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公開番号
2024106726
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-08
出願番号
2023011135
出願日
2023-01-27
発明の名称
児の脳機能の発達を促進するための組成物
出願人
株式会社明治
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
A23L
33/125 20160101AFI20240801BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】ジシアリルラクト-N-テトラオース(DSLNT)、及びその構成糖が乳児に与える影響を明らかにする。児の脳機能の発達を促進させることができる組成物を提供する。
【解決手段】DSLNT、及びその構成糖からなる群より選択されるいずれかを含む、児の脳機能の発達を促進するための組成物を提供する。脳機能の発達は、好ましくは、粗大運動の領域、及び個人・社会の領域における発達である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ジシアリルラクト-N-テトラオース(DSLNT)、及びその構成糖からなる群より選択されるいずれかを含む、児の脳機能の発達を促進するための組成物。
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
脳機能の発達が、粗大運動の領域、及び個人・社会の領域のいずれかにおける発達である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
脳機能の発達が、11か月齢以後の児の脳機能の発達である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
6か月齢以下の児に摂取させるための、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
調製粉乳、調製液状乳、及び母乳代替食品からなる群より選択されるいずれかの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
摂取時のDSLNTの濃度が0.09mg/mL以上である、請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
摂取時のDSLNTの濃度が0.153mg/mL以上である、請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
調製粉乳の形態であり、100gあたりDSLNTを52.9mg以上含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
調製粉乳の形態であり、100gあたりDSLNTを90mg以上含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、児の脳機能の発達を促進するための組成物に関する。本発明は、乳児・幼児の発達、健康、及び栄養の分野、並びにそれらのための飲食品の製造の分野等で有用である。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
ヒトミルクオリゴ糖(HMO)は、母乳に含まれる固形成分の中でラクトース、脂質に次ぐ三番目に多い成分である。母乳育児の期間が子どもの知能(intelligence)に与える影響が報告されている(非特許文献1)。また、ヒトミルクオリゴ糖のうち、2’-フコシルラクトース(2’-FL)や6’-シアリルラクトース(6'-SL)が、乳児の神経発達と正の相関があることが報告されている(非特許文献2)。
【0003】
さらにHMOと脳・神経の発達等に関し、特許文献1には、HMOがヒトの胃腸管内のアッカーマンシアの存在量を増加させ、ストレス、不安およびうつ病様行動などの脳消化管障害、自閉症様行動の処置または予防のために用いうることが記載されている。また特許文献2には、フコシル化中性HMO、非フコシル化中性HMO、シアル化HMO、または前記のいずれかの任意の組み合わせが、ミエリン形成向上によって非乳児の脳の前頭前皮質領域を成熟させ、アルツハイマー病、うつ病、不安、統合失調症、自閉症、認知症等の処置のために有効であることが記載されている。
【0004】
一方、HMOの一種であるジシアリルラクト-N-テトラオース(DSLNT)に関しては、早産児に最も多くみられる腸疾患の一つである壊死性腸炎(NEC)を発症した乳児が得ていた母乳のDSLNT含量は、NECを発症しなかった乳児が得ていた母乳よりも優位に低く、母乳のDSLNT含量は、NEC発症リスクのある乳児を特定し、リスクの高いドナーミルクをスクリーニングするための非侵襲的なマーカーとなる可能性があり、さらにDSLNTはNECに対する新しい治療法を開発するために役立つ可能性があることが報告されている(非特許文献3及び4)。
【0005】
また特許文献3は、微生物発酵により生成された3’-SLおよび/または6’-SLから本質的になる噴霧乾燥粉末を含む栄養組成物が開示され、追加のHMOとしてDSLNTを含んでもよいことが記載されている。しかし、DSLNTの機能については記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開WO2019/106620(特表2021-504420)
国際公開WO2020/178774(特表2022-523560)
国際公開WO2019/110803(特表2021-505171)
【非特許文献】
【0007】
Hou, L., Li, X., Yan, P., Li, Y., Wu, Y., Yang, Q., Shi, X., Ge, L., and Yang, K.: Impact of the Duration of Breastfeeding on the Intelligence of Children: A Systematic Review with Network Meta-Analysis, Breastfeed Med (2021).
