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公開番号2024132075
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023042728
出願日2023-03-17
発明の名称分光分析を用いたエポキシ主剤成分と硬化剤成分の混合比の測定方法および繊維強化複合材料の製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類G01N 21/359 20140101AFI20240920BHJP(測定;試験)
要約【課題】本発明は、特定のエポキシ主剤成分と硬化剤成分を含む2成分型のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ主剤成分と硬化剤成分の混合比について極めて高い品質を要求される航空機構造材用途の測定方法の提供を目的とする。
【解決手段】(1)エポキシ主剤成分に、[A]テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンを70質量%以上90質量%以下含む。
(2)エポキシ主剤成分に、[B]ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含む。
(3)硬化剤成分に、[C]4,4’-メチレンビス(2-イソプロピル-6-メチルアニリン)および/または[D]4,4’-メチレンビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)を含む。
(4)硬化剤成分として、[C]の含有量または[D]の含有量が70質量%以上100質量%以下である。
(5)波長1,300以上1,400nm以下の分光分析スペクトルに対して、二次微分および重回帰分析をして混合比を測定する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記(1)~(5)を満たす、エポキシ主剤成分と硬化剤成分を含む2成分型のエポキシ樹脂組成物において、前記エポキシ主剤成分と前記硬化剤成分を混合したエポキシ樹脂組成物に対して分光分析を行い、エポキシ主剤成分と硬化剤成分の混合比を測定する測定方法。
(1)前記エポキシ主剤成分に、[A]テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンを、エポキシ主剤成分を100質量%としたとき、70質量%以上90質量%以下含む。
(2)前記エポキシ主剤成分に、[B]ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含む。
(3)前記硬化剤成分に、[C]4,4’-メチレンビス(2-イソプロピル-6-メチルアニリン)および/または[D]4,4’-メチレンビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)を含む。
(4)硬化剤成分を100質量%としたとき、[C]4,4’-メチレンビス(2-イソプロピル-6-メチルアニリン)の含有量または[D]4,4’-メチレンビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)の含有量が70質量%以上100質量%以下である。
(5)前記分光分析で得られた分光スペクトルのうち、波長1,300nm以上1,400nm以下の範囲の分光スペクトルに対して、二次微分および重回帰分析を実施して、エポキシ主剤成分と硬化剤成分の混合比を測定する。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記分光分析で得られた分光スペクトルのうち、波長1,350nm以上1,400nm以下の範囲の分光スペクトルに対して、二次微分および重回帰分析を実施して、エポキシ主剤成分と硬化剤成分の混合比を測定する請求項1に記載の測定方法。
【請求項3】
前記分光分析が、赤外分光法(IR)または近赤外分光法(NIR)である請求項1に記載の測定方法。
【請求項4】
先端部に吸光度を測定する受光部を有するプローブを、前記エポキシ樹脂組成物中に挿入することで前記分光分析を行う請求項1に記載の測定方法。
【請求項5】
前記分光分析において光路長が5mm以上10mm未満である請求項1に記載の測定方法。
【請求項6】
前記主剤成分が液状で、かつ前記硬化剤成分に含まれる化合物がいずれも融点を有する常温で固体の化合物であり、加熱して液状とした前記硬化剤成分と前記エポキシ主剤成分とを混合してエポキシ樹脂組成物とした後に、前記分光分析を行う請求項1に記載の測定方法。
【請求項7】
前記硬化剤成分に含まれる化合物の融点がいずれも60℃以上90℃以下である請求項6に記載の測定方法。
【請求項8】
前記エポキシ主剤成分に[B]ビスフェノールF型エポキシ樹脂を、エポキシ主剤成分を100質量%としたとき、10質量%以上30質量%以下含む請求項1に記載の測定方法。
【請求項9】
前記硬化剤成分に、[E]4,4’-メチレンビス(3,3’,5,5’-テトライソプロピルアニリン)をさらに含む請求項1に記載の測定方法。
【請求項10】
