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公開番号2024121596
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-06
出願番号2023028778
出願日2023-02-27
発明の名称噴霧凍結造粒装置及びその利用
出願人学校法人 名城大学
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類B01J 2/06 20060101AFI20240830BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】簡易な構造で連続して噴霧凍結乾燥法を実施できる技術を提供する。
【解決手段】1又は2以上の溶質を含む試料液Mを噴霧可能な2つノズル14a、14bと、霧化された試料液Mを凍結するために冷却媒体によって冷却可能な凍結チャンバ52と、を備える。2以上のノズル14a、14bのうちノズル14aが凍結チャンバ52の内部に試料液Mを噴霧し、他ノズル14bが凍結チャンバ52の外部で待機するように構成されている。待機しているノズル14bでは、凍結チャンバ52の外部にあるため、凍結付着物の融解や促進又は抑制される。使用中のノズル14aに替えて待機中のノズル14bを用いることで、連続的な噴霧凍結造粒が可能となる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
1又は2以上の溶質を含む試料液を噴霧可能な2以上のノズルと、
霧化された前記試料液を凍結するために冷却媒体によって冷却可能な1又は2以上の凍結チャンバと、を備え、
前記2以上のノズルのうち1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの内部に前記試料液を噴霧し、他の1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの外部で待機するように構成されている、噴霧凍結造粒装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
さらに、前記他の1又は2以上のノズルが待機するとき、前記他の1又は2以上のノズルを加熱する加熱ユニットを備える、請求項1に記載の噴霧凍結造粒装置。
【請求項3】
前記1又は2以上の凍結チャンバは、前記1又は2以上のノズルが挿入及び退避可能なノズル通過部を備えている、請求項1に記載の噴霧凍結造粒装置。
【請求項4】
前記1又は2以上の凍結チャンバは、上方に開口し、前記開口部を介して前記冷却媒体が供給されるように構成されている、請求項1に記載の噴霧凍結造粒装置。
【請求項5】
前記1又は2以上の凍結チャンバ内に前記冷却媒体が供給されるように構成されている、請求項1に記載の噴霧凍結造粒装置。
【請求項6】
前記1又は2以上の凍結チャンバ内の前記冷却媒体量を取得するためのセンサを有しており、
取得した前記冷却媒体量が所定量以下になったとき、前記冷却媒体が前記1又は2以上の凍結チャンバに供給されるように構成されている、請求項5に記載の噴霧凍結造粒装置。
【請求項7】
噴霧凍結造粒モジュールと、
制御部と、
を備え、
前記噴霧凍結造粒モジュールは、1又は2以上の溶質を含む試料液を噴霧可能な2以上のノズルと、霧化された前記試料液を凍結するために冷却媒体によって冷却可能な1又は2以上の凍結チャンバと、を備え、前記2以上のノズルのうち1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの内部に前記試料液を噴霧し、他の1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの外部で待機するように構成されており、
前記制御部は、前記1又は2以上のノズルが前記試料液を噴霧中に凍結により閉塞するのに先だって前記試料液の噴霧を停止し、前記1又は2以上のノズルを、前記他の1又は2以上のノズルであって閉塞していないノズルで交替させて前記試料液を噴霧させる、噴霧凍結造粒システム。
【請求項8】
噴霧凍結造粒モジュールと、
前記噴霧凍結造粒モジュールによる凍結造粒物を乾燥する乾燥モジュールと、
を備え、
前記噴霧凍結造粒モジュールは、1又は2以上の溶質を含む試料液を噴霧可能な2以上のノズルと、霧化された前記試料液を凍結するために冷却媒体によって冷却可能な1又は2以上の凍結チャンバと、を備え、前記2以上のノズルのうち1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの内部に前記試料液を噴霧し、他の1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの外部で待機するように構成されている、噴霧凍結乾燥装置。
【請求項9】
