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公開番号2024171381
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023088345
出願日2023-05-30
発明の名称排ガス処理装置
出願人株式会社荏原製作所
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B01D 53/78 20060101AFI20241205BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】安価な樹脂材料で冷却部を形成しても、直ちに装置外に排ガスを漏洩させることなく、安全に排ガスを処理することが可能な排ガス処理装置を提供する。
【解決手段】排ガス処理装置は、排ガスを加熱分解処理する筒体18を有する処理部11と、筒体18の内壁面に水膜を形成する水膜形成機構20と、加熱分解処理された排ガスを冷却する冷却部21と、水膜形成機構20に供給される水を貯留する水槽25と、排ガスの加熱分解処理によって発生する反応副生成物を捕集除去する水洗部31と、を備える。冷却部21は、筒体18に連結され、水槽25内部まで延びる連結配管22と、水槽25内で連結配管22に連結され、排ガスを冷却しつつ、該水槽25内に排ガスを排出する冷却器23と、冷却器23に水を供給する水供給機構と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有害ガスを含む排ガスを加熱分解処理する筒体を有する処理部と、
前記筒体の内壁面に水膜を形成する水膜形成機構と、
前記筒体に連結され、前記処理部で加熱分解処理された排ガスを冷却する冷却部と、
前記水膜形成機構に供給される水を貯留する水槽と、
前記水槽と連通し、前記排ガスの加熱分解処理によって発生する反応副生成物を捕集除去する水洗部と、を備え、
前記冷却部は、
前記筒体に連結され、前記水槽内部まで延びる連結配管と、
前記水槽内で前記連結配管に連結され、前記排ガスを冷却しつつ、前記水槽内に前記排ガスを排出する冷却器と、
前記冷却器に水を供給する水供給機構と、を備える、排ガス処理装置。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記冷却器は、前記水槽から供給される水を駆動水として前記筒体内の気体を吸引するエゼクタである、請求項1に記載の排ガス処理装置。
【請求項3】
前記冷却器は、前記連結配管に連結される冷却配管と、該冷却配管に水を散布するスプレーと、を含む、請求項1に記載の排ガス処理装置。
【請求項4】
前記冷却配管は、その途中に形成された縮径部を有する、請求項3に記載の排ガス処理装置。
【請求項5】
前記水供給機構は、前記水槽から延びて、前記冷却器に連結される水供給ラインと、前記水循環ラインに配置された循環ポンプと、を備える、請求項1または3に記載の排ガス処理装置。
【請求項6】
前記水膜形成機構は、前記水供給機構としても機能する、請求項1に記載の排ガス処理装置。
【請求項7】
前記冷却器は、前記水槽に貯留された水の液面の上方に前記排ガスを排出する排ガス出口を有する、請求項1に記載の排ガス処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有害ガスを含む排ガスを加熱分解処理し、無害化するための排ガス処理装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
有害ガス(例えば、シランガス(SiH

)、ジクロールシラン(SiH

Cl

)などの水素化物のガス、並びにNF

,ClF

,SF

,CHF

,C



,およびCF

などのハロゲン系のガス)は、様々な産業で利用されている。例えば、半導体製造装置では、有害ガスを含む複数のガスが使用され、該半導体製造装置からは、有害ガスを含む排ガスが排出される。このような排ガスは、そのままでは大気に放出することはできない。そこで、これらの排ガスを排ガス処理装置に導入して、有害ガスを加熱分解処理することが行われている。例えば、特許文献1には、排ガスを燃焼式排ガス処理装置に導入して、燃焼による酸化無害化処理を行うことが記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の排ガス処理装置は、有害可燃性ガスを含む排ガスの燃焼処理部と、排ガスの燃焼処理によって発生する反応副生成物を水洗にて捕集除去する水洗部と、燃焼処理部を水洗部に連通するとともに、燃焼処理部で燃焼処理された排ガスを冷却する冷却部と、を備えている。燃焼処理部は、燃焼器を有しており、燃焼器に供給される排ガスを、燃料と空気との混合ガス、または燃料、空気、および助燃ガスとの混合ガスを燃焼させることで形成される火炎で分解処理する。燃焼処理された排ガスは、該排ガスの燃焼処理によって発生した粉体および/または酸性ガスなどの反応副生成物とともに、冷却部を通って水洗部に導入される。
【0004】
冷却部では、スプレーなどの散水装置を用いて、燃焼処理によって高温となった排ガスの冷却が行われる。水洗部では、スプレーなどの散水装置およびフィルタなどを用いて、排ガスに含まれる反応副生成物が捕集除去される。排ガス処理装置は、燃焼処理部および水洗部の下方に設けられた循環槽をさらに有しており、循環槽と、冷却部および水洗部との間に水の循環が形成される。冷却部は、循環層の上方に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-161861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
燃焼処理部を通過した排ガスは、火炎により1000℃以上の非常に高温(例えば、1700℃)となる。さらに、燃焼処理後の排ガスには、反応副生物として酸性ガスが含まれることもある。燃焼処理部を水洗部に連通する冷却部は、酸性ガスが通過するため、耐熱性はあるが、耐食性のない安価な金属材料(例えば、ステンレス鋼)で形成することができない。さらに、酸性ガスが溶けた水が冷却部および水洗部から循環槽に戻されるため、循環槽も安価な金属材料で形成することができない。耐食性コーティングを施した内面を有する金属材料、または耐食性を有する金属材料を用いて冷却部および循環槽を形成すると、これら金属材料は非常に高価であるため、排ガス処理装置の製造コストが大幅に増大してしまう。
【0007】
一方で、排ガス処理装置の製造コスト増大の問題を解決するために、耐食性のある安価な樹脂材料(例えば、PVC)で冷却部および循環槽を形成すると、冷却部および/または循環槽から燃焼処理後の排ガスおよび/または循環水が漏洩するおそれがある。例えば、散水装置の故障、または目詰まりなどに起因して、冷却部で確実に排ガスを冷却できなければ、冷却部が損傷して、酸性ガスを含む排ガスが冷却部から漏洩してしまう。冷却部は、循環槽の外部に設けられているため、冷却部からの排ガスの漏洩は、排ガス処理装置の付近の作業者を危険にさらしてしまう。
【0008】
なお、非常に高温で、反応副生物としての酸性ガスが含まれる排ガスが冷却部および水洗部に流れることで発生する上記問題は、燃焼式排ガス処理装置だけでなく、排ガスを加熱分解処理する他の排ガス処理装置でも発生する。例えば、上記問題は、有害ガスを含む排ガスをヒータによって加熱分解処理する排ガス処理装置、および有害ガスを含む排ガスをプラズマによって加熱分解処理する排ガス処理装置でも発生する。
【0009】
そこで、本発明は、安価な樹脂材料で冷却部を形成しても、直ちに装置外に排ガスを漏洩させることなく、安全に排ガスを処理することが可能な排ガス処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、有害ガスを含む排ガスを加熱分解処理する筒体を有する処理部と、前記筒体の内壁面に水膜を形成する水膜形成機構と、前記筒体に連結され、前記処理部で加熱分解処理された排ガスを冷却する冷却部と、前記水膜形成機構に供給される水を貯留する水槽と、前記水槽と連通し、前記排ガスの加熱分解処理によって発生する反応副生成物を捕集除去する水洗部と、を備え、前記冷却部は、前記筒体に連結され、前記水槽内部まで延びる連結配管と、前記水槽内で前記連結配管に連結され、前記排ガスを冷却しつつ、前記水槽内に前記排ガスを排出する冷却器と、前記冷却器に水を供給する水供給機構と、を備える、排ガス処理装置が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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