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公開番号2025030178
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023135237
出願日2023-08-23
発明の名称耐震壁構造
出願人株式会社竹中工務店
代理人個人
主分類E04H 9/02 20060101AFI20250228BHJP(建築物)
要約【課題】柱梁架構の構面内に嵌め込まれて内周面に溝部が形成された枠体と、枠体の溝部に外周縁部が挿し込まれた板状の壁体と、を備え、溝部の両側面の少なくとも一方と壁体の外周縁部との間に弾性を有する構造シール材が介装されている耐震壁構造において、壁体の崩壊を有効に回避しながら優れた壁倍率を発揮する技術を提供する。
【解決手段】枠体10が、ガラス板30の外周端面30bが当接された溝部11の底面11bを構成すると共に、外周端面30bに沿う板状に形成されて外側の内部空間19に隣接して設けられた溝底板部16を有し、溝底板部16が、溝部11の底面11bの法線方向に沿ったガラス板30の枠体10に対する相対移動に追従して弾性的に曲げ変形する形態で、枠体10からガラス板30に対してガラス板30の面内方向に沿った外力を弾性的に伝達させる第1外力伝達手段Aとして機能する。
【選択図】図3


特許請求の範囲【請求項1】
柱梁架構の構面内に嵌め込まれて内周面に溝部が形成された枠体と、
前記枠体の溝部に外周縁部が挿し込まれた板状の壁体と、を備え、
前記溝部の両側面の少なくとも一方と前記壁体の外周縁部との間に弾性を有する構造シール材が介装されている耐震壁構造であって、
前記枠体が、前記壁体の外周端面が当接された前記溝部の底面を構成すると共に、当該外周端面に沿う板状に形成されて外側の内部空間に隣接して設けられた溝底板部を有し、
前記溝底板部が、前記溝部の底面の法線方向に沿った前記壁体の前記枠体に対する相対移動に追従して弾性的に曲げ変形する形態で、前記枠体から前記壁体に対して前記壁体の面内方向に沿った外力を弾性的に伝達させる第1外力伝達手段として機能する耐震壁構造。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記枠体において、前記溝部の両側部側に配置された一対の側壁部と、前記柱梁架構との間に外周側空間を介在させた状態で前記一対の側壁部の夫々の外周側端部に架設されて略中央部が前記柱梁架構側に固定された外周板部とを有すると共に、前記溝底板部が、前記外周板部との間に前記内部空間を介在させた状態で前記一対の側壁部の夫々に架設されており、
前記外周板部が、前記溝部の底面の法線方向に沿った前記枠体の前記柱梁架構に対する相対移動に追従して弾性的に曲げ変形する形態で、前記柱梁架構から前記枠体に対して前記壁体の面内方向に沿った外力を弾性的に伝達させる第2外力伝達手段として機能する請求項1に記載の耐震壁構造。
【請求項3】
前記枠体を構成する縦材と横材との接合部において、当該縦材における前記溝底板部及び前記外周板部と、当該横材における前記溝底板部及び前記外周板部とが、互いに分割されている請求項2に記載の耐震壁構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、柱梁架構の構面内に嵌め込まれて内周面に溝部が形成された枠体と、前記枠体の溝部に外周縁部が挿し込まれた板状の壁体と、を備え、前記溝部の両側面の少なくとも一方と前記壁体の外周縁部との間に弾性を有する構造シール材が介装されている耐震壁構造に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
耐震壁構造として、意匠性を確保するべく、ガラス等の板状の壁体を耐震要素として利用するものが知られている(例えば特許文献1を参照。)。特許文献1記載の耐震壁構造では、柱梁架構の構面内に嵌め込まれた枠体(サッシ枠材)の内周面に形成された溝部に対して、ガラス等の板状の壁体(透明面材)の外周縁部が挿し込まれている。そして、枠体の溝部と壁体の外周縁部との間には雨水の進入を阻止するためのシーリングとしても機能する粘性体が介装されており、この粘性体の変形による減衰作用により、枠体から壁体に対して伝達される地震などによる振動エネルギーを吸収することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001-193357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の耐震壁構造では、振動エネルギーを吸収することはできるものの、例えば壁体として比較的脆性なガラス板を利用した場合でも耐震性を向上して優れた壁倍率を達成するには限界がある。即ち、上記粘性体の変形による減衰作用は振動エネルギーの吸収には有効であるものの、枠体に対する壁体の面内方向に沿った相対変位の速度の変化が少ない場合には、枠体から壁体に対して伝達される外力に対する抗力を発現しないため、壁倍率向上に対する寄与度は小さい。また、枠体に対する壁体の面内方向に沿った相対変位が進行して粘性体の変形が限界に達すると、壁体に対して急激に大きな外力が伝達されることになるので、当該急激な外力の伝達による壁体の崩壊が問題となる。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、柱梁架構の構面内に嵌め込まれて内周面に溝部が形成された枠体と、前記枠体の溝部に外周縁部が挿し込まれた板状の壁体と、を備え、前記溝部の両側面の少なくとも一方と前記壁体の外周縁部との間に弾性を有する構造シール材が介装されている耐震壁構造において、壁体の崩壊を有効に回避しながら優れた壁倍率を発揮する技術を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、柱梁架構の構面内に嵌め込まれて内周面に溝部が形成された枠体と、
