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公開番号2024089146
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-03
出願番号2022204333
出願日2022-12-21
発明の名称ボールねじ
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類F16H 25/24 20060101AFI20240626BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】潤滑に寄与しないねじ軸のランド部に溜まるグリースをねじ溝内に戻すとともに、封止部材の縁部にグリースが溜まり難い構造として、長期間にわたって潤滑の安定化を図り、飛散グリース量、ひいては供給グリース量を低減して環境負荷低減に貢献可能なボールねじを提供する。
【解決手段】封止部材40の内周面は、ねじ軸20のねじ溝21に隙間を持って嵌合する突条部42と、ねじ軸20のランド部22に隙間を持って嵌合する凹条部43と、を備える。突条部42及び凹条部43には、突条部42及び凹条部43を横断するように、ねじ溝21及びランド部22に最接近して形成された各最接近部44a,44bをそれぞれ有する。各最接近部44a,44bとねじ溝21及びランド部22との各隙間cminは、最接近部44a,44bの周方向及び軸方向における周囲の各隙間cより狭い。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、前記ねじ軸のねじ溝に対向し、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、前記ねじ軸のねじ溝と前記ナットのねじ溝とで形成される負荷軌道を転動する複数のボールと、前記ナットの少なくとも軸方向一端部に設けられて、前記ねじ軸と前記ナットの間の隙間を封止する封止部材と、
を備えるボールねじであって、
前記封止部材は、内周面に形成されて、前記ねじ軸のねじ溝に隙間を持って嵌合する少なくとも1条の突条部と、前記突条部に隣接し、隣り合う前記ねじ軸のねじ溝間のランド部に隙間を持って嵌合する少なくとも1条の凹条部と、を備え、
前記突条部及び前記凹条部は、前記ねじ軸の前記ねじ溝及び前記ランド部に近接するように前記突条部及び前記凹条部を横断して帯状に形成され、且つ、前記封止部材の軸方向両端部よりも軸方向内側に設けられる各最接近部をそれぞれ備え、
前記突条部と前記ねじ軸の前記ねじ溝との隙間に関して、前記突条部の最接近部における前記隙間が、前記突条部の最接近部の周方向及び軸方向における周囲の前記隙間より狭く、
前記凹条部と前記ねじ軸の前記ランド部との隙間に関して、前記凹条部の最接近部における前記隙間が、前記凹条部の最接近部の周方向及び軸方向における周囲の前記隙間より狭い、
ボールねじ。
続きを表示(約 200 文字)【請求項2】
前記各最接近部は、前記突条部と前記凹条部に亘って軸方向に連続して形成される、請求項1に記載のボールねじ。
【請求項3】
前記各最接近部と前記突条部及び前記凹条部とは、鋭角で交差する、請求項1に記載のボールねじ。
【請求項4】
前記各最接近部は、前記突条部と前記凹条部に亘って環状に形成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のボールねじ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールねじに関し、特に、グリースの使用量が制限される環境において好適に利用することができるボールねじに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
図7に示すように、回転運動を直線運動に変換するボールねじ10は、外周面に螺旋状のねじ溝21が形成されたねじ軸20と、内周面に螺旋状のねじ溝31が形成されたナット30とを備え、ねじ軸20及びナット30の両ねじ溝21、31間には、ねじ軸20またはナット30の回転運動に伴って転動する多数のボール26が装填されている。
【0003】
ボールねじ10は、ねじ軸20及びナット30の両ねじ溝21、31間をボール26が滑らかに転動できるように、グリースをナット30の内部に保持すると共に、外部からの塵埃の侵入を防止することが求められている。このため、一般的に、ナット30の軸方向端部には、ねじ軸20とナット30の間の隙間を封止する封止部材40が設けられている。
【0004】
しかし、封止部材40を設けてもナット30内のグリースは少しずつ漏れ出すため、外部から適宜グリースを供給しているのが現状である。ねじ軸外径部(ランド部)22では、ボール26により押し上げられたグリース50aが溜まっており、ナット30の外に排出されたグリース50bは、ねじ軸20の回転により飛散してしまう。また、封止部材40の縁部には、封止部材40によりねじ軸20から掻かれたグリース50cが溜まる。これらのグリース50a、50b、50cは潤滑に関与することができず、実質的に潤滑に寄与するグリースが次第に少なくなる。
【0005】
特許文献1には、ねじ軸の隣合うねじ溝の各周部間を繋げる円筒面状のランド部に、ナット内周面に干渉しない高さの突起を設け、該突起により潤滑に寄与していないグリースを効果的にねじ溝に戻すようにしたボールねじが開示されている。
また、特許文献2には、ナットの螺旋溝の両端部がナットの軸方向両端に達しない様に形成された縮径部を備えることで、ナットの内部にグリースを保持するようにしたボールねじが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2004-278722号公報
特開2017-211043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のボールねじは、ランド部及びナット内周面に付着したグリースをねじ軸のねじ溝に戻すことはできるものの、戻したねじ溝内のグリースは制御されておらず、効率的な潤滑に寄与していない。また、ナット外に排出されたグリースは、軸回転により飛散して無駄に消費される虞がある。
また、特許文献2に記載のボールねじは、ナットの内部にグリースを保持することはできるが、ランド部と縮径部との間にグリースが滞留して、ねじ軸のねじ溝に効率的にグリースを戻すことができない。
【0008】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、潤滑に寄与しないねじ軸のランド部に溜まるグリースをねじ溝内に戻すとともに、封止部材の縁部にグリースが溜まり難い構造として、長期間にわたって潤滑の安定化を図り、飛散グリース量、ひいては供給グリース量を低減して環境負荷低減に貢献可能なボールねじを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
[1] 外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、前記ねじ軸のねじ溝に対向し、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、前記ねじ軸のねじ溝と前記ナットのねじ溝とで形成される負荷軌道を転動する複数のボールと、前記ナットの少なくとも軸方向一端部に設けられて、前記ねじ軸と前記ナットの間の隙間を封止する封止部材と、
を備えるボールねじであって、
前記封止部材は、内周面に形成されて、前記ねじ軸のねじ溝に隙間を持って嵌合する少なくとも1条の突条部と、前記突条部に隣接し、隣り合う前記ねじ軸のねじ溝間のランド部に隙間を持って嵌合する少なくとも1条の凹条部と、を備え、
前記突条部及び前記凹条部は、前記ねじ軸の前記ねじ溝及び前記ランド部に近接するように前記突条部及び前記凹条部を横断して帯状に形成され、且つ、前記封止部材の軸方向両端部よりも軸方向内側に設けられる各最接近部をそれぞれ備え、
前記突条部と前記ねじ軸の前記ねじ溝との隙間に関して、前記突条部の最接近部における前記隙間が、前記突条部の最接近部の周方向及び軸方向における周囲の前記隙間より狭く、
前記凹条部と前記ねじ軸の前記ランド部との隙間に関して、前記凹条部の最接近部における前記隙間が、前記凹条部の最接近部の周方向及び軸方向における周囲の前記隙間より狭い、
ボールねじ。
【発明の効果】
【0010】
本発明のボールねじによれば、潤滑に寄与しないねじ軸のランド部に溜まるグリースをねじ溝内に戻すとともに、封止部材の縁部にグリースが溜まり難い構造として、長期間にわたって潤滑の安定化を図り、飛散グリース量、ひいては供給グリース量を低減して環境負荷低減に貢献可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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