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公開番号2024118663
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-02
出願番号2023025065
出願日2023-02-21
発明の名称気泡安定剤
出願人理研ビタミン株式会社
代理人
主分類A21D 2/16 20060101AFI20240826BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】本発明は、固体脂を配合したケーキ生地中の気泡の安定性を向上させるケーキ生地用の気泡安定剤を提供することを目的とする。
【解決手段】固体脂を0.1質量%以上含有するケーキ生地、に用いられる気泡安定剤であって、プロピレングリコールステアリン酸エステル及びソルビタン飽和脂肪酸エステルを含有する気泡安定剤。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
固体脂を0.1質量%以上含有するケーキ生地、に用いられる気泡安定剤であって、プロピレングリコールステアリン酸エステル及びソルビタン飽和脂肪酸エステルを含有する気泡安定剤。
続きを表示(約 52 文字)【請求項2】
さらに、グリセリン脂肪酸エステルを含有する、請求項1に記載の気泡安定剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡安定剤に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、スポンジケーキ等のケーキ生地の製造にあたっては、原料に使用する卵の起泡力を利用した方法として、全卵を泡立てた後に小麦粉と合わせる共立て法、卵黄と卵白を別々に泡立てた後に小麦粉と合わせる別立て法等の製造方法を用いることが主流であった。しかし、これらの製造方法は、工業的な大量生産には向いておらず、近年では、食品用乳化剤等を用いた起泡剤とその他ケーキ原料を混合した後に起泡させてケーキ生地を製造するオールインミックス法が主流となっている。
一方、固体脂は液体油と比べ、消泡作用が高いため、バターやマーガリン等の固体脂を配合したケーキ生地をオールインミックス法で製造すると、起泡剤や卵等の起泡力により生成した気泡が安定せず、ケーキ生地の比重が下がり難い、焼成後のケーキのボリューム感に乏しい、といった課題を有している。また、固体脂を配合したケーキ生地の製造には、固体脂と砂糖を泡立てた後に全卵を混合、攪拌し、最後に小麦粉と合わせるシュガーバッター法を用いる方法もあるが、工業的な大量生産には必ずしも向いているとはいえないのが現状である。そのため、固体脂を配合したケーキ生地中の気泡を安定化させる技術が求められている。
【0003】
ケーキ生地の気泡の安定性に関する技術としては、例えば、油脂と食品用乳化剤を含有するショートニングであって、前記ショートニング100質量%中、(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステル及び/又はグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステル、(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステル、(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル及び(d)レシチンをそれぞれ所定量含有することを特徴とするケーキ用流動状ショートニング(特許文献1)、ゲル化性テストで200cP以上の粘度を示すペクチンを含有し、実質的に乳化剤を含有しないことを特徴とするケーキ生地用気泡安定剤(特許文献2)、(a)カゼインナトリウム及び(b)DE値が7~11である分岐デキストリンを含有する水中油型乳化組成物であることを特徴とするケーキ類用品質改良剤(特許文献3)等が開示されている。
【0004】
しかし、これらの技術は、固体脂をケーキ生地に配合した場合の課題解決に着目したものではなく、ケーキ生地の気泡安定性効果は必ずしも十分とはいえない。そのため、固体脂を配合したケーキ生地中の気泡を安定化させる技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-236345号公報
特開2019-208472号公報
特開2021-13362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、固体脂を配合したケーキ生地中の気泡の安定性を向上させるケーキ生地用の気泡安定剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記課題に対して鋭意検討を行った結果、固体脂を配合するケーキ生地にプロピレングリコールステアリン酸エステル、ソルビタン飽和脂肪酸エステルを添加することで、前記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)固体脂を0.1質量%以上含有するケーキ生地、に用いられる気泡安定剤であって、プロピレングリコールステアリン酸エステル及びソルビタン飽和脂肪酸エステルを含有する気泡安定剤、
(2)さらに、グリセリン脂肪酸エステルを含有する、(1)に記載の気泡安定剤、
から成っている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の気泡安定剤は、固体脂を含有するケーキ生地中の気泡の安定性を向上させることができる。前記ケーキ生地を焼成、スチーム等の加熱処理を施して製造したケーキは、ボリュームに優れている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の気泡安定剤に用いられるプロピレングリコールステアリン酸エステルは、プロピレングリコールと脂肪酸とのエステルであるプロピレングリコール脂肪酸エステルのうち、主要構成脂肪酸がステアリン酸であるものをいう。主要構成脂肪酸がステアリン酸であるものとは、プロピレングリコール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸100質量%中に、ステアリン酸を好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上占めるプロピレングリコール脂肪酸エステルをいい、残部にその他の脂肪酸を含んでもよい。プロピレングリコールステアリン酸エステルは、プロピレングリコールとステアリン酸とのエステル化反応、プロピレングリコールと動植物油脂等とのエステル交換反応等自体公知の方法で製造される。プロピレングリコールステアリン酸エステルはモノエステル体、ジエステル体のいずれであってもよく、あるいはそれらの混合物であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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