前記凍結チャンバは、前前記噴霧凍結造粒モジュールに対して着脱可能であり、
前記乾燥モジュールは、前記噴霧凍結造粒モジュールから取り外された前記凍結チャンバ内の凍結造粒物を乾燥するように構成されている、請求項9に記載の噴霧凍結乾燥装置。
【請求項10】
噴霧凍結造粒モジュールと、
前記噴霧凍結造粒モジュールによる凍結造粒物を乾燥する乾燥モジュールと、
制御部と、
を備え、
前記噴霧凍結造粒モジュールは、1又は2以上の溶質を含む試料液を噴霧可能な2以上のノズルと、霧化された前記試料液を凍結するために冷却媒体によって冷却可能な1又は2以上の凍結チャンバと、を備え、前記2以上のノズルのうち1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの内部に前記試料液を噴霧し、他の1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの外部で待機するように構成されており、
前記制御部は、前記1又は2以上のノズルが凍結により閉塞するのに先だって前記試料液の噴霧を停止し、前記他の1又は2以上のノズルであって閉塞していないノズルで交替させて前記試料液を噴霧させる、噴霧凍結乾燥システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書は、噴霧凍結造粒装置及びその利用等に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
噴霧凍結乾燥(Spray Freeze-Drying;SFD)法は、微粒子化しようとする溶質を含む試料液を、ノズルから液体窒素などの冷却媒体中に噴霧し、造粒して得られる氷滴を含む凍結造粒物を、さらに乾燥して液体を昇華させることで、乾燥した粒子を含む乾燥粉末を得る方法である。低温で微細な中空多孔質の微粒子などを得ることができるため、種々の用途の粉末材料として有望である。
【0003】
一方で、噴霧凍結造粒ステップで用いる試料液を噴霧するノズルにおいて、試料液が凍結してノズル内などに付着してノズルを閉塞させるという問題がある。ノズルが閉塞すると、試料液の噴霧及び凍結造粒を停止せざるを得ないため、連続的な造粒及び大量の造粒を阻害していた。
【0004】
このような問題を解決するため、例えば、ノズルに清掃液を噴霧して凍結付着物を除去することや(特許文献1)、ノズルの吐出部近傍に凍結防止ガスを供給するガス供給部を備えるようにすることが記載されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-153560号公報
国際公開第2019/175954
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの手法では、ノズルの閉塞解消のために固有の手段と配管系を備えることとなり、装置全体及び噴霧機構の近傍の構造を複雑化するおそれもある。また、これらの手法では、噴霧凍結機構の噴霧部近傍においてノズルを加熱するものであって、噴霧凍結プロセスにこうした噴霧部近傍においてノズルを加熱することが影響を及ぼす場合もある。
【0007】
本明細書は、簡易な構造で連続して噴霧凍結造粒を実施できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、連続して噴霧凍結造粒を行うのにあたり、複数のノズルのうち、一部のノズルを噴霧凍結造粒に用い、残部の少なくとも一部のノズルを凍結チャンバの外部で待機させることで、一旦、試料液の凍結付着物などにより閉塞した又は閉塞しそうなノズルであっても、待機中にノズルの閉塞を解消又は回避できることがわかった。また、使用中のノズルを、ノズルの閉塞が解消等された待機中のノズルで交替することで、閉塞しない状態のノズルを用いて継続的な噴霧凍結が可能であることがわかった。こうした複数のノズルの交替利用は、簡易にかつ迅速にノズルの閉塞を解消することができ、結果として、噴霧凍結造粒による連続的な造粒及び乾燥粉末の効率的な製造に貢献するという知見を得た。本明細書によれば、これらの知見に基づき、以下の手段が提供される。
【0009】
[1]1又は2以上の溶質を含む試料液を噴霧可能な2以上のノズルと、
霧化された前記試料液を凍結するために冷却媒体によって冷却可能な1又は2以上の凍結チャンバと、を備え、
前記2以上のノズルのうち1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの内部に前記試料液を噴霧し、他の1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの外部で待機するように構成されている、噴霧凍結造粒装置。
[2]さらに、前記他の1又は2以上のノズルが待機するとき、前記他の1又は2以上のノズルを加熱する加熱ユニットを備える、[1]に記載の噴霧凍結造粒装置。
