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公開番号2023163993
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-11-10
出願番号2022075264
出願日2022-04-28
発明の名称感熱記録材料
出願人三菱製紙株式会社
代理人
主分類B41M 5/41 20060101AFI20231102BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】支持体が紙基材であって、感熱記録層の発色感度に優れ及び発色濃度ムラの発生を防止した感熱記録材料を提供する。
【解決手段】課題は、感熱記録層と、支持体と、再湿潤性糊層とをこの順番で少なくとも有し、前記支持体が紙基材であって、前記紙基材が紙基材が不透明度70%以上90%以下及び下記式で求められるA値が0.89以上1.31以下並びに密度が0.70g/cm3以上0.80g/cm3以下である感熱記録材料によって解決できる。
A=紙基材の不透明度(%)/紙基材の厚さ(μm)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
感熱記録層と、支持体と、再湿潤性糊層とをこの順番で少なくとも有し、前記支持体が紙基材であって、前記紙基材が不透明度70%以上90%以下及び下記式で求められるA値が0.89以上1.31以下並びに密度が0.70g/cm

以上0.80g/cm

以下である感熱記録材料。
A=紙基材の不透明度(%)/紙基材の厚さ(μm)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体として紙基材を用い、支持体の表面に対して感熱記録層及び支持体の裏面に対して再湿潤性糊層を有する感熱記録材料に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
少なくとも、再湿潤性糊とスルホン変性ポリビニルアルコールとを含有する再湿潤性糊層、支持体、並びにロイコ染料及び呈色剤を含有する感熱記録層を順次有する感熱記録材料は、既に公知である(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されるが如くの感熱記録材料は、再湿潤性糊層を再湿潤させた際の粘着力と、再湿潤性糊層の被着体への接着力に優れる。一方、特許文献1に記載されるが如くの前記感熱記録材料に関しては、感熱記録層用塗液の助剤の一例として消泡剤を記載するのみである。
【0003】
例えば、支持体上に電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、前記支持体として厚さ37μm以下であると共に、JIS-P8138に基づく不透明度が70%以上の紙支持体を用いることを特徴とする感熱記録材料が公知である(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載されるが如くの感熱記録材料は、多数枚複写用として好適であって、二枚目以降の転写効率が悪いという課題を解決する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平11-085030号公報
特開平07-309068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
感熱記録層は、通常、電子供与性染料、染料前駆体、塩基性染料及びロイコ染料などの発色性の染料、電子受容性化合物又は呈色剤などとも称する顕色剤、並びに結合剤、接着剤又は結着剤などとも称するバインダーを含む水などの媒体に分散して分散体を調製し、前記分散体を支持体に塗工及び乾燥して得ることができる。
【0006】
感熱記録の印刷品質は、印刷機のサーマルヘッドから感熱記録材料への熱伝達率に大きく依存する。特に、感熱記録の印刷品質は、支持体を経由した熱拡散によって低下する。支持体の熱伝達率と感熱記録材料の発色感度は、ほぼ逆相関の関係にある。すなわち、支持体の熱伝達率が小さく熱拡散を抑えて断熱性を上げれば,それだけ熱エネルギーの利用効率は高くなって発色感度が向上する。感熱記録材料の支持体には、樹脂フィルム、合成紙又は紙基材などを使用する。感熱記録材料の支持体には、取り扱い性、重さ及び廃棄などの観点から紙基材を使用する製品が多い。しかしながら、紙基材は、感熱記録材料の支持体として多数の気泡を有する合成紙などに比べて十分な断熱性を有しない。さらにまた、紙基材は、一般にセルロース繊維領域とセルロース繊維内部及びセルロース繊維間に存在する空隙領域とから構成されて内部の均一性に劣る。この結果として、紙基材は熱伝達率も均一性に劣る。これに起因して、支持体として紙基材を用いた感熱記録材料は,サーマルヘッドで均一に加熱しても,紙基材の熱伝達率ムラを反映した発色濃度ムラを生じる。
【0007】
特許文献1に記載されるが如くの感熱記録材料は、支持体の表面に対して感熱記録層及び支持体の裏面に対して再湿潤性糊層を有する。本明細書において、支持体の表面及び裏面とは、支持体の面を区別するために便宜的な記載であって、支持体の物理的乃至化学的な違いに依存する様な表面及び裏面を示さない。一般的に、再湿潤性糊層の糊剤には、クロロプレンゴム類、ポリビニルアルコール類、澱粉類、酢酸ビニル系共重合体、デキストリン、アラビアゴム、ニカワ、及びポリアクリルアミドなどが用いられる。
支持体が紙基材である特許文献1に記載されるが如くの感熱記録材料は、再湿潤性糊層を有しない感熱記録材料に比べて、発色感度が低下する傾向を示す。これは、紙基材に対して再湿潤性糊層の塗工液を塗工及び乾燥する際に、再湿潤性糊層の糊剤が紙基材へ多少浸透するからである。上記した様に、糊剤は、基本的に樹脂であるために紙基材の空隙領域を小さくする作用効果を有する。そして、空隙領域が小さくなると紙基材の断熱性が低下するからである。一方、紙基材の空隙が小さくなることを予想して空隙を大きくすると、糊剤がますます浸透することとなる。よって、支持体の裏面に対して再湿潤性糊層を有しなおかつ支持体として紙基材を用いた感熱記録材料は、発色感度を得難い。
【0008】
以上から、本発明の目的は、支持体が紙基材でありながら、発色感度に優れ及び発色濃度ムラの発生を防止した感熱記録材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、感熱記録層と、支持体と、再湿潤性糊層とをこの順番で少なくとも有する感熱記録材料において支持体とする紙基材について鋭意検討を行い、本発明に至った。
すなわち、上記目的は、下記感熱記録材料によって達成できる。
感熱記録層と、支持体と、再湿潤性糊層とをこの順番で少なくとも有し、前記支持体が紙基材であって、前記紙基材が不透明度70%以上90%以下及び下記式で求められるA値が0.89以上1.31以下並びに密度が0.70g/cm

