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公開番号2024083727
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022197703
出願日2022-12-12
発明の名称印刷データ処理方法、印刷データ処理装置、印刷システム、および印刷データ処理プログラム
出願人株式会社SCREENホールディングス
代理人個人,個人
主分類B41J 2/21 20060101AFI20240617BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】プロセスカラーのインクと主に下地用に使用される特定色のインク(典型的には、白色のインク)とを用いた印刷に関し、印刷品質を低下させることなく最終的な印刷データの生成に要する時間の短縮を実現する。
【解決手段】まず、RIP処理後の白版データに低解像度化が施される(S10)。次に、低解像度化後の白版データに収縮・膨張処理が施される(S20)。次に、収縮・膨張処理で得られたデータを参照しつつ、白版図形を収縮させる白版図形収縮処理が行われる(S30)。次に、白版図形収縮処理後の白版データに高解像度化が施される(S40)。次に、印刷品質の低下が抑制されるよう、高解像度化後の白版データに含まれている白版図形を加工する図形修正処理が行われる(S50)。最後に、印刷装置への印刷データの出力が行われる(S60)。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
プロセスカラーのインクの塗布対象の領域に相当する主図形を含むプロセスカラーデータとプロセスカラー以外の特定色のインクの塗布対象の領域に相当する第1の特定色図形を含む第1の特定色データとからなるラスターデータである印刷データを処理する方法であって、
前記第1の特定色データの解像度を低下させることによって、前記第1の特定色図形に対応する第2の特定色図形を含む第2の特定色データを生成する低解像度化ステップと、
前記第2の特定色図形に対して収縮処理を施すことによって、第3の特定色図形を含む第3の特定色データを生成する特定色図形収縮ステップと、
前記第3の特定色データの解像度を高めることによって、前記第3の特定色図形に対応する第4の特定色図形を含む第4の特定色データを生成する高解像度化ステップと、
前記第4の特定色データに対応する全体領域のうちの少なくとも一部の領域における前記第4の特定色図形を前記第1の特定色図形に置換することによって、第5の特定色図形を含む第5の特定色データを生成する図形修正ステップと
を含むことを特徴とする、印刷データ処理方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記図形修正ステップでは、前記第4の特定色図形のうち前記第1の特定色図形の輪郭の外側の部分が削除されるよう前記第4の特定色図形に対して前記第1の特定色図形を用いたマスク処理を施すことによって、前記第5の特定色図形を含む前記第5の特定色データが生成されることを特徴とする、請求項1に記載の印刷データ処理方法。
【請求項3】
前記図形修正ステップでは、前記第4の特定色図形と前記主図形とが重なっていない領域において前記第4の特定色データにおける画素値を前記第1の特定色データにおける画素値に置換することによって、前記第5の特定色図形を含む前記第5の特定色データが生成されることを特徴とする、請求項1に記載の印刷データ処理方法。
【請求項4】
前記図形修正ステップでは、前記第4の特定色図形のうち前記第1の特定色図形の輪郭の外側に相当する部分が削除されるよう前記第4の特定色図形に対して前記第1の特定色図形を用いたマスク処理を施し、かつ、前記第4の特定色図形と前記主図形とが重なっていない領域において前記第4の特定色データにおける画素値を前記第1の特定色データにおける画素値に置換することによって、前記第5の特定色図形を含む前記第5の特定色データが生成されることを特徴とする、請求項1に記載の印刷データ処理方法。
【請求項5】
前記図形修正ステップでは、前記第4の特定色データにおいて画素値が0以外である画素の画素値を前記第1の特定色データにおける画素値に置換することによって、前記第5の特定色図形を含む前記第5の特定色データが生成されることを特徴とする、請求項1に記載の印刷データ処理方法。
【請求項6】
前記低解像度化ステップの後かつ前記特定色図形収縮ステップの前に、前記第2の特定色図形を前記特定色図形収縮ステップでの収縮処理の対象とするか否かを区別する閾値である第1幅だけ収縮させた後に前記第1幅だけ膨張させることによって収縮判定用データを生成する収縮・膨張ステップを含み、
