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公開番号
2024119687
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-03
出願番号
2023026767
出願日
2023-02-22
発明の名称
車輪用軸受装置
出願人
NTN株式会社
代理人
弁理士法人矢野内外国特許事務所
主分類
F16C
33/58 20060101AFI20240827BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】軸受内部に十分な予圧を付与できる車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】車輪用軸受装置1は、外輪2と、ハブ輪3および内輪4からなる内方部材と、複列のボール7とからなる車輪用軸受10と、トラック溝25が形成されたマウス部26と、ハブ輪3の貫通孔3eに嵌合可能なステム部27とを有する等速自在継手20とを備え、内側軌道面4aの接触位置43がトラック溝25の溝底25aよりも外径側に位置し、内輪4は、ハブ輪3の小径段部3aに嵌合される内輪嵌合部4Aと、ハブ輪3に当接するアウター側端面4cと、内輪嵌合部4Aよりもインナー側に位置し、内輪嵌合部4Aの内周面41よりも大径の内周面42を有する大端部4Bと、内周面42よりも内径側に位置し、マウス部26が当接する内輪側当接面4dとを有し、内輪側当接面4dは軸方向に対して垂直な面であり、内輪側当接面4dの面積はアウター側端面4cの面積よりも大きい。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
内周に複列の外側軌道面を有する外方部材と、軸方向の一端部に車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジを有し、外周に軸方向に延びる小径段部を有し、内径部に軸方向に貫通する貫通孔を有するハブ輪、および前記ハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪からなり、前記複列の外側軌道面に対向する複列の内側軌道面を有する内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との両軌道面間に転動自在に収容された複列の転動体とからなる車輪用軸受と、
内周面にトラック溝が形成されたマウス部と、前記マウス部から軸方向に延び、前記ハブ輪の前記貫通孔に軸方向他側から嵌合可能な嵌合部とを有する等速自在継手と、
を備えた車輪用軸受装置であって、
前記内方部材の軸方向他側の前記内側軌道面における前記転動体との接触位置が前記マウス部における前記トラック溝の溝底よりも外径側に位置し、
前記内輪は、
前記ハブ輪の前記小径段部に嵌合される内輪嵌合部と、
前記内輪嵌合部の軸方向一端部に位置し、前記ハブ輪に軸方向他側から当接する第1当接面と、
前記内輪嵌合部よりも軸方向他側に位置し、前記内輪嵌合部の第1内周面よりも大径の第2内周面を有する大端部と、
前記大端部の前記第2内周面よりも内径側に位置し、前記マウス部が前記軸方向の他側から当接する第2当接面と、を有し、
前記第2当接面は軸方向に対して垂直な面であり、
前記第2当接面の面積は前記第1当接面の面積よりも大きいことを特徴とする車輪用軸受装置。
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
前記内方部材の軸方向一側の前記内側軌道面における前記転動体との接触位置は、前記内方部材の軸方向他側の前記内側軌道面における前記転動体との接触位置よりも内径側に位置する請求項1に記載の車輪用軸受装置。
【請求項3】
軸方向一側の前記両軌道面間に収容された前記転動体を保持する第1保持器と、軸方向他側の前記両軌道面間に収容された前記転動体を保持する第2保持器とを備え、
前記第1保持器および第2保持器は、それぞれ環状に形成される円環部と、前記円環部から軸方向に延出し、前記転動体を保持するポケットを形成する複数の柱部とを有し、
前記第1保持器の前記円環部は、軸方向一側の前記両軌道面間に収容された前記転動体の軸方向一側に位置し、
前記第2保持器の前記円環部は、軸方向他側の前記両軌道面間に収容された前記転動体の軸方向他側に位置する請求項1または請求項2に記載の車輪用軸受装置。
【請求項4】
前記内輪の前記第2内周面は、前記軸方向と平行な面であり、
前記マウス部は、前記軸方向と平行な面であり、径方向において前記第2内周面と隙間をもって対向する対向面を有し、
前記第2内周面と、前記対向面との隙間は0.1mm以下である請求項1に記載の車輪用軸受装置。
【請求項5】
前記第2内周面と前記対向面との間には、前記隙間を塞ぐシール部材が介装されている請求項4に記載の車輪用軸受装置。
【請求項6】
前記ハブ輪における前記貫通孔の内周面には、軸方向に沿って延びる凹部が形成され、