以上0.80g/cm

以下である感熱記録材料。
A=紙基材の不透明度(%)/紙基材の厚さ(μm)
【0010】
紙基材の不透明度は、紙基材へ入射した光の反射及び散乱によって決まる。紙基材の高い不透明性は,大きい比散乱係数に依存する。紙基材にはセルロース繊維内部及びセルロース繊維間に空隙領域が存在するため、紙基材に入射した光は、セルロース繊維領域と空隙領域との界面で光の屈折を不特定の方向に幾重にも繰り返す。その結果、紙基材は不透明になる。なおかつ、紙基材は、空隙領域の存在によって断熱性を発現する。しかしながら通常、セルロース繊維内部及びセルロース繊維間の空隙領域は均一性に劣る。例えば、セルロース繊維を過剰に高叩解すれば上記空隙領域は均一化するものの、空隙自体が減少し、紙基材の断熱性が損なわれる。また、セルロース繊維領域と空隙領域との界面で光の屈折の繰り返しは、紙基材の厚さにも関係する。
本発明者らは、紙基材の不透明度と厚さが空隙領域の状態指標になることを発見した。すなわち、特定の範囲である不透明度及び不透明度と厚さとの関係値を有する紙基材は、感熱記録材料が発色感度に優れるための十分な断熱性及び感熱記録材料が発色濃度ムラの発生を防止できるために十分な空隙領域及びその均一性を有することができる。
紙基材の密度も上記空隙領域に依存する値であるものの、紙基材における全体的な空隙領域の割合を示すに過ぎず、密度だけでは空隙領域の状態指標にならない。また、紙基材が、炭酸カルシウム及びシリカなど多孔質である填料の依存によって不透明度を高めると紙基材の密度が大きくなり、紙基材の空隙領域と不透明度との関係にズレを生む。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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