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公開番号2024119745
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-03
出願番号2024009902
出願日2024-01-26
発明の名称分離膜、分離膜モジュールおよび膜分離システム
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01D 71/02 20060101AFI20240827BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】外部からの荷重に対し優れた耐性を有することで、歩留りよく膜を製造可能とし、且つ膜の使用中においては新たな欠陥の生成が抑制され、分離係数を維持しつつ高いガス透過性能を有する分離膜、ガス分離膜モジュール、および膜分離システムを提供する。
【解決手段】無機材料を主成分とする緻密な分離層を有する中空糸分離膜であって、前記分離層の内表面側に無機材料を主成分とする多孔質層Bを、外表面側に炭素を主成分とする多孔質層Aをそれぞれ有し、前記多孔質層Aは少なくとも一部が連続相を形成してなる骨格部と、空隙部とからなる中空糸分離膜。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
無機材料を主成分とする緻密な分離層を有する中空糸分離膜であって、前記分離層の内表面側に無機材料を主成分とする多孔質層Bを、外表面側に炭素を主成分とする多孔質層Aをそれぞれ有し、前記多孔質層Aは少なくとも一部が連続相を形成してなる骨格部と、空隙部とからなる中空糸分離膜。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記多孔質層Aの平均膜厚L1と、前記分離層の平均膜厚L2の比L1/L2が5以上100以下である請求項1に記載の分離膜。
【請求項3】
前記多孔質層Aの平均膜厚L1が1μm以上50μm以下である請求項1に記載の分離膜。
【請求項4】
前記多孔質層Aの平均空隙率が35%以上70%以下である請求項1に記載の分離膜。
【請求項5】
前記多孔質層Aが空隙部も連続相を形成した共連続多孔構造を有する請求項1に記載の分離膜。
【請求項6】
前記多孔質層Aに、前記共連続多孔構造を有する部分が50%以上含まれている請求項5に記載の分離膜。
【請求項7】
前記多孔質層Aの前記共連続多孔構造の構造周期が0.002μm以上5μm以下である請求項5に記載の分離膜。
【請求項8】
前記多孔質層Bが共連続多孔構造を有する請求項1に記載の分離膜。
【請求項9】
気体分離用である請求項1に記載の分離膜。
【請求項10】
請求項1~8のいずれかに記載の分離膜が複数本収納された分離膜エレメント。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は分離膜およびそれを用いた分離膜モジュール、膜分離システムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
混合ガスや混合液体から特定の成分を選択的に分離・精製する手段として、膜分離法が利用されている。
【0003】
膜分離法は相変化を伴わないため、他の流体分離法と比較して省エネルギーであり、注目されている。分離膜の種類としては、例えば、ポリイミド膜、酢酸セルロース膜などの有機高分子膜、ゼオライト膜、シリカ膜、炭素膜などの無機膜などが提案されている。
【0004】
なかでも炭素膜やゼオライト膜などの無機膜は、物質を分子ふるいにより分離することが可能であることや、耐薬品性、耐圧性に優れることから、無機材料からなる分離機能層を有する分離膜が種々提案されている。
【0005】
例えば、多孔質セラミックス中空糸膜の表面に炭素薄膜を担持させてなる多孔質セラミックス複合中空糸膜(例えば、特許文献1参照)、中空糸状の第1の炭素膜と、前記第1の炭素膜の外表面に設けられた第2の炭素膜と、を備え、前記第2の炭素膜は、金属元素と、硫黄元素とを含む、中空糸炭素膜(例えば、特許文献2参照)、多孔質支持体と多孔質支持体上に形成されたゼオライト膜とを有するゼオライト膜複合体(例えば、特許文献3参照)などが挙げられる。
【0006】
しかしながら、これら炭素やゼオライトなどの無機材料を主成分とする緻密層を最表層に有する分離膜は、緻密層が硬質であることから、膜製造工程においてはローラーや、搬送コンベア等との接触、モジュール化工程や膜使用中においては膜同士の接触、膜と膜を収納するエレメント筐体との接触、分離対象の流体中に含まれる異物粒子との接触時の応力により緻密層が破壊されることでピンホール欠陥となり、ピンホール欠陥から分離対象物が漏出してしまう。これにより、膜製造工程では歩留りの悪化、膜モジュール使用中においては分離機能低下を引き起こすという特有の課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2020-99901号公報
特開2013-63415号公報
特開2022-93397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、外部からの荷重に対し優れた耐性を有することで、歩留りよく膜を製造可能とし、且つ膜の使用中においては新たな欠陥の生成が抑制され分離係数を維持しつつ高いガス透過性能を有する分離膜およびガス分離膜モジュール、膜分離システムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題を解決すべく、本発明は次の構成を有する。
(1) 無機材料を主成分とする緻密な分離層を有する中空糸分離膜であって、前記分離層の内表面側に無機材料を主成分とする多孔質層Bを、外表面側に炭素を主成分とする多孔質層Aをそれぞれ有し、前記多孔質層Aは少なくとも一部が連続相を形成してなる骨格部と、空隙部とからなる中空糸分離膜。
(2) 前記多孔質層Aの平均膜厚L1と、前記分離層の平均膜厚L2の比L1/L2が5以上100以下である上記(1)に記載の分離膜。
(3) 前記多孔質層Aの平均膜厚L1が1μm以上50μm以下である上記(1)に記載の分離膜。
(4) 前記多孔質層Aの平均空隙率が35%以上70%以下である上記(1)に記載の分離膜。
(5) 前記多孔質層Aが空隙部も連続相を形成した共連続多孔構造を有する上記(1)に記載の分離膜。
(6) 前記多孔質層Aに、前記共連続多孔構造を有する部分が50%以上含まれている上記(5)に記載の分離膜。
(7) 前記多孔質層Aの前記共連続多孔構造の構造周期が0.002μm以上5μm以下である上記(5)に記載の分離膜。
(8) 前記多孔質層Bが共連続多孔構造を有する上記(1)に記載の分離膜。
(9) 気体分離用である上記(1)に記載の分離膜。
(10) 上記(1)~(9)のいずれかに記載の分離膜が複数本収納された分離膜エレメント。
(11) ベッセルに、上記(10)に記載の分離膜エレメントが1本以上収納された、または、上記(1)~(9)に記載の分離膜が複数本直接収納された分離膜モジュール。
(12) 上記(11)に記載の分離膜モジュールを1本以上備えた膜分離システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、多孔質層Aが分離機能層よりも外表面側にあることで、膜の最外表面にかかる外部応力や衝撃を多孔質層Aにより分散または吸収でき、無機物を主成分とする緻密な分離層にかかる負荷が低減され、外部応力や衝撃に対し耐性を有した分離膜およびそれを用いた分離膜モジュール、膜分システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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