前記等速自在継手における前記嵌合部の外周面には、軸方向に沿って延び、前記凹部と全体的に密着した状態でスプライン嵌合する凸部が形成される請求項4または請求項5に記載の車輪用軸受装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は車輪用軸受装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持する車輪用軸受と、前記車輪用軸受にトルク伝達可能に結合される等速自在継手とを備えた車輪用軸受装置が知られている。
【0003】
等速自在継手には車両の駆動源からの駆動力が入力されるが、近年においては、地球温暖化防止およびカーボンニュートラルの観点から電動車が増加する傾向にある。
【0004】
従って、特許文献1においては、内輪のインナー側軌道面を等速自在継手におけるマウス部のトラック溝よりも外径側に配置するとともに、ハブ輪のフランジ面と等速自在継手のシャフトに対するマウス部の回動中心との間の距離を小さくして、車輪用軸受装置を軸方向に幅狭化した構成が開示されている。
【0005】
このような構成の車輪用軸受装置は、内輪のインナー側軌道面がマウス部のトラック溝よりも外径側に位置しており、内輪のインナー側軌道面よりも内径側に、マウス部がインナー側から当接する当接面を設けている。マウス部が内輪の当接面に当接することにより、内輪を軸方向に押圧して、車輪用軸受の内部に予圧を付与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2021/148675号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1のFig.1Aに示す車輪用軸受装置においては、内輪におけるマウス部との当接面が小さい。また、特許文献1のFig.2、Fig.3に示す車輪用軸受装置においては、内輪におけるマウス部との当接面が軸方向と直交する方向に対して傾斜しているため、マウス部の内輪に対する軸方向の押圧力が外径側に分散しており、内輪には内輪が拡径する方向の力がかかっている。
【0008】
このように、内輪におけるマウス部との当接面が小さかったり、軸方向と直交する方向に対して傾斜していたりすると、軸受内部に十分な予圧が付与されず、内輪がハブ輪に対してクリープし、内輪とハブ輪との嵌合面にフレッティング摩耗が発生するおそれがある。内輪とハブ輪との嵌合面にフレッティング摩耗が発生すると、フレッティング摩耗に起因する摩耗紛がハブ輪のアウター側軌道面に流入して、アウター側軌道面に潤滑不良が発生するおそれがある。
【0009】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、内輪のインナー側軌道面がマウス部のトラック溝よりも外径側に位置する車輪用軸受装置において、軸受内部に十分な予圧を付与することができる車輪用軸受装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、車輪用軸受装置は、内周に複列の外側軌道面を有する外方部材と、軸方向の一端部に車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジを有し、外周に軸方向に延びる小径段部を有し、内径部に軸方向に貫通する貫通孔を有するハブ輪、および前記ハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪からなり、前記複列の外側軌道面に対向する複列の内側軌道面を有する内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との両軌道面間に転動自在に収容された複列の転動体とからなる車輪用軸受と、内周面にトラック溝が形成されたマウス部と、前記マウス部から軸方向に延び、前記ハブ輪の前記貫通孔に軸方向他側から嵌合可能な嵌合部とを有する等速自在継手と、を備えた車輪用軸受装置であって、前記内方部材の軸方向他側の前記内側軌道面における前記転動体との接触位置が前記マウス部における前記トラック溝の溝底よりも外径側に位置し、前記内輪は、前記ハブ輪の前記小径段部に嵌合される内輪嵌合部と、前記内輪嵌合部の軸方向一端部に位置し、前記ハブ輪に軸方向他側から当接する第1当接面と、前記内輪嵌合部よりも軸方向他側に位置し、前記内輪嵌合部の第1内周面よりも大径の第2内周面を有する大端部と、前記大端部の前記第2内周面よりも内径側に位置し、前記マウス部が前記軸方向の他側から当接する第2当接面と、を有し、前記第2当接面は軸方向に対して垂直な面であり、前記第2当接面の面積は前記第1当接面の面積よりも大きい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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