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公開番号2024135643
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046430
出願日2023-03-23
発明の名称窒化物半導体発光素子
出願人学校法人 名城大学
代理人弁理士法人グランダム特許事務所
主分類H01L 33/14 20100101AFI20240927BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】オーミック特性に近い特性を有する窒化物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】窒化物半導体発光素子1は、積層方向Lの一方側が露出面Esとして形成される第1n-AlGaN層12Bと、露出面Esに積層されるTi/Pt/Au電極Neと、第1n-AlGaN層12Bを挟みTi/Pt/Au電極Neと反対側に積層される第2n-AlGaN層12Cと、を備え、第1n-AlGaN層12BのAlNのモル分率は、第2n-AlGaN層12CのAlNのモル分率よりも小さい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
積層方向の一方側が露出面として形成される第1層と、
前記露出面に積層される電極と、
前記第1層を挟み前記電極と反対側に積層される第2層と、
を備え、
前記第1層のAlNのモル分率は、前記第2層のAlNのモル分率よりも小さい、窒化物半導体発光素子。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記第1層のAlNのモル分率は、0.42以下である、請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項3】
前記積層方向における前記第1層の厚みは、前記積層方向における前記第2層の厚みよりも薄い、請求項1又は請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項4】
前記第1層は、AlNのモル分率が0.42以下の第1AlN組成層と、AlNのモル分率が0.42よりも大きい第2AlN組成層と、が前記積層方向に交互に積層されている、請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項5】
前記第1層の前記露出面は、凹凸状に形成されている、請求項4に記載の窒化物半導体発光素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は窒化物半導体発光素子に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、紫外光のレーザ発振が可能な窒化物半導体素子が開示されている。このものは、上部ガイド層の表面に組成傾斜層及びp型半導体層をこの順に積層して結晶成長しており、上部ガイド層に近いp型半導体層の部位に、活性層から表面側に向かう電子をブロックする機能を付与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-184456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
GaN系発光デバイスでは、レーザーリフトオフ(LLO)技術によりサファイア基板からGaN系窒化物半導体結晶を剥離して、その裏面(窒素極性面)にn電極を形成することによって縦方向(積層方向)に電流を流し得る薄膜構造のデバイスを作製する方法がある。この方法を利用してAlGaN系窒化物半導体結晶で縦方向に電流を流し得るデバイスを作製した。この構造のデバイスは、支持体にp電極及びパッド電極を表面に形成したAlGaN系窒化物半導体結晶をAuSn等の金属で支持基板に共晶接合した後、LLO技術を用いサファイア基板から剥離する。そして、剥離して露出した露出面にn電極を形成する。n電極形成後の熱処理温度は、結晶にクラックが生じないようにするため、あまり高温にすることができず、せいぜい300℃程度である。窒素極性のAlGaNのn電極として、AlGaN系の金属極性面で実績があるV/Al/Ti/Au電極、GaN系デバイスにおいて金属極性面又は窒素極性面のGaNにノンアロイでオーミック特性が得られるCr/Ni/Au、Ti/Pt/Au電極で検討を行った。その結果、熱処理温度300℃までの制約条件の中では、Ti/Pt/Au電極を用いた場合、最もよい結果が得られたが、その特性は、ショットキー特性であった。このため、オーミック特性とするべく、さらなる改善が望まれている。オーミック特性とは、電流-電圧特性が概ね線形状の特性を示すことを意味する。ショットキー特性とは、ある電圧値を境にして電流値が変化する度合いが大きく変化する特性を示すことを意味する。
【0005】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、オーミック特性に近い特性を有する窒化物半導体発光素子を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の窒化物半導体発光素子は、
積層方向の一方側が露出面として形成される第1層と、
前記露出面に積層される電極と、
前記第1層を挟み前記電極と反対側に積層される第2層と、
を備え、
前記第1層のAlNのモル分率は、前記第2層のAlNのモル分率よりも小さい。
【0007】
この構成によれば、印加する電圧が小さくても良好に電流が流れる特性(オーミック特性)に近づけることができ、消費電力を抑えつつ良好に発光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例1の窒化物半導体発光素子の構造を示す模式図である。
LLOを実行する前の窒化物半導体発光素子の構造を示す模式図である。
(A)は、実施例1の窒化物半導体発光素子を化学的機械的研磨して第1n-AlGaN層の露出面を露出させた状態を示し、(B)は、露出面にSiO
2
層を積層して、露出面の中央部を露出させた状態を示し、(C)は、露出面に突部を形成した状態を示し、(D)は、突部を形成した露出面にn電極を設けた状態を示す。
実施例1、比較例1、2のサンプルにおいてAlNのモル分率に対する立ち上がり電圧、及び微分抵抗値を示すグラフである。
実施例1、比較例1、2のサンプルにおける電流-電圧特性を示すグラフである。
実施例2の窒化物半導体発光素子の構造を示す部分拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
【0010】
本発明の窒化物半導体発光素子において、第1層のAlNのモル分率は、0.42以下であり得る。この場合、印加する電圧が小さくても良好に電流が流れ易くすることができる。言い換えると、電流-電圧特性をオーミック特性に近づけることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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