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公開番号2023121431
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-08-31
出願番号2022024781
出願日2022-02-21
発明の名称感熱記録材料
出願人三菱製紙株式会社
代理人
主分類B41M 5/42 20060101AFI20230824BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】長時間白灯下で晒された場合の感度低下が抑制され、高コントラストな画像が得られる感熱記録材料を提供する。
【解決手段】光透過性支持体上に、該光透過性支持体に近い側から830nmにおけるモル吸光係数ε(830)と、365nmにおけるモル吸光係数ε(365)の比、ε(830)/ε(365)の値が4.0以上の赤外線吸収色素およびベンゾキノン化合物を含有する赤外線吸収層、非感光性有機銀塩および還元剤を含有する感熱記録層、および保護層をこの順に有する感熱記録材料。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
光透過性支持体上に、該光透過性支持体に近い側から830nmにおけるモル吸光係数ε(830)と、365nmにおけるモル吸光係数ε(365)の比ε(830)/ε(365)の値が4.0以上の赤外線吸収色素およびベンゾキノン化合物を含有する赤外線吸収層、非感光性有機銀塩および還元剤を含有する感熱記録層、および保護層をこの順に有する感熱記録材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線レーザーの照射により画像を形成することが可能な感熱記録材料に関し、特に版下材料の作製に好適な感熱記録材料に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
版下材料の作製に用いられる高画質な画像形成方法として、ハロゲン化銀感光材料を用いた湿式処理の画像形成方法が長く一般的に用いられてきた。しかしながら、湿式処理の画像形成方法では現像液や定着液等の廃液処理が必要で環境負荷が大きいことから、湿式処理を必要としない乾式の画像形成方法が種々検討されてきた。現在ではインクジェットプリンター、電子写真、染料熱転写方式等といった画像形成システムが実用化されている。しかしこれらの乾式の画像形成方法は、画像部における優れた遮光性および、非画像部における優れた光透過性を有する、いわゆる高コントラストな版下材料を得ることは困難である。
【0003】
ハロゲン化銀感光材料を用いた湿式処理の画像形成方法と同等の高いコントラストを得ることができる乾式の画像形成方法としては、支持体上に感熱記録層を有する感熱記録材料にサーマルヘッドあるいは赤外線レーザーを用いて画像形成する方法が挙げられる。その中でも、高密度記録、高画質記録の観点からは赤外線レーザーを用いた感熱記録方式が優位である。赤外線レーザーによって描画可能な感熱記録材料としては、例えば特開平6-194781号公報(特許文献1)には高濃度の画像を記録できる熱記録材料として、熱的に還元可能な銀源、銀イオン用還元剤、約500~1100nmの波長範囲のレーザー光を吸収する色素、およびポリマー状結合剤を含有する熱記録材料が開示され、特開平10-29377号公報(特許文献2)には高画質の画像を記録できる感熱記録材料として、有機銀塩、有機銀塩の現像剤、特定の構造を有するメロシアニン系赤外線吸収色素、および水溶性バインダーを含有する感熱層を有する感熱記録材料が開示されている。また特開2001-10229号公報(特許文献3)には非画像部の紫外線濃度が低く残色が少ない熱発色画像形成材料として、非感光性有機銀塩、銀イオン用還元剤、バインダー、色調調整剤および750~1100nmの波長範囲の放射線を吸収する吸収剤を含有する熱発色画像形成材料が開示されている。
【0004】
上記したような感熱記録材料は、製版前後の工程を通して白灯下で取り扱うことができるので、作業負担を軽減できるメリットがある。しかし、感熱記録材料が製版前に長時間白灯下に晒されると、感度の低下や画像のコントラスト低下が生じ、版下材料としての性能が低下する場合があった。近年では特に、環境意識の高まりから廃棄のリスクを低減することが求められることもあり、感熱記録材料の白灯下での安定性についても更なる改良が求められていた。
【0005】
特開平10-142722号公報(特許文献4)には、支持体上に有機銀塩、有機銀塩の現像剤、バインダー、およびカチオン性色素の有機ボレート塩を含有する記録層をする赤外レーザー用記録材料が開示され、有機銀塩およびカチオン性色素の有機ボレート塩と、有機銀塩の現像剤をマイクロカプセル等の隔壁を隔てて存在させることで、該赤外レーザー用記録材料の保存性が優れる旨記載されている。しかしながら、上記した白灯下での安定性については更なる改善が望まれていた。
【0006】
他方、特開昭49-130741号公報(特許文献5)には適用温度範囲で感光性還元剤にさらして画像を形成する影像シートにおいて、有機銀塩、銀像用調色剤、および特定量の酸化剤を含む層を有する感熱影像シートが開示され、該酸化剤として有機キノン類を含むことにより熱安定性と良好な長期保存性を有することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平6-194781号公報
特開平10-29377号公報
特開2001-10229号公報
特開平10-142722号公報
特開昭49-130741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、長時間白灯下で晒された場合の感度低下が抑制され、高コントラストな画像が得られる感熱記録材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題は、以下の発明により解決される。
光透過性支持体上に、該光透過性支持体に近い側から830nmにおけるモル吸光係数ε(830)と、365nmにおけるモル吸光係数ε(365)の比ε(830)/ε(365)の値が4.0以上の赤外線吸収色素およびベンゾキノン化合物を含有する赤外線吸収層、非感光性有機銀塩および還元剤を含有する感熱記録層、および保護層をこの順に有する感熱記録材料。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、長時間白灯下で晒された場合の感度低下が抑制され、高コントラストな画像が得られる感熱記録材料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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