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公開番号2024083435
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-21
出願番号2024059915,2020201810
出願日2024-04-03,2020-12-04
発明の名称高ストレッチ織物
出願人興和株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類D03D 11/00 20060101AFI20240614BHJP(織成)
要約【課題】柔軟性を有し、緯方向およびバイアス方向に高い伸縮性及び伸長回復率を有する織物を提供することを課題とする。
【解決手段】多重織組織を有するストレッチ織物であって、前記多重織組織は、経二重織であって経方向に畝模様を有するトリコ織組織と、緯裏付け組織と、を経糸を共通にして両組織の緯糸が一定の配列で交互に配置されるように複合させた織組織からなり、前記経糸に対する、前記緯裏付け組織を構成する緯糸の浮き数が3以上である、ストレッチ織物、により課題を解決する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
多重織組織を有するストレッチ織物であって、
前記多重織組織は、経二重織であって経方向に畝模様を有するトリコ織組織と、緯裏付け組織と、を経糸を共通にして両組織の緯糸が一定の配列で交互に配置されるように複合させた織組織からなり、
前記経糸に対する、前記緯裏付け組織を構成する緯糸の浮き数が3以上である、ストレッチ織物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、嵩高感(膨らみ感)及び柔軟性を有し、緯方向及びバイアス方向への高い伸長率及び伸長回復率を有するストレッチ織物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、衣類に使用されるストレッチ織物は、薄地及び/又は厚地織物に使用されているが、その伸縮性は弾性繊維任せで、生地に嵩高感を持たせようとすると生地の伸縮性が犠牲になり、高伸長率(高ストレッチ性)を求めようとすると、生地の膨らみ感が犠牲となっており、嵩高感と伸縮性を両立させた衣料用生地には、さらなる改善が求められている。
【0003】
特許文献1には経糸に固い糸、緯糸に固い糸と弾性糸を交互に配置し、緯糸の固い糸は経糸を6~24本をまたぐようにし、弾性糸にテンションをかけた状態で製織し、その後通常のテンションに戻す際に弾性糸の収縮に伴って固い糸がたわんでループを形成させることにより、織物のような外観を有するストレッチ織物が開示されているが、生地厚は薄く、伸縮性も形成されたループ部の糸の長さに限定されるため十分なものではなかった。
【0004】
特許文献2には、経糸を表裏二重にし、緯糸を一重、かつ弾性繊維フィラメントを使用した、経二重織としたストレッチ性を有する経二重織デニムが開示されている。しかし、経二重織とすることで嵩高感は得られるものの、表裏組織が綾織りまたは朱子織の組織となっており、伸長率が十分なものではなかった。
【0005】
特許文献3には、経緯に弾性糸を有し、平織部分と二重織部分とが交互に繰り返されている競泳水着用の織物が開示されている。この織物は、平織部分が凹、二重織部分が凸となり、この凹凸部を水中での体の進行方向と平行にストライプ状に配置させることで水流との摩擦係数を軽減させることができ、高い伸縮性も得られる。しかし、平織の部分で生地は薄くなり、二重織の部分で厚くなる織物は、生地全体として嵩高感を出すことは難しく、一般的な衣料品に汎用可能な織物とは言い難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許6033087号
特許3863749号
特許6018337号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、柔軟性を有し、緯方向およびバイアス方向に高い伸長率及び伸長回復率を有する織物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討の結果、経二重織組織であって、表側の経糸と裏側の経糸が一定の配列で交互に配置され、表裏組織の境界位置で経糸の浮き沈みが逆になるように配置された経二重織組織、即ち経方向に畝模様を有するトリコ織組織に、さらに、一定の経糸配列で緯方向に3本以上の浮き沈みを持つように緯糸が裏付けされている組織を有する織物とすることで、伸長時の柔軟性を有し、緯方向およびバイアス方向に高い伸長率および伸長回復率を有する織物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明は、以下のものを含み得る。
[1]多重織組織を有するストレッチ織物であって、前記多重織組織は、経二重織であって経方向に畝模様を有するトリコ織組織と、緯裏付け組織と、を経糸を共通にして両組織の緯糸が一定の配列で交互に配置されるように複合させた織組織からなり、前記経糸に対する、前記緯裏付け組織を構成する緯糸の浮き数が3以上である、ストレッチ織物。
[2]前記緯裏付け組織は破れ斜文織または朱子織である、[1]に記載のストレッチ織物。
[3]前記緯裏付け組織を構成する緯糸の浮き数が15以下である、[1]又は[2]に記載のストレッチ織物。
[4]緯糸が弾性糸である[1]~[3]のいずれかに記載のストレッチ織物。
[5]伸縮率が35%以上である[1]~[4]のいずれかに記載のストレッチ織物。
[6][1]~[5]のいずれかに記載のストレッチ織物を含む衣料品。
[7][1]~[5]のいずれかに記載のストレッチ織物を含む衛生材料。
[8][1]~[5]のいずれかに記載のストレッチ織物を含む生活資材。
[9][1]~[5]のいずれかに記載のストレッチ織物を含む産業資材。
【発明の効果】
【0010】
本発明の織物は、柔軟性を有し、緯方向およびバイアス方向に高い伸長率及び伸長回復率を有するため、ニットのような風合いを有する織物を提供することができる。また、好ましい形態では、嵩高感(膨らみ感)を織物に付与することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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