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公開番号2024131554
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023041890
出願日2023-03-16
発明の名称全粒粉
出願人日清製粉株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A23L 7/10 20160101AFI20240920BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】ベーカリー食品等の食品原料として好適な全粒粉の提供。
【解決手段】高分子量グルテニンサブユニットGlu-dと、低分子量グルテニンサブユニットGlu-B3g又はGlu-B3bを有する小麦の全粒粉であって、平均粒径が170~310μmであり、損傷澱粉量が3.5~7.0質量%である、全粒粉。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
高分子量グルテニンサブユニットGlu-D1dと、低分子量グルテニンサブユニットGlu-B3g又はGlu-B3bを有する小麦の全粒粉であって、
平均粒径が170~310μmであり、
損傷澱粉量が3.5~7.0質量%である、
全粒粉。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
D30が70~160μmである、請求項1記載の全粒粉。
【請求項3】
前記小麦がゆめちから系統の小麦である、請求項1記載の全粒粉。
【請求項4】
ベーカリー食品用小麦粉である、請求項1記載の全粒粉。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項記載の全粒粉を含有するベーカリー食品。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項記載の全粒粉を用いるベーカリー食品の製造方法。
【請求項7】
前記全粒粉を穀粉類の全量中5~100質量%含有する原料粉を用いる、請求項6記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の性質を有する全粒粉、及びそれを用いたベーカリー食品に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、食のトレーサビリティの観点から、国内産原料を用いた食品への関心が高まっている。例えば、ベーカリー食品や麺類の原料となる国内産(日本産)小麦粉に対する要望は、潜在的に高い。しかしながら、従来の国内産小麦品種由来の小麦粉は、輸入(外国産)小麦粉と比べて、ベーカリー食品原料としての品質は充分ではなかった。ベーカリー食品原料に適した国内産小麦粉の開発が望まれている。特許文献1、2には、いわゆる超強力小麦粉と呼ばれる特定の性状を有する小麦粉を、グルテン強度の弱い小麦粉に配合して原料小麦粉として使用することで、品質のよいパン類や麺類を製造することができることが記載されている。
【0003】
小麦全粒粉(以下「全粒粉」)は、小麦粒の全成分を含む小麦粉である。全粒粉は食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素に富み、健康に良い食材として注目されている。一方で、全粒粉は、ふすま成分を含むため、食感のざらつきや、ふすま独特のえぐみを有するなど食味や食感に問題があり、また二次加工性に劣る。特許文献3には、粒径75μmまでの累積体積が30%以上であり、粒径510μmまでの累積体積が80~95%である、二次加工性と食感が改善した全粒粉が記載されている。
【0004】
特許文献4には、マルトース価が220~320の範囲内である全粒粉が記載され、マルトース価が損傷澱粉量に関係していること、該全粒粉のマルトース価が当該範囲にあると、生地のべたつきやハンドリング、及び得られるベーカリー食品のボリュームや食感が良好になることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-350559号公報
特開2003-61603号公報
特開2022-44079号公報
特開2020-162593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ベーカリー食品等の食品原料として好適な全粒粉に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の代表的実施形態として、以下を提供する。
〔1〕高分子量グルテニンサブユニットGlu-D1dと、低分子量グルテニンサブユニットGlu-B3g又はGlu-B3bを有する小麦の全粒粉であって、
平均粒径が170~310μmであり、
損傷澱粉量が3.5~7.0質量%である、
全粒粉。
〔2〕D30が70~160μmである、〔1〕記載の全粒粉。
〔3〕前記小麦がゆめちから系統の小麦である、〔1〕又は〔2〕記載の全粒粉。
〔4〕ベーカリー食品用小麦粉である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項記載の全粒粉。
〔5〕〔1〕~〔4〕のいずれか1項記載の全粒粉を含有するベーカリー食品。
〔6〕〔1〕~〔4〕のいずれか1項記載の全粒粉を用いるベーカリー食品の製造方法。
〔7〕前記全粒粉を穀粉類の全量中5~100質量%含有する原料粉を用いる、〔6〕記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、食感、えぐみ、二次加工性が改善された超強力小麦の全粒粉を提供する。本発明の全粒粉は、ベーカリー食品の原料として好適である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
小麦粉生地の性質は、小麦グルテンの性質によるところが大きい。超強力小麦粉は、強力小麦粉と同様に硬質小麦由来のタンパク質含量が高い小麦粉であって、且つ強力小麦粉と比べてグルテンの質が強靭な小麦粉である。超強力小麦粉は、強力小麦粉と比べて強いグルテンネットワークを構築するので、より弾性の高い生地を形成する。
【0010】
超強力小麦粉の構築する強靭なグルテンは、グルテンを構成するグルテニンタンパク質間のS-S結合が強力小麦粉よりも密であることによると考えられている。グルテンを形成するタンパク質の1つであるグルテニンは、高分子量グルテニン(HMWG)サブユニットと、低分子量グルテニン(LMWG)サブユニットに分けられる。超強力小麦粉のグルテンの強靭さに貢献する因子としてHMWGサブユニットGlu-D1d、ならびにLMWGサブユニットGlu-B3g及びGlu-B3bが報告されている(池田達哉、「小麦の品質に関わるグルテンの遺伝的素質について」、作成日;2015年8月7日、修正日;2015年10月16日、[http://nihonnomugi.com/img/new2015/technologies/151016ikeda.pdf])。HMWGサブユニットにGlu-D1d、ならびにLMWGサブユニットにGlu-B3g又はGlu-B3bを有する小麦は、超強力小麦に分類される。
(【0011】以降は省略されています)

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