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公開番号
2024129541
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-27
出願番号
2023038829
出願日
2023-03-13
発明の名称
半導体発光素子
出願人
学校法人 名城大学
,
ウシオ電機株式会社
代理人
弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類
H01S
5/343 20060101AFI20240919BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】従来よりもキャリア注入効率を高めた、AlGaN系の窒化物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】半導体発光素子は、Alを含む窒化物半導体からなるn型の第一半導体層と、第一半導体層の上層に形成されたAlを含む窒化物半導体からなる活性層と、活性層の上層に形成された活性層よりもAlの組成の高い窒化物半導体からなる電子ブロック層と、電子ブロック層の上層に形成された、電子ブロック層よりもAl組成の低い窒化物半導体からなるp型の第二半導体層とを備える。電子ブロック層の厚みは、2nm以上5nm未満である。
【選択図】図5A
特許請求の範囲
【請求項1】
Alを含む窒化物半導体からなる、n型の第一半導体層と、
前記第一半導体層の上層に形成された、Alを含む窒化物半導体からなる活性層と、
前記活性層の上層に形成された、前記活性層よりもAlの組成の高い窒化物半導体からなる電子ブロック層と、
前記電子ブロック層の上層に形成された、前記電子ブロック層よりもAl組成の低い窒化物半導体からなるp型の第二半導体層とを備え、
前記電子ブロック層の厚みが、2nm以上5nm未満であることを特徴とする、半導体発光素子。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
前記電子ブロック層は、AlとGaを含み、90%以上のAl組成を示す窒化物半導体であることを特徴とする、請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項3】
前記電子ブロック層の前記活性層に近い側の面に接触する半導体層は、Al組成が75%以下の窒化物半導体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
【請求項4】
前記第二半導体層は、前記電子ブロック層に最も近い側の位置において、62%以上80%未満のAl組成を示すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
【請求項5】
半導体層の積層方向に関して、前記第一半導体層と前記活性層との間に配置された、Alを含む窒化物半導体からなる第一ガイド層と、
前記積層方向に関して、前記活性層と前記電子ブロック層との間に配置された、Alを含む窒化物半導体からなる第二ガイド層とを備え、
前記第二ガイド層は、前記電子ブロック層の底面に接触するように配置されており、前記積層方向に関して前記電子ブロック層に近づくに連れてAl組成が実質的に上昇するような傾斜組成を示し、前記電子ブロック層と接触する箇所においてAl組成が75%以下であることを特徴とする、請求項3に記載の半導体発光素子。
【請求項6】
前記積層方向に関する厚みとAl組成の変化を示すグラフ上において、前記第二ガイド層の初端のAl組成の値と、前記電子ブロック層のAl組成の値とを結ぶ直線を規定した場合に、前記第二ガイド層は、前記直線よりもAl組成の低い範囲内において、前記電子ブロック層に近づくに連れてAl組成が実質的に上昇するような傾斜組成を示すことを特徴とする、請求項5に記載の半導体発光素子。
【請求項7】
前記活性層は、井戸層と前記井戸層よりもバンドギャップエネルギーの高い障壁層とを含み、
前記井戸層及び前記障壁層は、主発光波長が280nm以上350nm未満となるように材料が選択された窒化物半導体からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体発光素子に関し、特に発光波長が400nm未満の紫外領域における半導体発光素子に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
窒化物半導体を用いたレーザダイオード(以下、適宜「LD」と略記する。)に関する近年の研究開発により、高出力化や発振波長の長波長化(青色~緑色領域)が進展している。詳細には、例えば光出力5W超の波長455nmの青色LDや、光出力1W超の波長532nmの緑色LDが実現されている。
【0003】
近年では、LDの発光波長の更なる短波長化を目指して開発が進められている。特にAlGaNはAl組成を制御することによって、理論上、210nm~365nm程度の光を得ることができることから、高品質なAlGaNを半導体層に利用した発光素子の開発が進められている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、量子井戸構造を有する活性層と、光閉じ込めのためのガイド層と、高Al組成のAlGaNからなる電子ブロック層を有してなる、LD素子が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6838731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らが鋭意研究したところ、上記特許文献1に開示された素子においては、活性層内におけるキャリア注入効率が低く留まっており、発光効率を向上させる余地があることを見出した。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑み、特にAlGaN系の窒化物半導体発光素子において、従来よりもキャリア注入効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の半導体発光素子は、Alを含む窒化物半導体からなる、n型の第一半導体層と、
前記第一半導体層の上層に形成された、Alを含む窒化物半導体からなる活性層と、
前記活性層の上層に形成された、前記活性層よりもAlの組成の高い窒化物半導体からなる電子ブロック層と、
前記電子ブロック層の上層に形成された、前記電子ブロック層よりもAl組成の低い窒化物半導体からなるp型の第二半導体層とを備え、
前記電子ブロック層の厚みが、2nm以上5nm未満であることを特徴とする。
【0009】
本明細書において、「ある層Q1の上層に別の層Q2が形成されている」という表現は、層Q1の面上に直接層Q2が形成されている場合はもちろん、層Q1の面上に別の層を介して層Q2が形成されている場合も含む意図である。また、前記表現は、半導体発光素子の配置位置を回転させれば、層Q1の上方に層Q2が位置する場合を包含する概念であり、半導体発光素子がどの向きに設置されているかによって、「上」方向が限定されるものではない。
【0010】
本発明者らの鋭意研究の結果、従来の半導体発光素子においては、半導体層の積層方向に関して、高Al組成の電子ブロック層の、活性層側の位置において、Al組成が電子ブロック層に向かって徐々に増大する層(以下、適宜「プリング層」という。)が存在することを突き止めた。
(【0011】以降は省略されています)
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