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公開番号2024122360
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029864
出願日2023-02-28
発明の名称マスコンクリートのひび割れ抑制工法
出願人五洋建設株式会社
代理人弁理士法人朝日特許事務所
主分類E04G 21/02 20060101AFI20240902BHJP(建築物)
要約【課題】マスコンクリートの水和反応による内外温度差に起因するひび割れの抑制効果が高い工法を提供する。
【解決手段】温度制御マット20-1,20-2内の相変化材料が環境温度に応じて相変化することで、マスコンクリートCの表面及び中心部を保温し、又は温度変化を抑制する。より具体的には、相変化材料の融点よりも高い環境温度へと変化する場合(例えば夜間から日中に移行する場合)、相変化材料が融解することで吸熱効果を発揮して温度上昇を抑制する。例えば図3のグラフにおいて、環境温度の上昇変化が曲線t1のとき、相変化材料の温度変化は曲線t2となる。よって、マスコンクリートC内の水和熱によってそのマスコンクリートCの表面の全部又は一部において温度上昇が生じたとしても、その温度上昇の変化が抑制される。これにより、表面の温度低下が抑制されることにより、表面と中心部間の急激な温度勾配の発生を抑えることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
打設されたマスコンクリートの外周面に、相変化材料を密封した温度制御マットを配置し、環境温度に応じて前記相変化材料が相変化することで前記マスコンクリートの表面及び中心部を保温し、又は、その温度変化を抑制する
マスコンクリートのひび割れ抑制工法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
環境温度に応じた照準温度の前記相変化材料を用いる
請求項1記載のマスコンクリートのひび割れ抑制工法。
【請求項3】
前記マスコンクリートの表面側及び中心部にそれぞれ温度計を設置し、
各々の前記温度計の計測結果に基づく情報を出力する
請求項1又は2に記載のマスコンクリートのひび割れ抑制工法。
【請求項4】
前記計測結果による前記マスコンクリートの前記表面側と前記中心部の温度差が閾値以内であることを確認して、前記温度制御マットを取り外す
請求項3に記載のマスコンクリートのひび割れ抑制工法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、打設されたマスコンクリートのひび割れを抑制するための技術に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)【背景技術】
【0002】
打設されたマスコンクリートが硬化する過程において水とセメントが反応して水和熱が発生することで内外温度差が生じ、その温度差によりマスコンクリートにひび割れが発生することが知られている。例えば特許文献1には、コンクリートの床版上面を濡れマット、湿布、濡れムシロ等の養生シートによって養生し、床版の内部に熱電対を、床版と養生シートとの間に温度計及び湿度計を設け、これら熱電対、温度計及び湿度計により計測した温度や湿度によりひび割れ指数を算出して養生期間を決定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6553347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術として、打設されたマスコンクリート表面を保温材で覆って内外温度差が所定の温度差(例えば15~20℃)になるまで存置することで、部材内外温度差に起因する内部拘束型温度ひび割れの発生リスクを低減する方法が知られている。
【0005】
しかし、この方法では保温材や型枠の熱伝導率に依存するため、保温のレベルを積極的に上下させるような調整を行うことができず、ひび割れの抑制効果には限界がある。また、マスコンクリートから保温材を取り外す際の急激な温度変化(サーマルショック)によってひび割れのリスクが増大するという問題もある。
【0006】
そこで、本発明は、マスコンクリート内部の水和熱の逸散を緩やかにするとともに、環境温度の影響を抑制し養生解除時の急激なコンクリートからの放熱(サーマルショック)に起因するひび割れの抑制効果が高い工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のマスコンクリートのひび割れ抑制工法は、打設されたマスコンクリートの外周面に、相変化材料を密封した温度制御マットを配置し、環境温度に応じて前記相変化材料が相変化することで前記マスコンクリートの表面及び中心部を保温し、又は、その温度変化を抑制する。
【0008】
環境温度に応じた照準温度の前記相変化材料を用いるようにしてもよい。
【0009】
前記マスコンクリートの表面側及び中心部にそれぞれ温度計を設置し、各々の前記温度計の計測結果に基づく情報を出力するようにしてもよい。
【0010】
前記計測結果による前記マスコンクリートの前記表面側と前記中心部の温度差が閾値以内であることを確認して、前記温度制御マットを取り外すようにしてもよい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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