前記特定色図形収縮ステップでは、対応する図形が前記収縮判定用データに含まれていない第2の特定色図形は、収縮処理の対象外とされることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の印刷データ処理方法。
【請求項7】
MおよびNを自然数として、前記低解像度化ステップでは、前記第1の特定色データに関して(M×N)個の画素毎に画素値の平均値を求めることによって、前記第1の特定色データの解像度を横軸方向にM分の1倍かつ縦軸方向にN分の1倍にした前記第2の特定色データが生成されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の印刷データ処理方法。
【請求項8】
前記高解像度化ステップでは、最近傍補間法を用いて前記第3の特定色データの解像度を高めることによって、前記第4の特定色データが生成されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の印刷データ処理方法。
【請求項9】
前記プロセスカラーデータと前記第5の特定色データとを印刷装置に対して出力する印刷データ出力ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の印刷データ処理方法。
【請求項10】
前記特定色は、白色であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の印刷データ処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用のデータを処理する方法(印刷データ処理方法)に関し、より詳しくは、プロセスカラーのインクに加えて主に下地用に使用される特定色のインク(典型的には、白色のインク)を用いた印刷を行う印刷システムにおいてRIP処理後の特定色のデータを処理する方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、インクジェット印刷装置の普及が顕著である。インクジェット印刷装置の印刷部には、典型的には、プロセスカラーと呼ばれる4つの色(C色:シアン色,M色:マゼンタ色,Y色:黄色,およびK色:黒色)のそれぞれについて、インクを吐出する多数のノズルを有する印刷ヘッドが設けられている。これら多数のノズルから熱や圧力によりインクを印刷用紙などの印刷媒体に吐出することによって、印刷が行われる。インクジェット印刷装置による印刷は、オフセット印刷などの有版印刷とは異なり、印刷版を作製する工程や印刷装置に印刷版を取り付ける工程が不要である。従って、注文を受けてから短時間での印刷が可能である。
【0003】
上記のようなインクジェット印刷装置に関し、近年、ラベル印刷向けのものや軟包装印刷向けのものも開発されている。ラベル印刷や軟包装印刷に関しては、ビニールやセロハンなどの透明基材が印刷媒体として用いられることが多々ある。例えば、「透明基材に対して印刷を行い、印刷済みの透明基材を円筒形状の缶の側面に貼り付ける」ということが行われている(図38参照)。このような場合、印刷の際にインクが塗られなかった領域については、缶自体の色がそのまま表面に現れる。このように透明基材に対して印刷が行われる場合に、仮に白い印刷用紙への印刷時と同じように印刷が行われると、所望の色が再現されない。何故ならば、各色(C,M,Y,およびK)のデータの値(濃度)が、白い印刷用紙への印刷が行われた場合に所望の色が再現されるように調整されているからである。そこで、透明基材に対する印刷が行われる際には、従来より、「印刷すべき画像や文字とほぼ同じ形状の領域に予め白色のインクを塗り、その上にプロセスカラーのインクを重ねて塗る(もしくは、プロセスカラーのインクを塗った上に白色のインクを重ねて塗る)」という手法が採用されている。従って、ラベル印刷向けのインクジェット印刷装置や軟包装印刷向けのインクジェット印刷装置には、プロセスカラーのインクを吐出する印刷ヘッド(C色用の印刷ヘッド,M色用の印刷ヘッド,Y色用の印刷ヘッド,およびK色用の印刷ヘッド)に加えて、白色のインクを吐出する印刷ヘッドが設けられている。
【0004】