前記枠体の溝部に外周縁部が挿し込まれた板状の壁体と、を備え、
前記溝部の両側面の少なくとも一方と前記壁体の外周縁部との間に弾性を有する構造シール材が介装されている耐震壁構造であって、
前記枠体が、前記壁体の外周端面が当接された前記溝部の底面を構成すると共に、当該外周端面に沿う板状に形成されて外側の内部空間に隣接して設けられた溝底板部を有し、
前記溝底板部が、前記溝部の底面の法線方向に沿った前記壁体の前記枠体に対する相対移動に追従して弾性的に曲げ変形する形態で、前記枠体から前記壁体に対して前記壁体の面内方向に沿った外力を弾性的に伝達させる第1外力伝達手段として機能する点にある。
【0006】
本構成によれば、柱梁架構の構面内に嵌め込まれた枠体の内周面に形成された溝部に板状の壁体の外周縁部が挿し込まれており、その枠体の溝部において壁体の外周端面が当接された溝底板部において、外側に内部空間が隣接して設けられているので、当該溝底板部は外側の内部空間に向けて曲げ変形可能となる。よって、この溝底板部を溝部の底面の法線方向に沿った壁体の枠体に対する相対移動に追従して弾性的に曲げ変形する形態で上記第1外力伝達手段として機能させることができる。そして、枠体から壁体に伝達される上記外力の大きさは、壁体の相対移動に伴う溝底板部の曲げ変形量に応じて漸次拡大するものとなるので、枠体から壁体に対して急激な外力が伝達されることを回避して、当該壁体の崩壊を有効に回避することができる。また、枠体から壁体に伝達される上記外力に対して有効に当該壁体の剛性による抗力を発現させることができるので、耐震性の向上を図ることができる。
従って、本発明により、柱梁架構の構面内に嵌め込まれて内周面に溝部が形成された枠体と、前記枠体の溝部に外周縁部が挿し込まれた板状の壁体と、を備え、前記溝部の両側面の少なくとも一方と前記壁体の外周縁部との間に弾性を有する構造シール材が介装されている耐震壁構造において、壁体の崩壊を有効に回避しながら優れた壁倍率を発揮する技術を提供することができる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記枠体において、前記溝部の両側部側に配置された一対の側壁部と、前記柱梁架構との間に外周側空間を介在させた状態で前記一対の側壁部の夫々の外周側端部に架設されて略中央部が前記柱梁架構側に固定された外周板部とを有すると共に、前記溝底板部が、前記外周板部との間に前記内部空間を介在させた状態で前記一対の側壁部の夫々に架設されており、
前記外周板部が、前記溝部の底面の法線方向に沿った前記枠体の前記柱梁架構に対する相対移動に追従して弾性的に曲げ変形する形態で、前記柱梁架構から前記枠体に対して前記壁体の面内方向に沿った外力を弾性的に伝達させる第2外力伝達手段として機能する点にある。
【0008】
本構成によれば、枠体の溝底板部において、壁体の外周端面が当接される溝部の底面側とは反対側である外周板部側に内部空間が隣接して設けられているので、当該溝底板部を、上述した第1外力伝達手段として、溝部の底面の法線方向に沿った壁体の枠体に対する相対移動に追従して曲げ変形自在な構成とすることができる。
更に、枠体において溝底板部と同様に一対の側壁部に架設されて略中央部が柱梁架構側に固定された外周板部において、柱梁架構側には外周側空間が隣接して設けられており、その反対側である溝底板部側には内部空間が隣接して設けられているので、当該外周板部は、溝部の底面の法線方向に沿った枠体の柱梁架構に対する相対移動に追従して弾性的に曲げ変形自在となる。よって、この外周板部を、このような曲げ変形する形態で上記第2外力伝達手段として機能させることができる。そして、柱梁架構から枠体に伝達される上記外力の大きさは、枠体の相対移動に伴う外周板部の曲げ変形量に応じて漸次拡大するものとなるので、柱梁架構から枠体を通じて壁体に対して急激な外力が伝達されることを回避して、当該枠体の崩壊を有効に回避することができる。また、柱梁架構から枠体を通じて壁体に伝達される上記外力に対して有効に当該壁体の剛性による外力を発現させることができるので、耐震性の向上を図ることができる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記枠体を構成する縦材と横材との接合部において、当該縦材における前記溝底板部及び前記外周板部と、当該横材における前記溝底板部及び前記外周板部とが、互いに分割されている点にある。
【0010】
本構成によれば、枠体を構成する縦材と横材との接合部において、当該縦材における溝底板部及び外周板部と、当該横材における溝底板部及び外周板部とが、互いに分割されているので、互いに干渉することなく曲げ変形可能となり、これら溝底板部及び外周板部を有効に上述した第1外力伝達手段及び第2外力伝達手段として機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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