前記エポキシ主剤成分に、[F]シェル部分にエポキシ基を含むコアシェルゴム粒子をさらに含み、前記コアシェルゴム粒子の体積平均粒子径が50nm以上300nm以下の範囲内である、請求項1に記載の測定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化複合材料用の2成分型のエポキシ樹脂組成物における、エポキシ主剤成分と硬化剤成分の混合比の測定方法、およびその測定方法でエポキシ主剤成分と硬化剤成分の混合比を測定したエポキシ樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料は、強化繊維とマトリックス樹脂の利点を生かした材料設計ができるため、航空宇宙分野を始めとして、スポーツ分野、一般産業分野等にも用途が拡大されている。
【0003】
強化繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ボロン繊維等が用いられる。マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも用いられるが、強化繊維への含浸が容易な熱硬化性樹脂が用いられることが多い。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂等が用いられる。
【0004】
繊維強化複合材料の成形方法としては、プリプレグ法、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、プルトルージョン法、RTM(Resin Transfer Molding)法等の方法が適用される。プリプレグ法は、強化繊維にエポキシ樹脂組成物を含浸したプリプレグを所望の形状に積層し、加熱することによって成形物を得る方法である。このプリプレグ法は航空機や自動車等の構造材用途で要求される高い材料強度を有する繊維強化複合材料の生産には向いているが、プリプレグの作製、積層等の多くのプロセスを経ることを必要とするため、少量生産しかできず、大量生産には不向きであり、生産性に課題がある。一方、RTM法は、加熱した成形型内に配置した強化繊維基材に液状のエポキシ樹脂組成物を注入し、含浸させ、当該成形型内で加熱硬化して成形物を得る方法である。この方法であれば成形型を用意することで、プリプレグ作製工程を介さずに短時間で繊維強化複合材料を成形できるだけでなく、複雑な形状の繊維強化複合材料でも容易に成形が可能という利点がある。
【0005】
液状のエポキシ樹脂組成物としては、1成分型あるいは2成分型エポキシ樹脂組成物が用いられる。1成分型エポキシ樹脂組成物とは、エポキシ樹脂、硬化剤を含め、全ての成分が1つにあらかじめ混合されたエポキシ樹脂組成物のことである。それに対し、エポキシ樹脂を主成分として含むエポキシ主剤成分と硬化剤を主成分として含む硬化剤成分とから構成され、使用直前にエポキシ主剤成分と硬化剤成分の2成分を混合して用いるエポキシ樹脂組成物を2成分型エポキシ樹脂組成物という。
【0006】
1成分型エポキシ樹脂組成物の場合、保管中にも硬化反応が進行するため冷凍保管が必要となる。また、1成分型エポキシ樹脂組成物では、硬化剤成分として反応性の低い固形状のものを選択する場合が多く、強化繊維に1液型エポキシ樹脂組成物を含浸させるためにはプレスロール等を使用して高い圧力で押し込まなくてはならない。2成分型エポキシ樹脂組成物では、エポキシ主剤成分および硬化剤成分とも液状とすることで、主剤成分と硬化剤成分の混合物も低粘度な液状とすることができ、エポキシ樹脂組成物を強化繊維へ含浸させることが容易になる。また2成分型エポキシ樹脂組成物では、エポキシ主剤成分と硬化剤成分とを別々に保管するため、保管条件に特に制限なく長期保管も可能である。
【0007】
RTM法等において、繊維強化複合材料を高効率で生産するためには、樹脂硬化時間の短縮化が必要不可欠である。この点において、2成分型エポキシ樹脂組成物は、エポキシ主剤成分と硬化剤成分を混合して初めて硬化が進行するため、高い反応性の硬化剤や促進剤を配合した高速硬化型エポキシ樹脂組成物を適用しやすく、好ましい。また、エポキシ主剤成分と硬化剤成分を混合後は硬化反応による粘度上昇が1成分型エポキシ樹脂よりも早いため、2成分の混合、混合比の測定、強化繊維基材への注入、含浸、加熱硬化の一連の作業を連続的かつ速やかに実施する必要がある。また、極めて高い品質を要求される航空機構造材用途においては、耐熱性や力学特性に影響を及ぼす混合比に関して、高精度の測定および制御が要求される。
【0008】
このような現状に対し、赤外吸収スペクトルを利用した樹脂注入方法が開示されており、混合比の測定と制御を可能とする方法が提案されている(特許文献1)。さらに、分光分析によりエポキシ主剤成分と硬化剤成分の混合比をインラインで測定後、樹脂を注入する装置が開示されており、混合比の測定と制御を可能とする装置が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公報第2018/007569号
特表2020-531674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述の特許文献1に記載の方法では、赤外吸収スペクトルによるエポキシ樹脂組成物の各成分の混合比測定が可能となるものの、エポキシ樹脂組成物の組成や混合比測定に利用するピークによっては高精度な混合比測定が不可能となる課題がある。
(【0011】以降は省略されています)

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