ところで、オフセット印刷においてプロセスカラー用の4つの色版(C版,M版,Y版,およびK版)に加えて白版が用いられた場合に、印刷媒体の伸縮などに起因して白版と色版との間での版ずれが生じることにより図形(ここでの「図形」とは、文字を表す形状を含む概念である)の周囲に白いスジが現れることがある。プロセスカラーのインクに加えて白色のインクを用いてインクジェット印刷装置で印刷が行われた場合にも、プロセスカラーのインクの吐出位置と白色のインクの吐出位置とのずれなどに起因して、オフセット印刷が行われた場合と同様に図形の周囲に白いスジが現れることがある。
【0005】
なお、以下においては、インクジェット印刷装置での印刷で上記のような白いスジを引き起こす「ずれ」のことも「版ずれ」という。このように、本明細書では、無版印刷を行うインクジェット印刷装置の説明に関して、説明の便宜上、「版」という語を用いる。例えば、プロセスカラーのデータのことを「色版データ」といい、白色のデータのことを「白版データ」といい、色版データに基づき所望の色のインクが塗られる領域に相当する図形のことを「色版図形」といい、白版データに基づき白色のインクが塗られる領域に相当する図形のことを「白版図形」という。
【0006】
版ずれに起因して図形の周囲に白いスジが現れることを抑制するために、従来より、色版図形よりも白版図形の方が小さくなるように白版図形を細くする処理が行われている。ところで、図形の周縁部に位置するピクセル(画素)のデータ値(画素値)を変えることによって当該図形を全体的に細くする処理は、画像処理の分野では「収縮処理」と呼ばれている。そこで、本明細書においては、白版図形を細くするための一連の処理のことを「白版図形収縮処理」という。白版図形の収縮は、次のように行われる。白版データに関し、データ値が0以外であるピクセルを着目ピクセルとし、着目ピクセルの周囲に1つでもデータ値が0であるピクセルが存在すれば、着目ピクセルのデータ値が元の値から0に書き換えられる。このようにして、白色の図形が全体的に縮められる。
【0007】
図39を参照しつつ、白版図形収縮処理について更に説明する。白版図形収縮処理を行わなかった場合に例えば図39のA部で符号91を付した部分に示すような白いスジが現れると仮定する。このとき、白版図形収縮処理によって白版図形を1ピクセル幅だけ細くすると、例えば図39のB部で符号92を付した部分に示すように白いスジは細くなる。また、この例において、白版図形収縮処理によって白版図形を細くする幅(以下、「細らせ幅」という。)をさらに大きくすることによって、白いスジのない印刷画像(例えば図39のC部に示すような印刷画像)が得られる。
【0008】
上記のように、白版図形収縮処理によって、版ずれに起因して図形の周囲に白いスジが現れることは抑制される。しかしながら、処理対象のデータが複雑な図形で構成されている場合、白版図形収縮処理に要する時間が長くなり、印刷全体の処理効率が低下する。そこで、特開2018-012262号公報には、白版図形収縮処理をベクトルデータに対して行うのではなくラスターデータに対して行うことによって白版図形収縮処理を高速に行う技術が開示されている。また、白版図形収縮処理に関する技術ではないが、オーバーコート処理などのコート処理用のデータを生成する画像処理に関して入力画像データを低解像度化することによって処理時間を短縮する技術が特開2013-071426号公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2018-012262号公報
特開2013-071426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、一般に、軟包装印刷ではラベル印刷に比べて基材サイズや解像度が大きい。従って、白版図形収縮処理で処理対象となるピクセル数は、ラベル印刷よりも軟包装印刷の方が多くなる。また、UVインク(紫外線硬化型インク)を用いるラベル印刷と水性インクを用いる軟包装印刷とを比較すると、インクの定着(UVインクについては硬化、水性インクについては乾燥)に要する時間がラベル印刷よりも軟包装印刷の方が長いため、プロセスカラー用の印刷ヘッドと白色用の印刷ヘッドとの間隔がラベル印刷よりも軟包装印刷の方が長くなっている。これにより、プロセスカラーのインクの印字位置と白色のインクの印字位置とのずれ(見当ずれ)がラベル印刷よりも軟包装印刷の方が大きくなる。それ故、白版図形収縮処理において、軟包装印刷ではラベル印刷に比べて細らせ幅を大きくする必要がある。以上より、軟包装印刷では白版図形収縮処理に要する時間が長いため印刷処理全体の効率が低下している。ラベル印刷でも将来的に例えば解像度が大きくなったときに同様のことが懸念される。
(【0011】以降は省略されています)

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