[3]前記1又は2以上の凍結チャンバは、前記1又は2以上のノズルが挿入及び退避可能なノズル通過部を備えている、[1]又は[2]に記載の噴霧凍結造粒装置。
[4]前記1又は2以上の凍結チャンバは、上方に開口し、前記開口部を介して前記冷却媒体が供給されるように構成されている、[1]~[3]のいずれかに記載の噴霧凍結造粒装置。
[5]前記1又は2以上の凍結チャンバ内に前記冷却媒体が供給されるように構成されている、[1]~[4]のいずれかに記載の噴霧凍結造粒装置。
[6]前記1又は2以上の凍結チャンバ内の前記冷却媒体量を取得するためのセンサを有しており、
取得した前記冷却媒体量が所定量以下になったとき、前記冷却媒体が前記1又は2以上の凍結チャンバに供給されるように構成されている、[5]に記載の噴霧凍結造粒装置。
[7]噴霧凍結造粒モジュールと、
制御部と、
を備え、
前記噴霧凍結造粒モジュールは、1又は2以上の溶質を含む試料液を噴霧可能な2以上のノズルと、霧化された前記試料液を凍結するために冷却媒体によって冷却可能な1又は2以上の凍結チャンバと、を備え、前記2以上のノズルのうち1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの内部に前記試料液を噴霧し、他の1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの外部で待機するように構成されており、
前記制御部は、前記1又は2以上のノズルが前記試料液を噴霧中に凍結により閉塞するのに先だって前記試料液の噴霧を停止し、前記1又は2以上のノズルを、前記他の1又は2以上のノズルであって閉塞していないノズルで交替させて前記試料液を噴霧させる、噴霧凍結造粒システム。
[8]噴霧凍結造粒モジュールと、
前記噴霧凍結造粒モジュールによる凍結造粒物を乾燥する乾燥モジュールと、
を備え、
前記噴霧凍結造粒モジュールは、1又は2以上の溶質を含む試料液を噴霧可能な2以上のノズルと、霧化された前記試料液を凍結するために冷却媒体によって冷却可能な1又は2以上の凍結チャンバと、を備え、前記2以上のノズルのうち1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの内部に前記試料液を噴霧し、他の1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの外部で待機するように構成されている、噴霧凍結乾燥装置。
[9]前記凍結チャンバは、前記噴霧凍結造粒モジュールに対して着脱可能であり、
前記乾燥モジュールは、前記噴霧凍結造粒モジュールから取り外された前記凍結チャンバ内の凍結造粒物を乾燥するように構成されている、[8]に記載の噴霧凍結乾燥装置。
[10]噴霧凍結造粒モジュールと、
前記噴霧凍結造粒モジュールによる凍結造粒物を乾燥する乾燥モジュールと、
制御部と、
を備え、
前記噴霧凍結造粒モジュールは、1又は2以上の溶質を含む試料液を噴霧可能な2以上のノズルと、霧化された前記試料液を凍結するために冷却媒体によって冷却可能な1又は2以上の凍結チャンバと、を備え、前記2以上のノズルのうち1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの内部に前記試料液を噴霧し、他の1又は2以上のノズルが前記1又は2以上の凍結チャンバの外部で待機するように構成されており、
前記制御部は、前記1又は2以上のノズルが凍結により閉塞するのに先だって前記試料液の噴霧を停止し、前記他の1又は2以上のノズルであって閉塞していないノズルで交替させて前記試料液を噴霧させる、噴霧凍結乾燥システム。
[11]粒子の製造方法であって、
1又は2以上の溶質を含む試料液を1又は2以上のノズルで凍結チャンバに噴霧して、霧化された試料液を凍結して凍結造粒物を製造する噴霧凍結造粒工程と、
前記凍結造粒物を乾燥して乾燥粒子を取得する乾燥工程と、
を備え、
前記噴霧凍結造粒工程は、前記1又は2以上のノズルで前記試料液を噴霧しつつ、前記1又は2以上のノズルと交替可能に前記試料液を噴霧可能に他の1又は2以上のノズルを前記凍結チャンバの外部に待機させることを含む、方法。
[12]前記噴霧凍結造粒工程は、前記1又は2以上のノズルが閉塞するのに先だって前記試料液の噴霧を停止し、前記他の1又は2以上のノズルであって閉塞していないノズルで交替して前記試料液を噴霧することを含む、[11]に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に開示される噴霧凍結乾燥システムの一例を示す図である。
噴霧凍結乾燥システムにおける噴霧凍結造粒プロセスのフローの一例を示す図である。
噴霧凍結乾燥システムにおける噴霧凍結造粒プロセスのフローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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