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公開番号2025032623
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-12
出願番号2023138012
出願日2023-08-28
発明の名称二次電池
出願人トヨタバッテリー株式会社
代理人個人
主分類H01M 10/052 20100101AFI20250305BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】電池性能の向上を図る。
【解決手段】リチウムイオン二次電池としての構成を有する二次電池は、基材に積層された負極活物質層と、この負極活物質層の表面32sを覆う被膜50とを有した負極板としての電極シートを備える。また、この電極シートに含浸される電解液には、硫黄系添加材が含まれる。更に、この被膜50における電解液界面50sから5nmの深さDまでの厚み領域δを電解液界面側領域δ1とするとともに、この電解液界面側領域δ1よりも深い厚み領域δを活物質表面側領域δ2とする。そして、二次電池は、その電解液界面側領域δ1に含まれる硫黄成分量αに対する活物質表面側領域δ2に含まれる硫黄成分量αの割合が、0.58以上、0.84以下となっている。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
基材に積層された負極活物質層と、前記負極活物質層の表面を覆う被膜と、を有した負極板を備えるとともに、前記負極板に含浸される電解液には、硫黄系添加材が含まれた二次電池であって、
前記被膜における電解液界面から5nmの深さまでの厚み領域を電解液界面側領域とするとともに、該電解液界面側領域よりも深い前記厚み領域を活物質表面側領域として、
前記電解液界面側領域に含まれる硫黄成分量に対する前記活物質表面側領域に含まれる前記硫黄成分量の割合が、0.58以上、0.84以下である二次電池。
続きを表示(約 72 文字)【請求項2】
前記硫黄系添加材として、フルオロスルホン酸リチウム、及びメタンスルホン酸リチウムを含む請求項1に記載の二次電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン二次電池等の二次電池には、その電解液中に硫黄系添加材を含むものがある。そして、例えば、特許文献1や特許文献2等には、これにより、二次電池の負極側において、その負極活物質層の表面に硫黄成分を含んだ被膜が形成される旨が記載されている。
【0003】
即ち、このような負極側の電解液界面に形成される被膜は、「SEI(Solid Electrolyte Interphase)」と呼称される。また、この被膜は、主に、二次電池の充電時、負極と電解液との界面において、その電解液が分解されることに形成される。更に、電解液中に硫黄系添加材を含有することにより、その被膜が硫黄成分を含むものとなる。そして、これにより、その電池性能の向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-127313号公報
国際公開第2022/059557号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、電動車両等、高水準の電池性能が求められる用途においては、日々、その更なる性能の向上が模索されている。このため、上記従来技術についてもまた、その進化する要求水準を満たすべく、より一層の改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する二次電池の各態様を記載する。
態様1は、基材に積層された負極活物質層と、前記負極活物質層の表面を覆う被膜と、を有した負極板を備えるとともに、前記負極板に含浸される電解液には、硫黄系添加材が含まれた二次電池であって、前記被膜における電解液界面から5nmの深さまでの厚み領域を電解液界面側領域とするとともに、該電解液界面側領域よりも深い前記厚み領域を活物質表面側領域として、前記電解液界面側領域に含まれる硫黄成分量に対する前記活物質表面側領域に含まれる前記硫黄成分量の割合が、0.58以上、0.84以下である。
【0007】
上記構成によれば、被膜が硫黄成分を含むことによる電池性能の向上効果を高めることができる。特に、電池容量の劣化速度を低減することができる。そして、これにより、より長期に二次電池を使用することができるようになる。
【0008】
態様2は、硫黄系添加材として、フルオロスルホン酸リチウム、及びメタンスルホン酸リチウムを含む態様1の二次電池である。
即ち、還元電位の異なる硫黄系添加材を電解液に含有することで、これらの添加量を調整することにより、容易に、その電解液界面側領域に含まれる硫黄成分量に対する活物質表面側領域に含まれる硫黄成分量の割合を制御することができる。そして、これにより、その電解液界面側領域及び活物質表面側領域に含まれる硫黄成分量の割合を好適な範囲に設定して、電池性能の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電池性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、二次電池の斜視図である。
図2は、電極体の分解図である。
図3は、二次電池の側面図である。
図4は、負極活物質表面を覆う被膜(SEI)の断面図である。
図5は、被膜に含まれた硫黄成分の分布を示すグラフである。
図6は、二次電池の試験結果を一覧に示す表である。
図7は、各試験体の被膜に含まれた硫黄成分の分布を示すグラフである。
図8は、各試験体について保存劣化試験を実行した後の容量維持率を示すグラフである。
図9は、硫黄成分量比と容量劣化速度との関係を直交座標上にプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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