Elena Oliveros , M. J. M., Francisco J Torres-Espinola: Human Milk Levels of 2´-Fucosyllactose and 6´-Sialyllactose are Positively Associated with Infant Neurodevelopment and are Not Impacted by Maternal BMI or Diabetic Status, J Nutr Food Sci, 4, 024 (2020).
Autran CA, et al.: Human milk oligosaccharide composition predicts risk of necrotising enterocolitis in preterm infants, Gut 2017;0:1-7.
Masi AC, et al. Human milk oligosaccharide DSLNT and gutmicrobiome in preterm infants predicts necrotising enterocolitis, Gut 2021;70:2273-2282.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
母乳中に含まれるDSLNTは、上述したようにNECとの関連が知られているが、DSLNTが、乳児の脳機能の発達に与える影響は不明であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下を提供する。
[1] ジシアリルラクト-N-テトラオース(DSLNT)、及びその構成糖からなる群より選択されるいずれかを含む、児の脳機能の発達を促進するための組成物。
[2] 脳機能の発達が、粗大運動の領域、及び個人・社会の領域のいずれかにおける発達である、1に記載の組成物。
[3] 脳機能の発達が、11か月齢以後の児の脳機能の発達である、1又は2に記載の組成物。
[4] 6か月齢以下の児に摂取させるための、1から3のいずれか1項に記載の組成物。
[5] 調製粉乳、調製液状乳、及び母乳代替食品からなる群より選択されるいずれかの形態である、1から4のいずれか1項に記載の組成物。
[6] 摂取時のDSLNTの濃度が0.09mg/mL 以上である、1から5のいずれか1項に記載の組成物。
[7] 摂取時のDSLNTの濃度が0.153mg/mL以上である、1から6のいずれか1項に記載の組成物。
[8] 調製粉乳の形態であり、100gあたりDSLNTを52.9mg 以上含む、1から7のいずれか1項に記載の組成物。
[9] 調製粉乳の形態であり、100gあたりDSLNTを90mg以上含む、1から8のいずれか1項に記載の組成物。
【0010】
[10] 下記の工程を含む、児の脳機能の発達を促進するための方法:ジシアリルラクト-N-テトラオース(DSLNT)、及びその構成糖からなる群より選択されるいずれかを含む人工栄養組成物を製造し;製造した組成物を、脳機能の発達を促進する必要がある児に摂取させる、下記の工程を含む、児の脳機能の発達を促進するための非治療的方法:DSLNT、及びその構成糖からなる群より選択されるいずれかを含む組成物を、脳機能の発達の促進が望ましい児に摂取させる。児の脳機能の発達を促進するための方法に使用するための、DSLNT、及びその構成糖からなる群より選択されるいずれかを含む組成物。児の脳機能の発達を促進するための組成物の製造における、DSLNT、及びその構成糖からなる群より選択されるいずれかを含む組成物の使用。児の脳機能の発達を促進するための、DSLNT、及びその構成糖からなる群より選択されるいずれかを含む組成物の使用。
[11] 脳機能の発達が、粗大運動の領域、及び個人・社会の領域のいずれかにおける発達である、10に記載の方法、組成物、又は使用。
[12] 脳機能の発達が、11か月齢以後の児の脳機能の発達である、10又は11に記載の方法、組成物、又は使用。
[13] 6か月齢以下の児に摂取させるための、10から12のいずれか1項に記載の方法、組成物、又は使用。
[14] 組成物が、調製粉乳、調製液状乳、及び母乳代替食品からなる群より選択されるいずれかの形態である、10から13のいずれか1項に記載の方法、組成物、又は使用。
[15] 摂取時のDSLNTの濃度が0.09mg/mL 以上である、10から14のいずれか1項に記載の方法、組成物、又は使用。
[16] 摂取時のDSLNTの濃度が0.153mg/mL以上である、10から15のいずれか1項に記載の方法、組成物、又は使用。
[17] 組成物が調製粉乳の形態であり、100gあたりDSLNTを52.9mg 以上含む、10から16のいずれか1項に記載の方法、組成物、又は使用。
[18] 組成物が調製粉乳の形態であり、100gあたりDSLNTを90mg以上含む、10から17のいずれか1項に記載の方法、組成物、又は使用。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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