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公開番号2024062485
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-10
出願番号2022170332
出願日2022-10-25
発明の名称熱転写シート
出願人フジコピアン株式会社
代理人
主分類B41M 5/40 20060101AFI20240501BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】熱溶融転写方式の熱転写シートにおいて、耐熱滑性層にシリコーン系化合物を用いずに、耐スティッキング性(耐熱性、滑性)に優れ、ヘッドカスの付着による印字欠陥もなく良好な印画を得ることができ、さらに高感度な熱溶融性の熱転写インク層とした場合でも、耐ブロッキング性に優れる熱転写シートを提供すること。
【解決手段】熱転写シートの耐熱滑性層として、離型性に優れた特定の長鎖アルキルペンダント型樹脂と、融点が100~130℃の範囲、かつ酸価が17~30mgKOH/gの範囲である酸化ポリエチレンワックスを、長鎖アルキルペンダント型樹脂/酸化ポリエチレンワックスの質量比率が35/65~75/25で配合したものとする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材の一方の面に熱溶融性の熱転写インク層を有し、前記基材のもう一方の面に耐熱滑性層を有する熱転写シートであって、前記耐熱滑性層は、長鎖アルキル基を側鎖に有する長鎖アルキルペンダント型樹脂と、酸化ポリエチレンワックスからなり、前記長鎖アルキルペンダント型樹脂は、エチレン-ビニルアルコール共重合物と炭素数12~22個の直鎖状のアルキル基を有する単官能イソシアネートとの反応生成物であって、前記酸化ポリエチレンワックスは、融点が100~130℃の範囲、かつ酸価が17~30mgKOH/gの範囲であり、前記耐熱滑性層の前記長鎖アルキルペンダント型樹脂と前記酸化ポリエチレンワックスの配合は、長鎖アルキルペンダント型樹脂/酸化ポリエチレンワックスの質量比率が35/65~75/25の範囲であることを特徴とする熱転写シート。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記酸化ポリエチレンワックスの重量平均分子量(Mw)が、900~9,500の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
【請求項3】
前記耐熱滑性層の膜厚が0.02~0.20μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
【請求項4】
前記耐熱滑性層のテープ剥離力が2.0N/25mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
【請求項5】
前記耐熱滑性層が、耐熱滑性層塗工液を所定厚さで塗工した後、前記酸化ポリエチレンワックスの融点以上の温度で前記耐熱滑性層を加熱乾燥して、前記耐熱滑性層の前記長鎖アルキルペンダント型樹脂と前記酸化ポリエチレンワックスとが均一に相溶した塗膜とすることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱溶融転写方式で印字(又は印画)するために用いる熱転写シートに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来より熱溶融転写方式で用いる熱転写シートは、一般的に基材フィルムの片面に熱溶融性の熱転写インク層が形成され、もう一方の面に耐熱滑性層が形成されたものである。この耐熱滑性層としては、熱転写プリンターで印字した時の耐スティッキング性や、熱転写シートをロール状として保存した時の熱転写インク層との耐ブロッキング性改善のため、滑剤としてシリコーンオイルを用いたり、耐熱性や離型性に優れるシリコーン変性樹脂等のシリコーン系化合物を用いることが提案されている(特許文献1、2、3)。
【0003】
これらのシリコーン系化合物を用いた耐熱滑性層は、耐スティッキング性、耐ブロッキング性に優れているが、塗膜強度が不充分である為に、連続印字の際にサーマルヘッドとの摩擦や機械的な応力によって、耐熱滑性層の構成物が脱落してサーマルヘッドに付着する、いわゆる「ヘッドカス」が発生する場合がある。このヘッドカスの堆積が多くなると、サーマルヘッドからの熱が熱転写シートに充分伝わらずに印字欠陥が生じてしまう。
【0004】
また、シリコーン系化合物を用いた耐熱滑性層は、遊離シリコーン成分の移行の問題がある。これは、熱転写シートの製造方法として、基材フィルムの片面に耐熱滑性層を形成してからロール状に一旦巻き取り、その後にもう一方の面に熱転写インク層を形成することによって製造する場合、シリコーン系化合物を熱転写シートの耐熱滑性層に用いると、その巻き取り時、もしくは巻き取ったロール状での保管時に、耐熱滑性層中に含まれている遊離シリコーン成分が、熱転写インク層を形成する前の基材フィルム面に移行し、熱転写インク層の形成時にインクがはじいて塗布面不良が生じたり、熱転写インク層を形成したあとに基材フィルムとの密着不良を生じたりする場合がある。また、製造した熱転写シートをロール状で保存したときに遊離シリコーン成分が熱転写インク層側に移行し、印字時に転写不良が生じたり、転写したインク層の被転写体への密着不良が生じるといった問題もある。
【0005】
一方、シリコーン系化合物を用いない耐熱滑性層として、特許文献4には水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物からなる耐熱性微粒子と、バインダーとしてポリビニルブチラール又はポリビニルアセトアセタール樹脂とからなる熱転写シートが提案されている。この熱転写シートの耐熱滑性層は、耐スティッキング性に優れており、シリコーン成分を含まないため、遊離シリコーン成分による転写不良や密着性不良の発生はない。しかしながら、耐熱滑性層の離型性が悪いため、熱溶融性の熱転写インク層の高感度化(低印字エネルギー化)に伴い、軟化点の低い樹脂材料などを用いる場合、熱転写シートをロール状で保存したときの耐ブロッキング性が劣るものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭62-82086
特開平4-16390
特開平5-64987
特開平6-135166
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、熱溶融転写方式の熱転写シートにおいて、耐熱滑性層に遊離シリコーン成分を含むシリコーン系化合物を用いずに、耐スティッキング性(耐熱性、滑性)に優れ、ヘッドカスの付着による印字欠陥もなく良好な印字(又は印画)を得ることができ、さらに高感度な熱溶融性の熱転写インク層とした場合でも、耐ブロッキング性に優れる熱転写シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の熱転写シートは、基材の一方の面に熱溶融性の熱転写インク層を有し、前記基材のもう一方の面に耐熱滑性層を有する熱転写シートであって、前記耐熱滑性層は、長鎖アルキル基を側鎖に有する長鎖アルキルペンダント型樹脂と、酸化ポリエチレンワックスからなり、前記長鎖アルキルペンダント型樹脂は、エチレン-ビニルアルコール共重合物と炭素数12~22個の直鎖状のアルキル基を有する単官能イソシアネートとの反応生成物であって、前記酸化ポリエチレンワックスは、融点が100~130℃の範囲、かつ酸価が17~30mgKOH/gの範囲であり、前記耐熱滑性層の前記長鎖アルキルペンダント型樹脂と前記酸化ポリエチレンワックスの配合は、長鎖アルキルペンダント型樹脂/酸化ポリエチレンワックスの質量比率が35/65~75/25の範囲であることを特徴とする熱転写シートである。
【0009】
本発明の熱転写シートの一態様において、前記酸化ポリエチレンワックスの重量平均分子量(Mw)は、900~9,500の範囲とすることができる。
【0010】
本発明の熱転写シートの一態様において、前記耐熱滑性層の膜厚は0.02~0.20μmの範囲とすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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