、ヘパリン等の抗血栓性物質を材料表面に結合させる方法(特許文献2)や、表面を平滑化し、タンパク質の吸着を抑制した血液浄化膜が報告されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2019/049962号
特開2019-177061号公報
特開2005-224604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の吸着材料では、繊維に結合した、特定の有害物質と特異的に相互作用する化合物により、有害物質を効率的に吸着除去しているが、特定の有害物質と特異的に相互作用する化合物を結合させる過程で繊維表面に凹凸が生じるため、血小板等の血球成分も同時に吸着除去される問題があった。特許文献2の抗血栓性材料では、吸着担体表面に抗血栓性物質が結合しているために、有害物質を吸着するための化合物をさらに結合させることが困難であった。特許文献3の血液浄化膜は、血液浄化膜表面の凹凸を制御し、タンパク質吸着を抑制することで分離膜の分離性能を維持するものであり、リガンドを有していないため、有害物質の効率的な吸着除去は困難であった。また、リガンドを有する材料における表面の状態についても開示されていない。
【0008】
そこで本発明は、血小板等の血球成分の付着を抑制した水不溶性担体及び該水不溶性担体を内蔵したカラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、水不溶性担体にリガンドを結合させ、かつ、水不溶性担体表面の算術平均粗さ及び最大高さ粗さを所定の範囲とすることにより、血小板等の血球成分の付着を抑制可能であることを見出した。すなわち、上記課題を解決する本発明は、以下の構成からなる。
(1)リガンドが結合し、表面の算術平均粗さが0.01μm以上1.0μm以下であり、かつ、表面の最大高さ粗さが0.025μm以上10.0μm以下である、水不溶性担体
(2)長手方向に対し垂直な断面の凸度が0.90以上1.00以下である、上記(1)に記載の水不溶性担体
(3)海島複合中実繊維である、上記(1)又は(2)記載の水不溶性担体
(4)上記リガンドが、カルボキシル基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、アミド基、イミダゾール基、活性ハロゲン基、エポキシ基及び酸無水物基からなる群から選択される官能基を含む、上記(1)~(3)のいずれか記載の水不溶性担体
(5)血球成分の付着を抑制する、上記(1)~(4)のいずれか記載の水不溶性担体
(6)上記血球成分が血小板である、上記(5)に記載の水不溶性担体
(7)上記(1)~(6)のいずれかに記載の水不溶性担体を内蔵するカラム
(8)血液浄化用である、上記(7)に記載のカラム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、血小板等の血球成分の付着を抑制する水不溶性担体を提供することができる。さらに本発明の一実施形態によれば、血液中の特定の有害物質と特異的に相互作用する任意の化合物が該水不溶性担体に結合しているため、任意の有害物質を効率的に吸着除去することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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