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公開番号
2024155681
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023176099
出願日
2023-10-11
発明の名称
III族窒化物半導体の製造方法
出願人
豊田合成株式会社
,
学校法人 名城大学
代理人
弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類
H01L
21/205 20060101AFI20241024BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】高品質なIII族窒化物半導体を提供する。
【解決手段】III族窒化物半導体の製造方法は、サファイア基板上に、GaN、AlGaNまたはAlNの核11Aを発生させて結晶核層11を形成する結晶核層形成工程と、結晶核層形成工程よりも低い温度で、核11AからAlGaNまたはAlNを成長させて隣り合う核11Aからの結晶同士を合体させ、低温三次元成長層12Aを形成する低温三次元成長層形成工程と、低温三次元成長層形成工程よりも高い温度であって結晶核層形成工程の温度以下で、低温三次元成長層12AからAlGaNまたはAlNを成長させて高温三次元成長層12Bを形成する高温三次元成長層形成工程と、を有する。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
サファイア基板上に、GaN、AlGaNまたはAlNの核を発生させて結晶核層を形成する結晶核層形成工程と、
前記結晶核層形成工程よりも低い温度で、前記核からAlGaNまたはAlNを成長させて隣り合う前記核からの結晶同士を合体させ、低温三次元成長層を形成する低温三次元成長層形成工程と、
前記低温三次元成長層形成工程よりも高い温度であって前記結晶核層形成工程の温度以下で、前記低温三次元成長層からAlGaNまたはAlNを成長させて高温三次元成長層を形成する高温三次元成長層形成工程と、を有するIII族窒化物半導体の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記結晶核層形成工程の温度は1100℃以上1200℃以下であり、
前記低温三次元成長層形成工程の温度は900℃以上1100℃以下であり、
前記高温三次元成長層形成工程の温度は1050℃以上1200℃以下である、請求項1に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
【請求項3】
前記高温三次元成長層形成工程の後、前記高温三次元成長層形成工程以上の温度で、前記高温三次元成長層からAlGaNまたはGaドープのAlNを成長させて二次元成長層を形成する二次元成長層形成工程をさらに有する、請求項1または請求項2に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
【請求項4】
前記二次元成長層形成工程において、Gaの供給量は時間の経過とともに増加させる、請求項3に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
【請求項5】
前記二次元成長層形成工程の温度は、1100℃以上1200℃以下である、請求項3に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
【請求項6】
前記二次元成長層の成長終了時におけるウェハの曲率は50km
-1
以上300km
-1
以下である、請求項3に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
【請求項7】
サファイア基板上に、GaN、AlGaNまたはAlNの核を発生させて結晶核層を形成する結晶核層形成工程と、
前記結晶核層よりも遅い成長速度で、前記核からAlGaNまたはAlNを成長させて隣り合う前記核からの結晶同士を合体させ、低温三次元成長層を形成する低温三次元成長層形成工程と、
前記低温三次元成長層よりも速い成長速度であって前記結晶核層の成長速度以下で、前記低温三次元成長層からAlGaNまたはAlNを成長させて高温三次元成長層を形成する高温三次元成長層形成工程と、を有するIII族窒化物半導体の製造方法。
【請求項8】
前記結晶核層の成長速度は5nm/min以上100nm/min以下であり、
前記低温三次元成長層の成長速度は2nm/min以上20nm/min以下であり、
前記高温三次元成長層の成長速度は5nm/min以上50nm/min以下である、請求項7に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
【請求項9】
前記高温三次元成長層形成工程の後、前記高温三次元成長層の成長速度以上で、前記高温三次元成長層からAlGaNまたはGaドープのAlNを成長させて二次元成長層を形成する二次元成長層形成工程をさらに有する、請求項7または請求項8に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
【請求項10】
前記二次元成長層形成工程において、Gaの供給量は時間の経過とともに増加させる、請求項9に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、III族窒化物半導体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
III族窒化物半導体を用いた固体発光素子の紫外線の波長は約210~400nmの範囲の波長帯に対応している。特にUVC(波長100~280nm)は効率的に殺菌、除菌できることが知られており、発光波長がUVCに対応する紫外光を放射するIII族窒化物半導体LEDの需要が高まっている。紫外線LEDは、サファイア基板上にAlN層を形成し、AlN層上にAlGaNからなるn型層、発光層、p型層を積層した構成である。
【0003】
非特許文献1には、AlNにGaをドープして高品質なAl
0.99
Ga
0.01
Nを成膜可能であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-154964号公報
特表2012-522388号公報
特開2005-72409号公報
特開2016-157951号公報
【非特許文献】
【0005】
Jpn. J. Appl. Phys. 56 015504 2017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
AlNは高融点でかつNの解離蒸気圧が高い材料であり、GaNの成長温度帯である1000~1200℃帯では結晶成長中での原子のマイグレーションが悪く、三次元成長してしまい平坦な結晶面とすることが難しい。また、Al原料ガスであるTMAl(トリメチルアルミニウム)は反応性が高く、TMAlが基板に到達する前に分解・反応し化合物を形成してしまい、結晶成長に寄与できる原料濃度が低下し、原料効率が悪化し易い。このような理由により、減圧成長下で成長が実施され、一般的には1000℃程度の低温で核を成長させた後に1200℃程度でAlNを三次元成長させ、その後1300℃以上の高温でAlNを成長させ平坦化していた。
【0007】
しかし、一般的な成長装置はそのような高温に対応しておらず、高温に対応した成長装置を使用する必要がある。たとえば、出力の高い加熱装置や効率のよい冷却装置が必要であったり、高温でも分解、軟化しない部材で構成する必要があったりした。また、高温により部材の劣化も加速する。たとえば、ヒーター部材、サセプタ、真空パッキンなどの劣化が著しい。そのため、ランニングコストが増大してしまう。
【0008】
そこで、一般的な成長装置で対応可能な温度範囲において、高品質なAlNを成膜することができる技術が求められていた。
【0009】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、高品質なIII族窒化物半導体の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、
サファイア基板上に、GaN、AlGaNまたはAlNの核を発生させて結晶核層を形成する結晶核層形成工程と、
前記結晶核層形成工程よりも低い温度で、前記核からAlGaNまたはAlNを成長させて隣り合う前記核からの結晶同士を合体させ、低温三次元成長層を形成する低温三次元成長層形成工程と、
前記低温三次元成長層形成工程よりも高い温度であって前記結晶核層形成工程の温度以下で、前記低温三次元成長層からAlGaNまたはAlNを成長させて高温三次元成長層を形成する高温三次元成長層形成工程と、を有するIII族窒化物半導体の製造方法にある。
(【0011】以降は省略されています)
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