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公開番号2025028478
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-03
出願番号2023133320
出願日2023-08-18
発明の名称同軸フィルタ
出願人三菱電機株式会社
代理人個人
主分類H01P 1/202 20060101AFI20250221BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】中心導体を複雑に加工することなく、フィルタ回路に必要なキャパシタンス成分を実現することができる同軸フィルタを得ること。
【解決手段】同軸フィルタ1は、中心軸を含む領域に延在方向に貫通する中心孔を有する円柱状の誘電体部12と、誘電体部12の中心孔に充填される中心導体11と、誘電体部12の中心軸に沿う側面を覆うように設けられる円筒状の外部導体13と、を備える。誘電体部12は、中心導体11と接触する導体パターン142が1つの底面に配置される円柱状の誘電体122と、外部導体13と接触する導体パターン143が1つの底面に配置される円柱状の誘電体123と、を有し、導体パターン142および導体パターン143が接触しないように中心軸の延在方向に誘電体122と誘電体123とを積層した構造を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
中心軸を含む領域に延在方向に貫通する中心孔を有する円柱状の誘電体部と、
前記誘電体部の前記中心孔に充填される中心導体と、
前記誘電体部の前記中心軸に沿う側面を覆うように設けられる円筒状の外部導体と、
を備え、
前記誘電体部は、前記中心導体と接触する第１導体パターンが１つの底面に配置される円柱状の第１誘電体と、前記外部導体と接触する第２導体パターンが１つの底面に配置される円柱状の第２誘電体と、を有し、前記第１導体パターンおよび前記第２導体パターンが接触しないように前記中心軸の延在方向に前記第１誘電体と前記第２誘電体とを積層した構造を有することを特徴とする同軸フィルタ。
続きを表示（約 490 文字）【請求項２】
前記誘電体部は、底面に導体パターンが配置されない円柱状の第３誘電体をさらに有し、２つの前記第３誘電体の間に、前記第１誘電体および前記第２誘電体が前記中心軸の延在方向に積層した構造を有することを特徴とする請求項１に記載の同軸フィルタ。
【請求項３】
前記第１誘電体および前記第２誘電体の積層構造が、前記第３誘電体を挟んで複数繰り返されることを特徴とする請求項２に記載の同軸フィルタ。
【請求項４】
前記第１導体パターンと前記第２導体パターンとの間に挟まれる前記第１誘電体または前記第２誘電体の前記中心軸に沿う方向の厚みと、前記第１導体パターンと前記第２導体パターンとが前記中心軸に垂直な面で重複する面積と、前記誘電体部の比誘電率と、のうち少なくとも１つを変えることによって、前記同軸フィルタのキャパシタンスを調整することを特徴とする請求項１に記載の同軸フィルタ。
【請求項５】
前記中心導体の径を変えることによって、前記同軸フィルタのインダクタンスを調整することを特徴とする請求項１に記載の同軸フィルタ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、モジュール内で発生する高調波の漏洩を抑制する同軸フィルタに関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
一般的に、高周波の送受信モジュールであるモジュール内に搭載するＲＦ（Radio Frequency）アンプ、スイッチング用のダイオード等は非線形デバイスのため高調波が発生する。多くの場合、モジュール外への高調波の漏洩を防ぐために、モジュール内に高調波フィルタを実装し対策する。高調波フィルタとしては、マイクロストリップ線路、ストリップ線路などの伝送線路基板上にフィルタを形成することが一般的である。フィルタ回路には、ショートスタブによる帯域除去フィルタ（Band-Rejection Filter：ＢＲＦ）、高インピーダンスおよび低インピーダンスを繰り返す低域通過フィルタ（Low-Pass Filter：ＬＰＦ）等の種々のフィルタが存在し、所望の高調波抑圧量を確保するために、周辺回路および基板面積を考慮して適切なフィルタが選択される。
【０００３】
しかし、昨今のモジュールへの小型化および広帯域化の要求によって、機能付加に充てられる基板のスペースは限られてきている。また、基板上で実現するマイクロストリップ線路などで形成されるフィルタは、空間を伝搬する高調波に対しては有効的でなく、モジュールのカットオフ周波数を上げるなど別の対策を講じる必要がある。
【０００４】
特許文献１には、このようなモジュール内の回路面積の制約、および空間伝搬する高調波への対策についての問題を解決する高調波抑圧のフィルタ機能を同軸コネクタに持たせた同軸フィルタについての技術が開示されている。特許文献１には、金属製の円筒により形成された外部導体と、外部導体内に挿入され、外部導体の中心軸上に沿って連続するように配置された金属製の円柱により形成された高インピーダンス部と、高インピーダンス部を中心として外径側に向けて放射状に延設された円板形状の低インピーダンス部と、が交互に連続して形成される中心導体と、を有し、少なくとも１個の低インピーダンス部は、先端部の領域を高インピーダンス部と平行になるように折り曲げた折り曲げ部を有するローパスフィルタの機能を有する同軸フィルタが開示されている。
【０００５】
また、特許文献２には、入力側から出力側へと延びる中心導体と、中心導体の周囲を覆う誘電体と、誘電体の外周を覆う外部導体と、中心導体と外部導体との間の誘電体の中に、中心導体の外周に沿って延在するフリンジ導体と、を有するフィルタ機能を有する同軸ケーブルが開示されている。１本の同軸ケーブルに含まれるフリンジ導体の個数、並びに個々のフリンジ導体の直径、位置および厚さを変更することにより、同軸ケーブルが与えるフィルタリング効果を変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
特許第４９１３２１７号公報
特開２０２２－９１１９３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、上記従来の技術によれば、フィルタ回路に必要な高インピーダンス部および低インピーダンス部、すなわちインダクタンス成分およびキャパシタンス成分を実現するために、同軸フィルタまたはフィルタ機能を有する同軸ケーブルの中心導体を複雑に加工している。このため、周波数の高いマイクロ波帯でフィルタを実現しようとした場合には、コネクタ自体のサイズが小型化されるため微細な加工精度が要求されるという問題があった。また、中心導体の支持および誘電体の持つ波長短縮効果による小型化を目的に、同軸フィルタ内またはフィルタ機能を有する同軸ケーブル内に誘電体を装荷する場合があるが、複雑に加工した中心導体に対して誘電体を実装することは困難であるという問題もあった。
【０００８】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、中心導体を複雑に加工することなく、フィルタ回路に必要なキャパシタンス成分を実現することができる同軸フィルタを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る同軸フィルタは、中心軸を含む領域に延在方向に貫通する中心孔を有する円柱状の誘電体部と、誘電体部の中心孔に充填される中心導体と、誘電体部の中心軸に沿う側面を覆うように設けられる円筒状の外部導体と、を備える。誘電体部は、中心導体と接触する第１導体パターンが１つの底面に配置される円柱状の第１誘電体と、外部導体と接触する第２導体パターンが１つの底面に配置される円柱状の第２誘電体と、を有し、第１導体パターンおよび第２導体パターンが接触しないように中心軸の延在方向に第１誘電体と第２誘電体とを積層した構造を有する。
【発明の効果】
【００１０】
本開示によれば、中心導体を複雑に加工することなく、フィルタ回路に必要なキャパシタンス成分を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
（【００１１】以降は省略されています）

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